体に「心臓」が無い状態で555日間生きた男性、ついに心臓移植を受ける
心臓が止まることは通常、死を意味します。
ところが体に心臓がない状態で生きてきた男性が、アメリカ・ミシガン州にいます。
なんと人工の心臓装置をリュックに入れて24時間、それとともに移動し、生活してきたのです。
スタン・ラーキンさん(25歳)は10代のとき、弟のドミニクさんとともに遺伝性の拡張型心筋症と診断を受けました。
突然死などのリスクがある病気で、治療は基本的に心臓移植しかなく、ドナーが現れるまで何年も待つ状況でした。
数年後には2人とも心臓を除去する必要に迫られました。ドナーが現れるまで人工の心臓装置を導入することになったのです。
弟のドミニクさんは数週間でドナーが現れ、移植手術が施されましたが、スタンさんは1年以上も待つことになりました。
人工の心臓装置は体内には収まらず、ポータブル型ではあるもののリュックに入れた状態で6kgあり、脈管系に接続して酸素を加えた血液を送り込む仕組みのものでした。
退院して帰宅することもできましたが、その状態で彼がどのくらい持つのかは、誰にもわからなかったと言います。
ところが彼は常にリュックを持ち歩いた状態でバスケットボールまでプレイしたことから、医師たちをたいそう驚かせました。
そしてようやく今年の5月9日に移植手術を受けることができ、現在回復中だそうです。
彼がこの人工心臓で555日も生きながらえたことは、今後の治療に貢献することになると、多くの心臓病患者と医療従事者を勇気づけています。
このニュースに対する、海外掲示板のコメントをご紹介します。
●ああ、彼が移植手術を受けられてよかった。
●これはすごいことだよ。心臓なしに歩きまわると想像するだけでも怖い。
↑自分も思った。誰かにリュックをぶつけてしまったり、何かが壊れてしまったりするリスクを想像してみよう。
↑強盗に遭うことを想像してみた。「そのリュックをよこせ!」
↑最悪の事態だ。
↑警察との遭遇が一番怖いよ。オレはまだ強盗とのチャンスをとる。
↑強盗に遭って、心臓をナイフで刺されたところを想像してみろよ。
↑「死ぬべきじゃないのか?オレはお前の心臓を刺したんだぞ」
「オレはハート(心臓)のない冷たいマシーンなんだ」
↑電気自動車のオーナーでさえ走行距離に不安を感じるというのに、この男性の不安は想像を絶する。
●ポータブルの心臓でベータテストをする最初の人間になることは、自分のバケツリスト(死ぬまでにやりたいリスト)の中にはない。
↑彼のリストにもなかったと思うよ。だが「装置」と「死」の選択になると、わりと決断は簡単だ。
●バッテリーについて知りたい。きっと毎日充電していただろうし、最低一度は交換しなくちゃいけなかっただろうが、その詳細について知りたい。
●勇気ある男性だよ。6kgを抱えながら運動していたってのはね。知人の多くがジムに週に数回行くことでさえ、言い訳でいっぱいだというのに。
想像を絶するものがありますが、医学の進歩や人の持つ生命力には驚かされるばかりです。
回復を期待します。