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 近距離用のMRJを、飛行テストの拠点にする米国まで、どのルートで飛ばすべきか――。三菱航空機が、頭を悩ませている。年内に予定する米国行きは、国産初のジェット旅客機にとって最初の「遠出」。三つのルートを検討しているが、距離や外交関係などをめぐり一長一短がある。

 MRJが目指すのは、米西海岸シアトル郊外の空港だ。滑走路がたくさんあるうえ、晴天の日が多い。世界中の航空機メーカーが、飛行テストの拠点にしている。

 昨年11月に初飛行を成功させたMRJは、生産拠点に近い愛知県営名古屋空港や、のと里山空港(石川県)などでテストを繰り返してきた。2018年半ばの納入開始を目指してテストを本格化させるため、テスト用5機のうち4機を米シアトル郊外へ移す。年内に始める計画だ。

 ここで問題になるのが、MRJの航続距離。もともと近距離用のため、標準タイプだと2100キロしかない。愛知県からシアトル郊外まで最短でも約8千キロあり、途中の空港に何度も立ち寄る必要がある。

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