株で億を作った人は、誰もが思っている以上に多い。その1人が御発注さん(仮名)。その名の通り、「誤発注」をきっかけに守りを重視した株式投資に目覚め、今や資産は1億9000万円に。その具体的な投資法を紹介しよう。
上昇初期は成長が見込める飲食や小売りの株に注目!
割安度は今期ではなく数年後のPER5倍以下で見る
もともと節約家の御発注さんが社会人1年目に貯めた100万円を元手に、2003年に最初に買ったのはワタミ(7522)や吉野家ホールディングス(9861)などの食事券がもらえる株主優待株。当初は、とにかく株主優待株をいろいろと買っていたが、そのうち、大きく上がる銘柄には共通点があることに気づく。利益が成長している上に予想PERが6倍台と割安だった明光ネットワークジャパン(4668)が上昇したことがきっかけだ。
そこからは、PERやPBR、配当利回りを見て割安な銘柄に分散するようになった。当時は実家住まいで、証券口座に月18万円の入金も続け、2006年時点で投資額は2000万円に。ところが、その後のライブドアショックやサブプライムショックで資産は一気に半額に落ち込んだ。
さらに2010年には誤発注も経験。「資産を減らさない」ことがもっとも大事だと痛感し、
(1)将来の利益で算出した「PERが5倍以下」のバリュー株
(2)「配当+株主優待利回りが5%超」の高利回り株で下値不安が小さい株
に投資する今のスタイルになった。
これらの基準を満たす上で、狙う銘柄の優先順位は以下の通り。
【優先順位1】将来にわたって成長を予測することが容易な銘柄
【優先順位2】市場環境や為替で利益成長が見込まれる銘柄
【優先順位3】成長するがその予測が難しい銘柄
【優先順位4】成長しないが材料性があり割安な銘柄
【優先順位5】割安な資産株
「相場全体が上昇とともに、1~5の順番に上昇していくので、上昇初期に割安な1を買うのが一番効率がいいと思います」(御発注さん)
配当&株主優待利回り5%超なら下値不安が低下!
御発注さんが買った具体的な銘柄とは?
【優先順位1】将来にわたって成長を予測することが容易な銘柄
→株価の上昇が続く限り長期で保有!
1の成功銘柄は、クリエイト・レストランツHD(3387)や物語コーポレーション(3097)など。2011年頃、まだ出店余地が大きく、当時の出店ペースが続けば5年後の予想利益で算出したPERは5倍以下になるイメージが持て、配当+株主優待利回りも5%だった。
【優先順位2】市場環境や為替で利益成長が見込まれる銘柄
→上昇し割安度が薄れたら利益を確定!
次に注目するのは2の市場環境や為替で利益成長が見込まれる銘柄。2013年に買った高級ヘルメットで世界シェア1位のSHOEI(7839)がそれに当たる。為替が円高だったことで減益に落ち込んでいたが、「為替が円安になれば業績は必ず回復する」と考えた。当時の株価は500円台で、2013年9月期の1株利益は58円だったが、為替が戻れば1株利益は100円超になると判断。さらに会社は配当性向50%を掲げていたため、利益の成長での増配も期待できた。思惑通り、SHOEIは円安転換とともに利益が回復。株価は3倍になり、今までもっとも大きく上昇した銘柄に。ローランド ディー.ジー.(6789)、フルサト工業(8087)なども同じカテゴリーだ。
【優先順位3】成長するがその予測が難しい銘柄
→買われるまで我慢がいるが大幅上昇も!
