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【首都スポ】

大学野球選手権 機動力で亜大8強 宗接が流れ変える本盗

2016年6月9日 紙面から

富士大−亜大 2回亜大2死三塁、打者山本(右)のとき、三走宗接が本盗を決めて同点とする=神宮で

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◇亜大4−1富士大

 亜大(東都)が機動力を絡めて4−1で富士大(北東北)に快勝、初戦を突破して8強入りした。宗接(むねつぐ)唯人捕手(4年・神戸国際大付)が、プロ注目の速球右腕・小野泰己投手(4年・折尾愛真)から同点のホームスチールを決めた。明大(東京六大学)は1−2で関西国際大(阪神)に敗れて1998年以来18年ぶりの初戦敗退。ドラフト1位候補の柳裕也投手(4年・横浜)はタイブレークで涙をのんだ。8強が出そろい、9日は準々決勝が行われる。

 ホームスチールで流れを変えた。1点を追う2回2死三塁、バッター山本の初球。ピッチャー小野の左足が上がると同時に三塁走者の宗接がスタート。これが視界に入って慌てた小野の投球はワンバウンドとなり捕手も後逸。人生初の本盗を決めた宗接は「三塁に行ったら誰でもいくぞと言われていました。サインが出たので絶対に決めてやろうと思いました」としてやったり。

 152キロ右腕の小野を機動力で揺さぶった。大きなフォームを狙った本盗もその1つ。「ウチは打てない前提のチーム。三塁に出たら、すぐにやると決めていた」と生田勉監督(49)。前日は全員でホームスチール練習も行った。各自がストップウオッチを持って走って、スタートからホームインまでのタイムを計測し、小野が足を上げてからボールが捕手に届くまでのタイムと比較。50メートル6秒4とチームでは速くも遅くもない宗接も、十分上回っていた。

 今季のチームテーマの「機動力」「選球眼」を発揮し、小野に「ボール球に手を出してこないので苦しいピッチングになった」と言わせた。4投手から6安打8四死球で、先頭が四球のイニングはすべて得点した。7回にも貴重な追加点をたたき出すエンドランを決めた宗接は「打つことも大事ですが、四球を選んで走っても、亜細亜の野球」と胸を張った。

 この日朝のニュースでナインは、東京都内でアイドル活動中にファンに刺されて重体となっている亜大3年の冨田真由さん(20)の意識が回復したことを知った。真由さんは、経営学部経営学科教授でもある野球部の大島正克部長にとって、ゼミの教え子でもある。食事中だった選手たちもホッとした。リーグ優勝のウイニングボールは病室に届けた。「この大会も勝つたびにボールをもらって届けようと話した」と生田監督。あとボール3つで、14年ぶり5度目の優勝も決まる。 (小原栄二)

 

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