僕たちは沢山の影を仮面の下に隠してる
こんにちは、氷太よ。
今日は引き続き、緒川千世先生の
『カーストヘヴン2』
を頂いていくわね。
前作の記事はこちら。
一言で言うなら校内のカーストゲームを起因とした「歪みきった狂気の世界観」を1巻目で描いていたわね。
↓カーストゲームのおさらい↓
キングでクラス内の身分の頂点を謳歌していた梓がターゲットになり、そしてターゲットであったあつむがジャックと大躍進しを遂げ、それぞれのドラマを展開していたのだけれども、この2巻ではあつむと、元ジャックである久世のお話がほとんどを占める事になるわ。
今回のお話はこんな感じ。
あつむはクラスの最底辺(いじめの標的)として、辛い毎日を送っていた。
だが、憧れの存在である久世に救い出され、ハイクラスの「ジャック」となった。
久世から与えられる快楽に溺れ、違和感を覚えるも抗えない。
「本当の君は何?」あつむの問いかけに対し、久世は――…。
こんな感じね。
この作品唯一の良心だと思ってたオドオドしつつも優しい性格のあつむも例外ではなく、今までになかった黒い欲望が目覚めるのよね・・・。
そしてカーストゲームが校内でどれだけ強い力を持っているのか・カーストゲームを知らない部外者はどう思うのか?っていう部分も描かれるわ。
登場人物
梓@受(表紙の子)
傍若無人な元キング。
新たに行われたカーストゲームでジョーカー、つまり最底辺の権利であるターゲットになってしまう。
*今作から刈野への反撃の狼煙が上がるんだけど
やる事が狡いし小さい。お前、それでいいの?
刈野@攻
新たなカーストゲームでキングの座を手にする。
元々はキングである梓の付き人の役割を負うワナビーというポジションだった。
*電子書籍版を購入した人は、143Pの左下のコマに注目しよう。
史上最高の迷言を口にするから。やばいよまじで。
あつむ@受
新たなカーストゲームにより、クラスの中で上位の権利を手に入れる元ターゲット。
オドオドとした性格で、レベルの高い権利を手に入れても中々変われずにいる。
*今作では元々持っていた人との交流への憧れが、渇望に変わってマジで昼ドラみたいな行動取ったりするブラックあつむ君が見れるぞ!
久世@攻
心優しく、ニコニコとしている人。
元々クラスの上位から3番目の権利を持つジャックであった。
カーストゲームにそもそも興味自体持っていない。
*元々歪んではいるんだけど謎めいていて分からない人から、今作でどういう理由でどんな歪み方をしてしまっているのか明確に説明される。
その歪みの矛先は勿論あつむに。
感想
ストーリー・キャラクター・絵
前回に引き続き、人の醜い部分をこれでもかと描写されていく。
かなりのページ数を割いて、あつむと久世の今までの関係性とこれからの関係性を説得力のある展開と描写で変化させていく部分が、今後のこの漫画の方向性を印象付けているようでもありとても良かったわ。
梓と刈野の存在感がその分薄くなってはいるけども、それでも今後の展開に必要な重要なシーンがあるわ。
今作もカーストゲームによる強制力を持った人間関係が基本ではあるんだけど、そんな中にも希望を見つけ、「自分自身の意思で」相手と以心伝心するとい要素が加わるため表情やセリフ部分がよりプラスの方向に躍動的になるわ。
そしてこのカーストゲームがいかにこの学校を支配しているのか?
ここを改めて不気味に、ある意味ホラーに説明される事になるんだけど・・・。
やはりこの物語は一筋縄では終わる事はできなさそうね。
短所
ちょっとネタバレになるわ。
あつむと久世の間に亀裂が入りその後和解するんだけど、その和解の時のあつむの自分自身への落とし所を描いたシーンがちょっと物足りない。
言いたい事も分かるし、説得力もあるんだけど、ここが1つ目の山場だと考えるともうちょっと凝ったセリフにしても良かったんじゃないかなーと思ったわ。
ま、強いて言うならこのくらいかな・・・。
発展
過激なのは相変わらず。
そ・・・・そこまでしちゃうんですか・・・と。
こんな悲しい発展シーン初めて。
あつむの言葉と涙にちょっと泣きそうになっちゃったもん・・・。
まとめ
1巻を読んだ上で、この世界観に付いて来れなかった人はもう止めた方が良いわねきっと。
多少救いが見えた展開を見せるけど、これからも「人の仮面の下にあるものを見せる」事をコンセプトにした漫画な以上、ドス黒い部分を無くす事はできないと思うの。
逆に続きが気になった方はこの2巻目も絶対に気に入るはず。