エレメンタルアーツ(Windows、バロック)
ジャンル:シュミレーションRPG
あの、「ミッドガルド」で(その手の人達には)有名なバロックが、
無謀にも
英雄伝説5などという、PCゲームの世界ではメジャーな作品に発売日を
ぶつけること自体、
メーカーの心意気を感じさせる行為であります。
でも、真にバロック社の心意気を感じさせる事項は、ゲームをインストール
して起動したときに明かされたのでした…。
さて、能書きはこの位にして、ゲームの紹介に移ります。
まずはストーリー。この作品の最大の特徴、それは、
「RPGの世界を全く反対の視点から描いた」
ことに付きます。
分かり易く言うならば、「自分達は魔物で、敵は勇者様」といった図式です。
この為、ありきたりのRPGのストーリーとは
一線を画しています。お話の完成度もかなり高く、プレイヤーはどんどんエレメンタルアーツの世界に
のめりこんでいきます。
例によって、その細かい内容はプレイしてからのお楽しみということにしておきましょう。
楽しみを奪うといけませんから。
で、次にグラフィックです。
正直にいいましょう。初めてこの作品をプレイしたとき、その美しさに思わず
息を飲みました。
こ、コンシュマーのゲームなんざ比較に
なんねえ…。
普段F−DENはグラフィックでゲームの出来を判断するということはしないの
ですが、
これだけ綺麗な代物なら話は別です。国産PCゲームにしては、高いスペックを要求されるだけのことはあります。
これ+山本和枝先生のキャラデザインと、かわいい2Dキャラが、感情移入度を
ぐんとたかめております。
しかも、この手のゲームでよくありがちな、「3Dのマップが入り組んでいて
マップが見づらい」ということが
ほとんどありません。マップ上のキャラを見栄を張って3Dキャラにせず、あえてドッド絵で描いたり、
3Dマップを可能な限り見やすくしたりと、
ポリゴンを上手に、しかも効果的に使っております。
「3Dポリゴンとはこのように使うのですよ」と、いかにもいいたげです。
まあ、実際にプレイしていただければ、そのことが嫌でも分かると思います。
最後にその他の部分について。
このゲームの魔法は「アーツ」と呼ばれ、武器や防具、アクセサリー等に付いている
「エレメント」とよばれる代物(要するに属性)を組み合わせて発動させます。
そのくみ合わせはなんと100通りもあります。
この組み合わせを全て見つけることも、このゲームのもう一つの楽しみです。
ていうか、このことは、この作品にとって
極めて重要な要素です。この作品は、難易度的にはいわゆる「ヌルゲー」と呼ばれる部類に属しております。
ですが、これはあくまで戦闘そのものの難易度です。
この作品において、目の前の敵は本当の
敵ではありません。
真の敵は、敵を倒すと落とすお宝と、マップ上に転がっている隠しアイテムです。
どういうことかというと、
敵の落とすアイテムをいかに効率良く集めるかによって、後の展開
が変わってくる
からです。
何故なら「アイテム&お金を集めない」→「新しいアーツが手に入らない」
→「後半の展開がきつくなる」といった感じです。
とくに終盤は、敵が
マップ上の全ての敵を攻撃可能な魔法
(別名反則魔法)と言う、インチキ以外の何者でもない魔法を平気で撃ってくる
ので、対抗上こちらも、反則魔法を用意せねばなりません。
もし終盤で反則魔法が用意できなくなると、攻略が難しいマップもでてきます。
でも、普通にアイテム等を集めていれば、後半部に入った辺りでだれか一人は、
この手の魔法を手に入れることができますので、心配はほとんど無用です。
まあ、このゲーム、ゲームとしての難易度は低いですが、これは難易度調整
が甘いわけではなく、誰でも思う存分このゲームを楽しんでもらいたいという、
製作者側の
精一杯の心遣いであると私はおもっております。「SLGなんかやったことなーい」という人でもまずクリアできる難易度ですので、
自宅のPCのスペックが足りていれば、プレイしてみてください。