堀込泰三 - プレゼン,仕事術 11:00 PM
TEDに学ぶ、印象に残るプレゼンテーションの始め方と終わり方
Inc.:ファーストインプレッション、すなわち第一印象はとにかく重要で、いつまでも続くものと言われています。でも、ラストインプレッション、つまり最後の印象も同じであることをご存知でしたか? たとえば、ノーベル賞受賞者のダニエル・カーネマン氏は、ある経験の記憶はその最後の瞬間による影響を受けると主張しています(ピーク・エンドの法則)。
つまり、大きなスピーチをするときは、出だしと同じぐらい終わり方にも気をつけなければなりません。作家でありTEDキュレーターでもあるクリス・アンダーソン氏は、その両方の手助けをしています。
同氏は現在、新著『TED Talks: The Offical TED Guide to Public Speaking』のPRとして、各地で講演を行っています。同氏の言葉から、プレゼンテーションの始まりと終わりに関するヒントをいくつか紹介しましょう。
トークの始まり
ステージに登壇するとき、どのように聴衆とつながればいいでしょうか? 数多くの卓越したTEDトークを最前列で見てきた人からのアドバイスは、複雑か繊細かのどちらかだと思うかもしれません。でも、アンダーソン氏のアドバイスは、まるで父親からのアドバイスのように、いたってシンプルかつパワフルです。
そのアドバイスとは、聴衆の目を見ること。
「Tech Insider」の記事において、Chris Weller氏がアンダーソン氏の本を引用していました。
優れたスピーカーは、早い段階で聴衆とのつながりを構築します。その方法は非常にシンプルで、自信を持ってステージに上がり、観客席を見回し、2、3人と目を合わせて微笑むだけでいいのです。
Weller氏は、人間やサルがアイコンタクトによって他者とつながりを築いたり、判断をしたりする能力を進化させてきたとする研究を紹介しています。スピーカーが床を見ていては、聴衆は拒絶を感じてしまうでしょう。
インパクトのある終わり方
では、終わり方のコツは? 「そろそろ時間のようです」「では、何か質問はありますか?」といった昔ながらの方法は忘れましょう。
アンダーソン氏は、「Fast Company」の記事において、もっと効果的な3つの方法を提案しています。たとえば「大局的な視点に切り替える」はいかがでしょう。神経科学者のDavid Eagleman氏のTEDトークは、この手法を用いています。
ハーバードビジネススクールのAmy Cuddy教授のように、「行動を呼びかける」エンディングもあります。
そして3つ目が、「自分の行動を宣言する」です。
聴衆に行動を呼びかけるのもいいですが、自身の大きな決断を宣言するという方法もあります。
ただし、実際に行動に移さなければ信用を失うだけなので、これには注意が必要です。
たとえばアスリートのDiana NyadさんはTEDの壇上で、フロリダからキューバに泳ぐことを宣言しました。そしてその2年後、彼女はそれを成し遂げたのです。アンダーソン氏は、彼女の驚異的な挑戦への宣言が「聴衆をしびれさせた」と述べています。
ほかにも、TEDトークにはプレゼンテーションの秘訣がいっぱいです。トッププレゼンターのトークを参考に、人々の印象に残る話し方を習得しましょう。
TED Curator: Here's How You Should Start and End a Talk | Inc.
Jessica Stillman(訳:堀込泰三)
Photo by Flickr
MORE FROM LIFEHACKER
- TEDトーク 世界最高のプレゼン術
- ジェレミー・ドノバン新潮社