排ガス不正:欧米にはペコペコVW、韓国では不正さえ認めず

 VWはその後、不正の事実を認めてソフトのアップグレード計画を記すよう求めた環境部の具体的な要求を黙殺し続けた。3月に提出した2度目の計画書、今月2日に出した3度目の計画書も「不正を認めておらず、最初の計画書とほとんど変わっていない」(環境部関係者)という。ソフトの改善と関連しては、リコール対象の15車種のうち「ティグアン」1車種についてのみアップグレード版を提出した。

 こうしたVWの態度は欧米でのそれと大きく異なっており、韓国の消費者を軽んじているとの不満が出ている。VWの排ガス不正は米環境当局の指摘で発覚したが、その米国ではすでに対象車の所有者に1人当たり5000ドル(約53万円)の補償金支払いと返金措置を約束しており、当時のVW社長が不正を認めてもいる。VWは昨年11月、欧州の顧客に対しても、排ガス超過により追加で課される環境関連の税金を負担する意向を示し、リコールについてもドイツ政府にソフトの改善計画を積極的に提出するなど、事態の収拾に尽力している。

 水原大のチャン・ヨンギ教授(環境工学科)はVWの不誠実な態度について「まずは欧米などでリコールや補償にけりをつけた後、韓国で関連措置を取るための一種の『時間稼ぎ』」と指摘している。韓国の顧客をおざなりにしているという指摘に対し、VW韓国法人は「正式に立場を表明できない。環境部と立場を調整する」とのみコメントしている。

孫章薫(ソン・ジャンフン)記者 , キム・アサ記者
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