成長するがその予測が難しい銘柄として、最近投資したのが相模ゴム工業(5194)。アジアでは日本製の薄いコンドームが人気で、中国など向けに需要が伸びると御発注さんは予測。
「中国人向けの日本製品の小売りサイトで、日本製のコンドームが人気上位だったことで注目しました。出店数が読める小売りや飲食店と違って予測が難しいのですが、シナリオを描いて保有しています」(御発注さん)ストッキング製作のアツギ(3529)などにも注目している。
【優先順位4】成長しないが材料性があり割安な銘柄
→上昇後の株価の戻りが早いので注意
4の成長しないが材料性がある割安な株は、相場全体がある程度上がってしまって、割安成長株が見当たらなくなったら、注目。iPS細胞開発関連として急に注目されたニッピ(7932)などがこれにあたる。上昇してもすぐに株価が元に戻るので、短期で売り抜ける必要がある。
【優先順位5】上昇相場の最終局面で上がる割安な資産株
→上昇期間は4より短期ですぐに利確を
また、5の資産株は、過去の例からも上昇局面の最後に注目されるのが割安な資産株だ。注目しているのは、PBRが0.3倍のサンエー化研(4234)や含み資産を持つ片倉工業(3001)など。上昇の最終局面に上がる4よりも短期間の上昇なので、すぐに利益確定に動き売り時を逃さないことがポイントだ。
1銘柄に2000万円超の集中投資で大きく増やす!
日経平均が12カ月移動平均線を割ったら現金化
広く分散しても日経平均並みにしか増えないと考え、「ここぞ」という銘柄には資産の10%以上は集中。現在はバリュー株10銘柄、高利回り株20銘柄の合計30銘柄に投資中だ。
一方で、日経平均の月足が12カ月移動平均線を下回った時は、現金比率を増やす守りの姿勢も忘れない。
「中小型株も、日経平均との連動は避けられない。日経平均が12カ月移動平均線を割り込んだ今年の年初から保有株の一部の利益確定を進め、現時点で現金比率は2割で、最終的には4割まで引き上げることも検討中です」(御発注さん)
こうして年初からの急落局面の影響を軽微に留めている。積極的に集中投資する一方で、守りも怠らない姿勢が成功につながっている。
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【2016年6月時点・最新情報】
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株式売買手数料(指値) ※松井証券は一日定額制の手数料 | 口座開設 | ||
10万円 | 30万円 | 50万円 | |
◆GMOクリック証券 | |||
88円 | 241円 | 241円 | |
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【関連記事】【GMOクリック証券のおすすめポイントはココだ!】コストが激安な上にツール、情報も充実して大手ネット証券に成長 | |||
◆カブドットコム証券 | |||
90円 | 250円 | 250円 | |
【カブドットコム証券のメリット】 口座開設を申込後、最短で翌日から取引可能なので、思い立ったらすぐに株式投資を始められるのが魅力。「リスク管理追求型サービス」として、逆指値やトレーリングストップなど、自動売買ができる。リスクを抑えつつ、利益追求が目指せるため、日中に値動きを見られないサラリーマン投資家にピッタリ!一方、短期売買に役立つのが板発注機能装備のトレードツール「kabuステーション」だ。「リアルタイム株価予測」を備え、その日盛り上がりそうな銘柄を予測する。三菱UFJフィナンシャル・グループである点も強み。同グループ関連の指定のETFは、手数料無料の「フリーETF」として、低コストな分散投資に役立つ。その他、スクリーニングツール「kabuナビ」、アナリストレポートは、自分なりに旬の銘柄を探したい人に役立つ。投資信託の積立は最低500円からできるので、投資初心者にもおすすめだ。 |
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【カブドットコム証券利用者のクチコミPick Up!】 評価 ★★★★★情報量が豊富で、使いやすい画面は初心者にもおすすめ。豊富な取引ツールも魅力です。(30代・男性) | |||
◆ライブスター証券 | |||
80円 | 180円 | 180円 | |
