リニア大阪延伸前倒し歓迎も 京都府知事「同時開業すべき」
京都府の山田啓二知事は9日の定例記者会見で、安倍晋三首相がリニア中央新幹線の大阪延伸時期を前倒しする方針を示したことについて「歓迎する」と述べた上で、「東京と名古屋の利益だけで整備する訳ではなく、大阪まで同時開業すべきだ」との考えをあらためて示した。
建設主体のJR東海は2027年に東京-名古屋間を開業させ、45年に大阪まで延伸する方針だったが、政府とJR東海は財政投融資の活用で、大阪延伸を8年程度早める方向で調整している。
名古屋-大阪間は「奈良市付近」を経由する計画だが、京都府は府域を通るルートを求めており、山田知事は「40年前に決めたルートが動かないのはおかしい。京都に持ってきた方が経済効果は大きい」と、京都ルートの優位性をあらためて主張した。
ただ「(8日に)国土交通大臣に京都の意見も聞くべきだと言ったが、返事はなかった。舞台にも上げてもらえない」と話し、誘致活動がうまく進んでいない現状をにじませた。
【 2016年06月09日 21時03分 】