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CCC「TSUTAYA」に大型書店、書籍・雑誌、成長の柱に。

[ 2011年6月29日 / 日経MJ(流通新聞) ]

レンタル中心から転換

 カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)がレンタル中心だった「TSUTAYA」の売り場作りを転換する。売り場面積が約3千平方メートルの大型書店を新店の中心に据える一方、これまで扱いの少なかった文具や生活雑貨の販売をてこ入れする。リアル店舗の強みを磨き、台頭するインターネット通販などに対抗する。

 「店舗の大型複合化で顧客層を拡大することが生き残りの条件だ」。有力フランチャイズチェーン(FC)加盟企業、トップカルチャーの清水秀雄社長は強調する。

 同社は8月、前橋市に売り場面積が計6千平方メートルのTSUTAYAを出店し、店舗大型化を引っ張る。関西や九州の有力FC加盟企業も同様の新店を検討。CCC自体も東京・代官山に今秋の開業を目指して大型複合店の建設を進めている。

 CCCがトップカルチャーなどFC加盟企業と組んで出店を加速しようとする売り場面積6千平方メートル級の大型店は、半分の3千平方メートルを書店にあて、残る半分でCD・DVDレンタルや文具販売を手がける。コーヒー店も併設。5年後に80店を展開したい考えだ。

 チェーン全体で約1400店あるTSUTAYAの既存店舗の売り場面積は平均で約1200平方メートル。売り場作りは"各店各様"だが、店舗の半分はレンタルで占めるのが標準的で、これまで店作りの主役だった。

 レンタルはなおほぼ全店で取り扱い、2011年3月期のチェーン全体の店舗売上高(3639億円)でも48%、1757億円を占める。ただ、レンタル商品は1店でせいぜい5万タイトル。品ぞろえを増やすのに越したことはないが、「今の店の広さでも十分商品はそろっている」(CCC関係者)という。

 それに対し、書籍・雑誌は「品ぞろえは無限」(同)だ。例えば、ジュンク堂書店(神戸市)などが運営する全国でも最大級の「MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店」(大阪市)の売り場は6800平方メートル。約200万冊の書籍・雑誌が並ぶ。そこまでいかないまでも、拡大余地は大きいというわけだ。

 TSUTAYAの新型店では、従来売り場の7倍に当たる35万冊をそろえる考えで、これまでの雑誌・コミック中心の店作りから、専門書まで幅広く備える大型書店への脱皮も進める。

 全国のTSUTAYAの半分近い約650店に書籍売り場があり、前期の店舗売上高の合計は前の期比7・3%増の974億円。この5年で1・5倍に伸び、チェーンの部門別の売上高で2番目を占める。一方、稼ぎ頭のレンタルは収益性は高いものの頭打ちだ。

 日本出版販売と共同出資で設立した取次のMPD(東京・渋谷)が進める書籍・雑誌の流通改革が功を奏し始めた面もある。MBO(経営陣が参加する買収)の成立も機に、成長分野に力点を置く新戦略に踏み出す。

 同時に7月1日付で、文具・生活雑貨を扱う子会社「TSUTAYA STATIONERY NETWORK」もトップカルチャーとの共同出資で設立。取引商材も拡充し、店舗の総合力を高めたい考えだ。

 活字離れやネット通販の攻勢で多くの書店が苦戦するなか、逆張りにも見える戦略に商機を求めるCCC。新たな取り組みは、コンテンツ流通におけるリアル店舗の可能性を探る試金石となりそうだ。(戸田健太郎)

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