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【関西の議論】
セレブの街・芦屋で浮上した景観論争 〝全国一〟厳しい広告物規制条例 千年の都・京都をしのぐ?
市は21年、建物の高さや色彩を制限できるなど、従来の条例よりも厳しく規制できる「景観地区」に全国で初めて市内全域を指定。22年には市内を流れる芦屋川沿いの地域を「特別景観地区」に指定し、「上質な住環境の確保に力を入れてきた」(市の担当者)。
ただ、市内全域が景観地区に指定されたことで、建物に対する規制は厳しくなったものの、屋外広告物に対する規制は従来通り兵庫県の屋外広告物条例だけ。「芦屋市独自の屋外広告物の規制条例を制定することが必要だ」と訴える市議もおり、機運は徐々に高まっていた。
昨年4月、市は県の同意を得るなどして独自で景観についての条例を定められる「景観行政団体」に移行。同7月には専門家や市民代表ら5人が参加する「屋外広告物条例原案策定委員会」を発足させ、今年6月、条例の骨子案をまとめた。
一部では〝全国一〟厳しい規制
骨子案では、芦屋川沿いや商業地域、住宅地域など、市内を7つの地域に分け、それぞれの地域で看板や文字の大きさを制限し、屋上広告やアドバルーンの全面禁止などを定めた。
壁面広告の面積も制限し、複数の店舗が入る建物では、すべてを合わせた広告の面積を1棟あたり最大20平方メートルまでに規制。
また、突き出し看板については、市内全域で1平方メートル以下と規定。京都市で最も厳しく規制された区域でも突き出し看板は3平方メートル以下と定められており、この点では芦屋市は全国一厳しいといえる。
さらに、看板に使用できる色を、禁止色▽アクセント色▽規制色▽使用してもいい色-と地域ごとに設定。市内全域で明るい赤や黄色の看板は禁止する。
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