【社説】先鋭化する米中対立、周辺国に二者択一を強要するな

 今回の米中対話のテーマは北朝鮮の核問題だけではない。南シナ海の領有権争いや中国における鉄鋼の過剰生産、人民元の切り下げ、中国の人権問題など、現在問題となっているほぼあらゆる問題が話し合われた。中でも双方が最も対立しているのは南シナ海問題で、これに関しては徐々に妥協点を見いだせなくなっている。中国の複数のメディアはこの戦略対話の期間中、中国が南シナ海の人口島に2基の灯台を追加で設置したと報じた。中国国内の専門家の間でも「実際の武力行使の可能性が徐々に高まりつつある」との指摘が出始めている。この対立が経済危機と相まってさらに深刻化した場合、いつどのような形で爆発するか分からず、その影響が韓半島(朝鮮半島)全体に及ぶのも間違いない。

 今最も懸念されることは、いつかある時点で東アジア各国が米中両国のどちらの側につくか、二者択一を迫られる状況が来ることだ。そうなれば韓国も当然、危険な選択を突き付けられる。しかも今回の米中対話に先立ち、韓国とその周辺では再び「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備問題が表面化し始めた。今回の米中対話は東アジアの安全保障と経済というの二つの側面が、いずれも過去のどの時期よりも不安定化しつつあることをまざまざと示した。このような現状の変化を見据え、韓国政府はどのような備えをしているのか非常に気になるところだ。

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