クローズアップ現代

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No.38172016年6月7日(火)放送
妻が夫にキレるわけ ~“2800人の声”が語る現代夫婦考~

妻が夫にキレるわけ ~“2800人の声”が語る現代夫婦考~

キレる妻が急増! 日本の夫婦に何が?

ゲスト 田中俊之さん(武蔵大学社会学部 助教)
ゲスト 中野信子さん(脳科学者)

妻のことを怖いと思う男性が多くなっている これには驚いたが?

田中さん:でも、ふだんから男性と接してインタビューとかもしている僕からすると、やっぱりこういう意見出てきたかなという感じはしますね。
(ということは、今までもあったものが表面に出てきた?)
はい、そう感じます。

視聴者の方より(夫の側):『怒る理由を知りたい、なぜ?』『無視されている感じがする』『女性の社会進出が進んだことで、女性が強くなったのではないか』

田中さん:もう少し社会構造的な背景を考えたほうがいいかなとは思うんですね。
つまり男性が一家の大黒柱とか、家族のリーダーであるというルールはあまり変わらない中で、でも家事も育児もしましょうっていう新たなルールが課せられているわけですよね。
これは、恐らく男性にとっては非常にきついことだろうと。
だから不満が、つらいって気持ちが出てくる。
ただ一方で、先ほど本田先生のVTRでありましたように、女性はいまだに家事、育児はあなたの責任ですよってさせられているわけですよね。
専業主婦の方っていうのは、特に育児なんかは24時間ですよ。
(365日?)
おっしゃる通りなんですね。
パートの方とか、フルタイムで働いている方は、それプラス仕事をされているわけですから、妻のほうの我慢っていうのは、もうとっくに限界だと。
だから、日本の今の夫婦関係というのは、かつてない危機であるとはいえるかなと思いますね。

求められているものは高くなっているのに環境は変わっていない 妻のその不公平感に共感してしまったが、どう思った?

中野さん:私は恵まれてる方かもしれませんね。
わりと夫は、私が一方的にちょっと攻撃性が高まっちゃう時に、それをいなしたり、かわしたりするのがとても上手です。
私が何か言いたいなって時に、彼はさっといなくなったりするんですね。
さっといなくなって、しばらくすると戻ってきて、疲れていると思うからコーヒーいれたよって言ったりするんですね。
私の攻撃性がすごく高まってしまった時期というのがあって、結婚後しばらくたった時に、仕事が忙しくなり始めて、なんとか、こうしたいんだけどもコントロールできない。
その時にテーブルの上を見ると、夫婦問題のカウンセリングのパンフレットなんか置いてあるんですね。
ああ、ちょっと嫌な思いをさせてしまったなっていうのをすごく反省したっていう出来事があって、直接は言わないんだけれども、抱えているものがあったんだな夫側にもっていうことをすごく思いましたね。

原因として、男女の記憶の仕組みが違うという話があったが、脳の仕組みの違いというのは大きい?

中野さん:そうですね。
これは実は、女性の脳の特徴があって、どうしても嫌な記憶だけが収集されて記憶される。

(上側頭溝とは?)
この部分は、共感性に関わる部分でして、例えば、どなたか何かお話をされたと、そのお話というのは、言葉の上ではこういう意味だけれども、実は裏側にはこんな文脈がありますよね。
その文脈を理解する所なんですね。
(男女で違う?)
男女で性差がある場所として代表的な部分なんですけれども、女性の方が大きいんですね。
ということは、女性の方が相手の気持ちをそんたくしたり、言ってはいけないことをその場で言わないというふるまいがよくできるんだけれども、男性の方はちょっとこの部分が小さいので、相手の気持ちをそんたくしたり、ちょっと共感的な言葉を発するというのは苦手なんですね。
(女性が「言わなくても分かってよ」という気持ちになっても、実は男性はそういうことが苦手?)
苦手ですね。
言葉通り受け取ってしまって、そのまま返しちゃうということになってしまうので、女性の側はいつまでたっても満足できないし、男性の側も、妻が何を言っているのか分からない、何をしてほしいのか分からないという状態がずっと続くことになります。

このすれ違いをなくすためにどうしたらいいのか。
探ってきました。

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