ソフトウエア名 | エレメンタルアーツ |
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発売元 | AGREE |
開発 | BAROQUE |
ジャンル | ファンタジー・シミュレーションRPG |
特典 | 原画集 |
価格 | ¥9,800 |
ストーリー
その昔、神託を受けたハイゼンガルドは魔王を斃し、大勇者として人間界と魔界の全てを統治するに至りました。
一方、人里離れた地で育ったレンと幼馴染のリアの二人は、それぞれの育ての親とともに、平穏に暮らしていました。しかしある日、レンの育ての親であるタルドスが、魔族狩り《魔狩人》に殺されてしまいました。自分が人族ではなく魔族だと知ったレンは、リアとともにタルドスの仇を討つため旅立ちます。
敵は人間、そして大勇者。はたして、その先にはどんな真実が待ちうけているのでしょうか……?
ゲームの概要
なんと言いますか、『ファーランドサーガ』です(^^;。おそらく、『ファーランドサーガ』をイメージしていただければ、まず間違いないでしょう。バトルフィールドが完全3D化した『ファーランドサーガ』です。「ファーランドの続編だ」と言っても、きっと騙せると思います(^^;。
『ファーランドサーガ』を御存知でない方のために、簡単に説明しておきます。これは、タクティカルRPGという部類のゲームです。『ドラゴンクエスト』のように広大なフィールドを歩いたり、『ウィザードリィ』のようにダンジョンを進むわけではありません。紙芝居型のシナリオに沿って話が進み、要所要所で戦闘のみを行う、戦闘に特化したRPGです。戦闘は、用意されたバトルフィールド上にユニット(キャラクタ)が配置さ
れ、ターン制でユニットを操作し、敵を斃していきます。このへんは、チェスとか将棋みたいなものですね。
『エレメンタルアーツ』のバトルフィールドは3Dで、グリグリ動きます(パワーいりますが)。マップはポリゴンですが、チビキャラ(ユニット)は2Dです。
このゲームは、アイテムの組み合わせで得られる「アーツ(魔法)」を発見しつつ、話が進んでいきます。アーツの元となるエレメントはアイテムに宿っています。獲得したあるいは購入したアイテムをああでもないこうでもないと組み合わせて、魔法を作るのはなかなか楽しい作業です。というか、これを楽しめないと、このゲーム自体を楽しめません(^^;。どちらかというと魔法メインで、武器戦闘はオマケだと思った方が楽しめるかもしれませんね。終盤になると、誰も武器戦闘しません(^^;。
グラフィック☆☆☆☆
原画は、『ファーランド』シリーズ(TGL)や『キャッスルファンタジア』シリーズ(Studio e.go!)でお馴染みの山本和枝さんです。美麗CGを堪能してください。ビジュアルシーンも、そこそこあります。
バトルフィールドは、おそらくビデオカードの性能などにもよると思いますが、なかなか綺麗です。アーツ発動のアニメーションを楽しんでください。「なんで、こんなへぼいアーツで、こんなすごいアニメーションするんだ?」というのもあります(^^;。たかがヒートブレード(武器に魔法をかけて攻撃力を増す)でも、すごいアニメーションしてくれます。ただし、TNTとかVoodooなど馬力のあるビデオカードが必要です。
しかし、このゲームってどれくらいのパワーがいるんでしょうね? 私のマシンは、ビデオカードは128ZXRとへぼいんですけどCPUがPentium!!! 700MHzなんで、ストレスは感じませんでした(グラフィック処理はボロボロでしたが……)。セレロンとか使ってる方は、馬力のあるビデオカードを載せた方がいいかもしれません。
で、じつはCGにすっごい不満があります。というのは、会話シーンでのキャラの顔グラフィックが1種類しかないんです。怒っても笑っても泣いても同じ顔。これだと、会話に感情移入できないんですよね。非常に残念です。これがなかったら、星5つ付けても良かったかもしれません。
操作性☆☆
マウスは使えません。キーボードかジョイスティックです。私はまだマウスが珍しかった頃からパソコンでゲームやってますので、そんなに抵抗ないんですけど。ただ、戦闘時にキャラを指定するときなど、面倒でした。いちいちキーを叩いて、カーソルを動かさないといけませんから。慣れの問題ですが、マウス愛用者にはちょっとつらいかも。また、ジョイスティック(ジョイパッド)の場合は、8ボタンじゃないとつらいです。4ボタンだとボタンが足りないので、キーボードと併用になってしまいます。
それと、買い物が面倒でした。現状の装備を見ながら買い物ができないので、ストレスが溜まりました。
音楽☆☆☆
音楽ではないですが、戦闘時にキャラが喋ります。「やった!」とかそれくらいの一言だけですけど。どうってことない演出です。
音源は、BGMもWAVEです。
シナリオ☆☆☆
まず、主人公たちが魔族で敵は人間(勇者)というのが、シュールで良いですね(^^;。やっぱり魔族なんで、人間と戦うときでも妙に悟った部分があり、このあたりの台詞回しは面白かったです。鬼たちも、鬼ヶ島で平穏に暮らしてたのに、勇者気取りの桃太郎に一方的に退治されてたんじゃたまらんよなぁ……なんて思いました(^^;。まあ、実際のシナリオは、色々と事情があるみたいですが。ゲームで確かめてください。
戦闘は、ちょっと多めです。難易度が低いので、中盤は嫌気が差すこともありました。
エンディングは……うーん(^^;。
難易度☆☆
激簡単。お子様ランチ。あくびが出ます。『ファーランドサーガ』1作目よりも、はるかに簡単です。登場キャラまで、「ちょっと物足りないな」と言い出す始末(^^;。簡単すぎるのも、ちょっと考えものです。緊張感がなくて……。
基本的に敵の数が多くないのと、中盤以降になると範囲魔法の連発で大量虐殺できるので、ステージによっては1ターンで敵の半分を屠ったりできるんですよね。システム的に、ユニット数に限界があったんでしょうか?
全体評価☆☆
難易度の低さをどう見るか、ですが、ゲームとしては面白いです。『ファーランドサーガ』のカリンで感じた魔法の爽快感がさらに加速して、このへんは楽しかったです。しかし、ハラハラドキドキがないというのは、ちょっと寂しいですね。
ということで、タクティカルRPG初心者、山本和枝先生のファン(^^;という方は、購入しても損はないと思います。ただ、パワープレイヤーな方々には、ちょっと物足りないでしょうね。アーツ集めを楽しめれば、けっこう面白いんですけど。それでも、繰り返して遊ぶ気にはなれなかったです。