記事の目的
TEDとは、学術・エンターテイメント・デザインなど様々な分野の人物がプレゼンテーションをおこなう講演会である。ここで登壇した5名のプレゼンターの話から学ぶことができる、人生で重要なことをプレゼンテーション動画とまとめ付きで紹介する。
どのプレゼンテーションも示唆に富むものばかりで、人間関係や問題、会話などに対して新たな視点や気づきを提供してくれる。ぜひ、これらの知恵や発見を日常生活や仕事などにも活用していただきたい。
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デザイン最大の秘密、それは気付く事
私たち人間は毎日の出来事に慣れる。でもデザイナーや革新者、起業家などは毎日の出来事に目を向けて感じとることで、改善するきっかけをつかむ。
人間の脳は有限である。だから脳は毎日の出来事を習慣として処理し、新たな何かを学ぶための余地を確保する。これは習慣化とよばれるプロセスで、人間が学ぶ最も基本的な方法の1つである。
その習慣化によって自分の周囲の問題に気がつかない、そのために解決もできないとなると問題は深刻である。だから、世界をありのままに見て思いこみを捨てよう。誰もが気づくような問題の解決は簡単だが、誰もが見逃すような問題の解決こそが難しい。
自分たちの製品を新規顧客の目線で捉えること。初心者でありつづけること。常に細部に注目すること。自明な問題に目を向けるだけでなく、見えない問題に目を向けることも大事。
<見えない問題に目を向ける3つのコツ>
1. 視野をより広げること。一歩引いて問題全体を見渡そう
→個々の事象を取りのぞいたり、まとめたりしてプロセス全体をシンプルにする
2. より近くで見ること。誰も気にとめないような小さな部分に着目しよう
→「これは本当に大事なのか、それともただの習慣でこうしているだけなのか?もしそうであれば止めよう」と考えてみよう
3. より若く考えること。チームに若い人を入れてみよう
→「なぜ車は飛ばないのか?」「なぜマジックテープではなく靴ひもなのか?」という風に子どものような視点で考えてみよう
障害こそが人をクリエイティブにさせる
問題や障害は私たちのパフォーマンスを高めることがある。例えば、読みにくい字体や気まずい他人、でたらめな行動などは問題解決へ導く障害である。これらの障害のおかげで私たちは独創的になる。
多少の障害の対処を迫られると思いがけない利点があることに、もっと認識を深める必要がある。嫌いだからといってそれが自分のためにならないわけではない。
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上手に会話する10の方法
より上手く会話するための10の基本ルール。これらのルールから、「相手に興味をもつこと」が優れた会話の要素となる。耳を傾ける。正直に、簡潔に、明確に話す。
1. ”ながら”をしない
→何かの行動をしながら会話しない。その瞬間にいるようにすること
2. 一方的に話さないこと
→何かを学ぶという姿勢で会話にのぞむこと
3. 自由回答の質問をすること
→はい/いいえで回答できるような質問はしない。相手に説明させよう
4. 流れにまかせること
→頭に浮かんだ考えは頭から出ていかせなければならない
5. もし知らなければ知らないと言うこと
→分かったふりをして安っぽい会話にしないこと
6. 相手の体験を自分のものと同一視しないこと
→相手と自分の経験は全く違う。相手の体験の話で自分の体験の話をしないこと
7. 同じことを何度も言わないこと
→自分の主張が正しいことを示そうと言葉を変えて繰り返さないこと
8. 細かいことにはこだわらない
→会話中に年号や氏名や日付のような詳細にこだわりすぎないこと
9. 聞くこと
→お互いに相手の話をきちんと聞こう
10. 簡潔に
→相手の興味をひける程度に短く、ただし肝心なところをカバーできるだけ長く話す
人生を幸せにするのは何? 最も長期に渡る幸福の研究から
富や名声、無我夢中に働くことが私たちを健康で幸福にしてくれると考えられがちだがそうではない。私たちを健康に、幸福にするのは良い人間関係に尽きる。人間関係に関する大きな教訓とは、周囲とのつながりは健康に本当に良いということ。
家族・友達・コミュニティとよくつながっている人ほど長生きする研究結果がある。しかし群衆の中や結婚生活の中でも孤独を感じることはある。重大なことは友人の数や生涯を共にする相手の有無でもない。重要なのは身近な人達との関係の質である。
例えば、愛情の薄い喧嘩の多い結婚は健康に悪影響を及ぼし、おそらくは離婚よりも悪い。愛情のある良い関係は人を保護する。私たちがどのような老年を迎えるかは、人間の満足度で予測できる。親密な良い関係が加齢過程での様々な問題を和らげてくれる。
良い関係は身体の健康だけでなく脳をも守ってくれる。何かあった時、本当に頼れる人がいると感じている人の記憶ははっきりしている。一方でパートナーに全く頼れないと感じている人には記憶障害が早期に現れ始めている。
良い人間関係といっても波風がないというわけではない。例えば、カップルが小言を言いあっていても、お互い頼りあえると感じている限り、彼らが苦難に遭遇した時に口論しても後々まで残るということはなかった。
TVやPCの前の時間を人と過ごす時間にあてよう。新鮮さを失った関係を活気づけるために何か新しいことをパートナーとしよう。何年も話していない家族に連絡をとろう。良い人生は良い人間関係で築かれる。
TEDが素晴らしいスピーチを生む秘密
優れたTEDトークに共通することは「アイデア」を届けること。アイデアとは世界を理解する情報のパターンである。そしてアイデアには人々が世界のことをどう思うか変える力があり、人々の行動を方向づける。そして人間の文化を形作る強い力である。
1. スピーチの主要なアイデアは1つに絞ること
→自分が最も強い想いを抱くアイデア1つに集中すること
2. 聞く人に関心を持つべき理由を与えること
→人々の好奇心をかきたてること
3. 聴衆が既に理解している概念を使って1歩1歩アイデアを築いていくこと
→相手の知っている言葉を使うこと
4. 自分のアイデアをみんなに知らせる価値のあるものにすること
→人々のやり方を変えるように促すこと
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