【ライブスター証券のメリット】 取引手数料は現物株、信用取引ともにネット証券業界最安レベル。GMOクリック証券同様、その手数料の安さは株主優待名人・桐谷さんのお墨付き。口座開設から40営業日(約2カ月)までは、現物株、信用取引、先物・オプション取引手数料が無料になるキャンペーンも長年にわたって行っているので、ぜひ活用しよう。無料の取引ツール「livestarR」は高機能化が進んおり、逆指値ほか特殊注文機能も完備。低コストで株や先物取引をアクティブにトレードしたい人にはもちろん、売買する頻度が少ない初心者や中長期の投資家にもおすすめの証券会社。 |
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【関連記事】一約定ごと10万、30万、100万円で安いネット証券はどこだ?株の売買手数料を比較したら、あのネット証券会社が安かった! | |||
【ライブスター証券利用者のクチコミPick Up!】 評価 ★★★★★ ライブスター証券への口座開設から一定期間どれだけ売買しても手数料無料のキャンペーンしていたのでそれで株主優待株をまとめ買いしました。(60代・男性) | |||
株式売買手数料(指値) ※松井証券は一日定額制の手数料 | 口座開設 | ||
10万円 | 30万円 | 50万円 | |
◆マネックス証券 | |||
100円 | 250円 | 450円 | |
【マネックス証券のメリット】 日本株投資に役立つ「決算&業績予想」、信用取引ではリスク管理に役立つ信用取引自動決済発注サービス「みまもるくん」が便利。米国株は最低手数料5ドル(税抜)からお手軽に投資が可能で、米国ETFを通じて世界中に分散投資できる。投資先の調査、リスク管理、リスク分散など、じっくり腰をすえた大人の投資ができる証券会社と言えるだろう。一方、短期・中期のトレードに役立つツールもそろっている。逆指値ほか多彩な注文方法が利用できる上に、板発注が可能な高機能無料ツール「新マネックストレーダー」が進化中だ。日本株、米国株、先物取引についてロボットの投資判断を日々配信する「マネックスシグナル」も提供しており、スイングトレードに役立つ。 |
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【マネックス証券利用者のクチコミPick Up!】 評価 ★★★★★ マネックス証券のチャート等の情報が豊富で見やすい。オンラインセミナーも充実している。社長やストラテジストの顔も見えるので好感が持てる。(30代・女性) | |||
◆SBI証券 | |||
139円 | 272円 | 272円 | |
【SBI証券のメリット】 証券口座開設数300万超はネット証券で1位。そもそも手数料の安さが人気の理由だったが、安いだけでなく、大手ならではの他社に秀でたサービスにも注目したい。たとえば、投資信託の取り扱いは2000本超でダントツ。IPOの取扱いもネット証券で1位。PTS取引(私設取引システム)も利用可能で、一般的な取引所より有利な価格で株取引できる場合がある。海外株式は、米国、中国、ロシアのほか、ASEAN株式も取り扱うなど、とにかく商品の種類が豊富だ。低コストで幅広い金融商品に投資したい人には必須の証券会社と言えるだろう。 |
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【SBI証券利用者のクチコミPick Up!】 評価 ★★★★★SBI証券の「株主優待検索」が便利です。確定拠出年金の運用でも使っています。(40代・男性) | |||
◆楽天証券 | |||
139円 | 341円 | 341円 | |
【楽天証券のメリット】 手数料コースの中に「超割コース」があり、貸株、投資信託の残高、信用取引の残高などに応じて、手数料が段階的に10%・20%・30%と割引になる。取引残高の大きな人ならお得度アップ。取引からニュース、投資情報、入出金などに使えるトレードツールの元祖「マーケットスピード」が有名だ。たとえば、「日経テレコン」では日経新聞の記事も読める。また、国内外の多彩な商品揃えも特長。投資信託が2000本以上と多く、米国や中国、アセアンなどの海外株式、海外ETF、さらに金の積立投資もできるので長期的な分散投資にも便利。投資に役立つメールサービス「マーケットアロー」や毎日読める投資レポート&コラムは、投資の知力アップにおすすめだ。 |
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【楽天証券利用者のクチコミPick Up!】 評価 ★★★★★ 楽天証券と楽天銀行間の連携(マネーブリッジ)で預金利率も通常の5倍程度になり、投資信託の残高によりポイントがもらえるので、それで楽天市場・楽天ブックスで買い物できる(40代・男性) |
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