【巨人】朝日新聞に逆転勝訴…契約金超過報道
2016年6月9日6時0分 スポーツ報知
巨人選手の入団契約金に関する記事で名誉を傷つけられたとして、読売巨人軍が朝日新聞社に5500万円の損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(滝沢泉裁判長)は8日、請求を棄却した1審判決を変更し、記事の一部の名誉毀損(きそん)を認め、朝日新聞社に330万円の支払いを命じる巨人逆転勝訴の判決を言い渡した。
朝日新聞は12年3月、97年から04年度に高橋由伸、阿部慎之助、内海哲也、野間口貴彦ら6選手と、当時の球界申し合わせ(最高標準額1億5000万円)を計27億円超過する計36億円の契約金で入団契約を結んでいた―などと報道。04年の入団選手に5億3000万円の契約金を支払った横浜(現DeNA)が日本野球機構(NPB)から厳重注意処分を受けた例を引き合いに、「巨人の6選手との契約は同じ社会的非難を受けても仕方のないものだ」などと報じた。
横浜が厳重注意処分を受けたのは、01年の申し合わせ後に出来高条件のない契約金を支払ったためで、巨人は6選手と出来高のない取り扱いはしていなかった。また、当時の最高標準額は上限ではなかった。高裁判決は「他球団は出来高条件がない契約金だったが、巨人は条件があったので処分を受ける可能性はなかった」とし、賠償対象になると判断した。
巨人軍は「朝日新聞が必要な取材もせずに、当球団が、NPBから処分を受けるような不正な選手契約を結んだとする誤った報道を行ったことを認定した点において、妥当な判決と考えます」とコメントした。
朝日新聞社広報部「他球団の事例を紹介した部分を名誉毀損に当たるとしたのは不当。直ちに上告の手続きを取る」