同期の中から頂点に立つのは、原則としてわずか一人。熾烈な次官レースにピリオドが打たれる。今夏は選挙前に、主要省庁の次官が一斉に交代する見通しだ。どこよりも早く、各省人事を詳報する。
財務省は官邸にひれ伏した
霞が関の主要省庁のトップ人事が、参院選公示直前の6月中旬をめどに発表される。それに先立って財務省は、昨秋から官邸の圧力を受けて組織防衛に汲々としていた。
「財務省は消費税の軽減税率をめぐって、官邸にろくな根回しもせず、マイナンバーカードを用いた還付案を提案しました。これを主導したのが、佐藤慎一主税局長('80年大蔵省)です。さらに佐藤氏は、公明党が求める食料品への軽減税率の適用にも最後まで抵抗。これが菅義偉官房長官の逆鱗に触れました。
佐藤氏が田中一穂次官('79年大蔵省)の後任となることは、財務省にとって既定路線でした。しかし、菅官房長官が『政局音痴を次官にするわけにはいかない』と、人事に介入してくるおそれが出てきたんです」(全国紙経済部デスク)
佐藤氏は税制を扱う主税畑が長く、予算編成を担う主計局が財務省での本流とされる中、必ずしもトップエリート街道を歩いてきたわけではない。にもかかわらず、同省が「佐藤次官」にこだわるのは、「民主党の野田政権下で消費増税に道筋をつけ、『三党合意』実現に向けて奔走した主税局の労に報いることが組織統治上、不可欠だから」(財務省中堅幹部)。
財務省次官OBは、
「主税畑の有力者で、次官ポストが務まる人材は佐藤をおいて他にいない。彼を外せば今後、何年も主税畑からの次官は出なくなり、人事全体がおかしくなる」
と危惧する。
財務省は自分たちの省内人事を守るために、官邸にひれ伏した。昨年から消費増税再延期が取り沙汰されているが、前回と違って財務省は沈黙を貫いている。得意の与党・マスコミ工作を完全に封印し、白旗を掲げて、安倍政権へ恭順の意を示しているのだ。
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