妻が夫にキレるわけ ~“2800人の声”が語る現代夫婦考~
こんな簡単なの? 妻のイライラ解消法
まずは夫の側へのアドバイス。
20年にわたり、夫婦の相談に乗ってきたカウンセラーの西澤寿樹さん。
多くの場合、夫の側に大いなる誤解があるといいます。
夫婦問題カウンセラー 西澤寿樹さん
「男性は、分析したり、考えてどうにかしたいんですね。
例えば奥さんが怒っている理由を知って、それに対する対策を考えれば、どうにかなるんじゃないかっていう、ファンタジーを持っていらっしゃるわけです。」
この日も、悩みを抱える一組の夫婦がやってきました。
結婚20年になる岩崎さん夫妻。
最近、妻と小さなことで口論になることが多いと感じています。
岩崎滋さん(仮名)
「何か一言、彼女のここが悪いんじゃないと言おうものなら、30分くらい反撃食らいますよね。
我慢、我慢、我慢。」
夫婦問題カウンセラー 西澤寿樹さん
「今お困りのことを、ご説明いただけますか。」
西澤さんはまず妻に、最近夫に対して不愉快に感じた出来事を尋ねました。
妻が語り出したのは、友人と3人で旅行を計画していた時のこと。
旅先の特産が苦手で食べられない妻を夫がからかったことでした。
妻 美菜子さん
「何でそんなことをここで言うのかなって、腹を立てたというか。
すごい嫌な気持ちになりましたね。」
夫婦問題カウンセラー 西澤寿樹さん
「怒ってらっしゃいますよね、どうします。」
岩崎滋さん(仮名)
「“怒ってる理由”を理解したらいいの。
なぜ怒ってるか、理由。」
ここで、カウンセラーが割って入りました。
夫婦問題カウンセラー 西澤寿樹さん
「ちょっと待ってください。
本当に理由を理解すればOKですか。
美菜子さんがわかって欲しいのは、ご自分の情緒であって、滋さんがすごく頑張って理解しようとしてるのは、『理由』なり『状況』みたいなんです。
そもそも、目指している方向が違うというか。」
西澤さんの指摘は、こうです。
夫婦間で交わされる会話のキャッチボール。
やりとりしているつもりでも、夫に見えているのはボールの表側、つまり言葉の意味そのもの。
大事なのは、そこに理屈で反応するのではなく、裏側に隠れた妻の心情をくみとり、感情に応じた言葉を返すことだというのです。
例えば、嫌な気持ちだったと訴える美菜子さんには…。
岩崎滋さん(仮名)
「なんて言ってあげたらいい。」
夫婦問題カウンセラー 西澤寿樹さん
「こう言ってください。
『それはつらかったね』。」
岩崎滋さん(仮名)
「それはつらかったね。
それはつらかったね。」
夫婦問題カウンセラー 西澤寿樹さん
「美菜子さん、どんな感じがします。」
妻 美菜子さん
「分かってもらえたっていう感じがします。」
夫婦問題カウンセラー 西澤寿樹さん
「(妻は)自分にとっていざっていうときには、味方になってくれる。
つまり自分の気持ちを分かってくれるんだっていう、その安心が欲しいわけです。
その期待が持てれば、気持ちはかなり楽になるわけです。」
さて次は、夫に対する不満を解消できない妻たちに送るヒント。
今、夫婦関係に悩む妻の間で注目を集めているセミナーがあります。
なんと、家の中を片づけるだけで、夫婦関係が劇的に改善するというのです。
講師
「(住まいという)空間を共にする、自分自身と家族がご機嫌でいるかどうか、そこを見据えた上で、今度は改めてモノに向かう。」
実際に、片づけをきっかけにギスギスした関係が改善したという人も。
本当でしょうか?
麻野ゆかりさん・進さん夫妻です。
なるほど、伺ったお宅は物がほとんどなく、スッキリ。
キッチンや靴棚も整然と片づいています。
しかし以前は、物を捨てることができず、家中が散らかっていました。
ゆかりさんは、常にイライラを募らせていました。
麻野ゆかりさん
「子供のことだったり、うちの夫に対しても、いろんなことに日々イライラしていた。」
夫 進さん
「片づいてないし、家内はいつも具合が悪そうで、機嫌も悪そうだし、ちょっと帰りにくいですね。」
しかし5年前、片づけ術のセミナーに通ったところ、ゆかりさんは目からウロコの指導を受けました。
家の中にある物を1つ1つ手に取り、捨てられないほど大事なものかどうか徹底的に吟味しろというのです。
実践してみると、ほとんどの物に対し、捨てられない理由が見当たりません。
自分の執着が、実はさまつなものだったことを知った、ゆかりさん。
片付けを進めるうち、自分がこだわっていた夫に対する不満もいかにささいなことだったか気づくようになったといいます。
麻野ゆかりさん
「イライラも怒りも全部自分の中にあったってことを、モノを手放していく段階で気づいて、そして手放した時に、その怒りがスーっと消えていった感じがして、そしたら不思議と、夫にに対しても、子供に対しても、すごく優しくなれました。」