桜もいよいよ終わりかけの、晴れた春の日。先日紹介したオールドレンズ「Helios 44-2」を持って、桜舞い散る鴨川をスナップしながらさんぽしてきました。
いまさら桜というのも季節外れですが、Helios一本だけを使ってどんな写真が撮れるのか。Heliosの作例集としてちょうど良さそうなので、記事にしてみたいと思います。
ぐるぐるボケのでるロシア製オールドレンズHelios 44-2については、こちらの記事をごらんください。
さんぽルートの紹介
まずは今回のさんぽ(ヘリオスさんぽ)ルートをご紹介。ヘリオスさんぽは、京都市内北部を流れる2つの川・加茂川と高野川が合流し、有名な鴨川となる出町柳からスタートします。
鴨川やその上流の河川敷は広い範囲で遊歩道が整備されており、京都市民のいこいの場となっています。
特に鴨川デルタと呼ばれる出町柳一帯は河川敷も広く、いつも多くの人でにぎわっている場所です。春になると、一面に桜とブルーシートが咲き誇ります。
この日はそんな出町柳をスタートし、北東の方向から流れる高野川を北上していきます。途中、高野川に疎水が合流する地点で疎水の方へ逸れ、京都府立植物園に向かうというルートです。
タイトルに鴨川と書きましたが、厳密には鴨川は歩いていませんね(笑)。
鴨川と書いたほうが京都以外の方に分かりやすいと思うので、このままにしておきます。
ヘリオスさんぽ
それでは、出町柳からスタートです。
この日は春らしいぽかぽか陽気。冬も終わって春がやってきたことを感じる天気です。
前日に雨が降っていたこともあり、もう桜は散ってしまっているかなと思っていましたが、嬉しいことにまだまだ残っていました!
歩きはじめてすぐ、なんと川べりに鹿の親子がいました!
この鹿はこの後さらに川を下り、三条あたりでも発見されたようです。何度かニュースになっていました。
鹿を見送って進んでいきます。
いろいろな生き物もいます。
鳩もやってきました。
と思ったら、鳩の大群が襲来!
なにごとかと思いましたが、いつも餌をやっている人が来たのでした。なるほど。
2週間程度続いた桜の見頃もまさに終わりかけのようで、少し風が吹いただけで強烈な桜吹雪が舞い散ります。
運動している人、ハトに餌をやっている人、いろいろな人や生き物がいますが、河川敷は総じて平和でいいところですね。
高野川の河川敷が歩けなくなってきたので、高野川からそれて植物園の方へ向かいます。
高野川へつながっている疎水は桜の花びらで渋滞していました。
桜吹雪ふたたび。
おだやかな光と影がいい感じ。このへんの写りは、ヘリオスを活かせているような気がします。
綿毛もしっかり写ります。
何かを解体中の場面に出くわしました。
アームがまるで何かの怪獣のようです。
そんなわけで、植物園に到着。
葉っぱも生えてきていますが、まだまだびっしり桜が咲いています。
絵を描いているおじいさんのとなりでお昼ごはんを食べます。
お昼ごはんを食べてのんびりしている間にも、桜がどんどん散っていきます。
桜が群生している場所もありましたが、あの下でお弁当を広げればまちがいなくご飯は桜まみれでしょう。ごはんを食べた後とこの場所に着いたときを比べると、明らかに桜の花が少なくなっていました。
噴水。水を循環して使っているのか、ここだけ動物園のにおいがしました。
何かのイベントをやっていた加茂川を横目に帰ります。
桜もまた来年ですね。
最後に見られてよかった!
Helios 44-2だけで撮影してみた感想
Helios 44-2は焦点距離58mmのレンズです。私のCanon EOS Kiss X7はAPS-Cセンサーであるため、実質の焦点距離は約93mmになります。
望遠レンズといえる距離なので、ファインダーをのぞくと結構遠くの景色が切り取られるのです。どれくらいの画角になるのか、感覚をつかむまでは少し時間がいりました。
慣れるまでは、ファインダーをのぞくと寄り過ぎであることに気づき、ファインダーを目から離して2、3歩下がり、もう一度カメラを構えるという感じ。
一方で、慣れてしまえば、必要に応じて下がれば欲しい画が切り取れるようになったので、焦点距離に関してはそれほど問題を感じませんでした。
後ろに下がることのできない狭い場所ではこの方法はとれないため、少し使いにくく感じるかもしれません。
また、EOS Kiss X7で使うことについては、ピントの山をファインダーで見極めるのは結構難しく感じました。
特に絞り開放では微妙にピントが合わないことが多かったです。この点は、ある程度絞ることで解決できました。
ファインダーの見やすいカメラであれば、もっと使いやすいと思います。
画質は、1万円以下のオールドレンズなのにかなりしっかり写るという印象を受けました。晴天の屋外だったのも良かったのかもしれません。派手な描写ではありませんが、しっとりと写ってくれます。
解像度はキレがあるというよりはむしろ、オールドレンズらしい柔らかめな感じです。逆光には弱く、すぐにフレアが出たりコントラストが下がったりします。このフレアは、うまく活かせば表現として使えそうです。
以前の記事にも書きましたが、マニュアルフォーカスでピントリングを回して撮るというともすれば面倒ともいえる手順が、フルオートのカメラで写真を「撮らされている」のではなくそこにある景色を自分の手で写真にしている感じがして、実に楽しい体験です。
EF-S24mm F2.8 STMもいいレンズですが、ピントリングの反応が一瞬遅れる感じがあり、マニュアルフォーカスでの撮影はいまいち気持ちよくありません。
まとめ
以上、オールドレンズ「Helios 44-2」を持って、桜舞い散る鴨川をさんぽしてきた記事でした。
今回はHelios一本だけでどれだけ戦えるかというチャレンジも兼ねていたのですが、案外撮れるもんだなという感想です。きれいな桜も見て撮れて、楽しい一日でした。Helios 44-2の作例として少しで参考になれば幸いです。
Helios 44-2に興味を持たれた方は、ぜひ一本試してみてはどうでしょうか。eBayなら安く手に入れることができますよ(笑)。