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舛添知事の面談相手はゴースト? 際立つ「ホテル会議」の不自然さ

THE PAGE 6月9日(木)22時55分配信

長い付き合いのはずが「飲食費」には登場せず

 「事務所関係者ら数人による会議」が「出版社社長との面談」に変わった経緯について、知事は7日の和泉なおみ氏(共産)による代表質問の答弁として、「相手に迷惑がかからぬようにとの思いからそのような表現になってしまった」と釈明した。

 だが報告書に沿って、仮に出版社社長なる人物が正月早々、わざわざ知事の求めに応じて2年連続して1時間か数時間の相談のために木更津まで足を運んだとしよう。そうした知事と長い付き合いを持つ濃密な関係であるはずの出版社社長はどういうわけか、政治活動に関する意見交換などの会食相手としては調査報告書の中に一度も姿を見せていない。

 報告書によると、知事が代表を務める政治団体の収支報告書に記載された飲食費は、09年から14年までの5年間で計65件。その内容を記した「調査検討結果」欄のすべてに目を通しても会食相手として「政界関係者」「マスコミ関係者」「支援者」「神奈川県の政治家」などはあるものの、出版社社長の文字はない。

 2人の弁護士は、表記の統一性の見地からも、宿泊費の欄で出版社社長とした人物について、飲食費では「マスコミ関係者」に変えたり、再び「事務所関係者ら」に戻したりはしないだろう。今後の政治活動や都知事選出馬を相談するほどの相手との付き合いは、正月のリゾートホテルに限ってのことだったのだろうか。

 また知事は5月の釈明会見の場で、正月に家族旅行先のリゾートホテルで「重要な会議」を開いた理由について、「日にち。これに尽きます」と強調していた。重要な会議の前後であれば、中、小規模の飲食を伴った会議なども行われたと予想されるのに、報告書によると13、14年の正月前後に支出された政治資金は2件のみ。

 その内訳は、13年1月24日の事務所関係者らとの世田谷区内レストランでの打ち合わせと、都知事選のあった14年は「不適切」支出とされた1月10日の世田谷区の自宅近くの天ぷら料理店での食事で、知事が自費で会食したのでない限り、正月中の旅行先での「重要な会議(面談)」の唐突さが浮き彫りなってくる。

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最終更新:6月9日(木)23時20分

THE PAGE

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