追跡!タワマン「空中族」~不動産“バブル”の実態に迫る~
追跡!タワマン「空中族」 過熱する不動産市場はどこへ
空中族という人たちをどう見る?
三田さん:なかなか、いいネーミングを付けたなというふうに思ってます。
先ほどもVTRの中で、ゲーム感覚っていうふうにおっしゃっていましたけれども、やはりこう、ゲームに参入するプレーヤーの気分だと、皆さん思うんですね。
ですので、どちらかというと、誰かと対戦して勝つっていうのが、盲目的になっているような。
投資というよりは若干、投機的な臭いを感じますね。
金子さんは、空中族をどう見る?
金子さん:世界一の投資家で、ウォーレン・バフェットという人がいるんですけど、価格が低い時、株を買って、会社の将来を見越して長期で持つと、こういうのがやっぱり普通の投資だと思うんですよ、老後やなんかの。
もう値上がり益を狙った感じですので、非常にミニバブル的な傾向だなという印象を受けますね。
特に問題なのは、都心の港、中央、千代田っていう、東京の中でも突出した所だけが、商業地だけが上がっていて、もう、その他の地方はどんどん下がっているんですよ。
せいぜい地方中核都市ぐらい。
それから、所得の格差でいうと、港区が最高で1,200万円を超えているのに、熊本のある村は200万。
貯金がない人が30%。
非正規の人は、全くこういうことには関係ないという。
なんか格差社会の中で、防衛できる人と防衛できない人が、くっきり表れてる二極化みたいな面を非常に問題じゃないかなというふうに思います。
お二方とも、多少の懸念を示されているわけなんですけれども、改めて、空中族ってどういう人たちなの?っていうのを、このピラミッドで見てみますと、富裕層といわれる人たち、日本では資産1億円以上の人と、わずかですよね。
平均の年収はというと415万円だが、空中族といわれる人たちは大体どれぐらいの人たち?
石澤さん:実際のところは、ほかの普通の人よりも若干所得が高い程度で、実は富裕層という感じではないんです。
(すごいお金持ちかっていうと、そうではない?)
ではないですね。
不動産投資の意味合いが、以前とはずいぶんと違ってきておりまして、以前は不動産投資といいますと、お金持ちの方が節税のために不動産に投資するという場合が多かったんですが、今は必ずしもそうではありません。
給与もなかなか上がらない中で、虎の子の資金を出来る限りうまく運用したいという方が不動産投資をされると、その中で空中族という方もい続けられますので、以前の不動産投資とは意味合いは違ってきております。
本当のお金持ちではなく、言ってみれば、一般の人の少し上ぐらいの人たちのこういう投資行動をどう思う?
三田さん:投資の世界で、その分野が非常に活況になるっていうのは、アマチュアのプレーヤーが一気に増えたときなんですよね。
アマチュアのプレーヤーに、マネージャーである銀行とか金融機関がくっついたときに、例えば不動産のような市場が一気に活況になると。
ですので、今、新しいプレーヤーがどんどん増えている。
それで、全体が盛り上がっているということだと思います。
(投資のプレーヤーというと富裕層や節税対策をしていたお金持ちの人たちだったところに、空中族としてどんどん入り込んでいる?)
しかも、資金調達が非常に今、便利になっていますので。
(全額ローンという?)
ですので、この年収がだんだん下に下がっていっても、投資意欲はだんだん上がってるような、そんな印象を受けますね。
先ほどのVTRに出てきた空中族の方は、売るのを少しためらっていた データによると、陰りが出始めたという話もあるが、実際はどうなっている?
石澤さん:不動産の価格の方は、今の段階ではまだ上がっていまして、私は恐らく、今後2年間くらいは上がり続けるだろうとは思っているんですが、上昇の幅はもうピークだろうと思います。
不動産、賃貸が成り立つ利回りが大体3.5%くらい。
それから、一般の方々が無理なく買えるマンションが、坪単価240万くらいなんですが、今、大体そのギリギリのところまで不動産の価格は上がってしまっています。
そのため上昇率は、これから先、だんだん縮んでくると思いますね。
(そうなると、三田さんがおっしゃったように、後から入ってくると、なおさら大変になる?)
三田さん:どこの世界もプロがいて、アマがいますので、プロは今、どこで戦っているかというところも、1つの注目ポイントかなと思います。