米中鉄鋼戦争に巻き込まれる韓国

■米中の通商戦争、長期化か

 一部には米国の対中制裁で韓国製品が米国市場で「漁夫の利」を得るとの期待もある。専門家はそれを「能天気な発想だ」と一蹴する。米国は最近、韓国に対する警戒心をあらわにしており、中国製品と同時に韓国製品も規制しようという動きが強まっている。

 米国鉄鋼協会のトーマス・ギブソン会長は、4月に米商務省などが開いた公聴会で「超過生産された中国製鉄鋼が韓国で鋼管に加工され、米国にダンピング輸出されている」と主張した。米国が先月、ポスコ、現代製鉄などに最高48%の関税を適用したこともその延長線上にある。

 ポスコ経営研究所にシム・サンヒョン上級研究委員は「韓国の鉄鋼メーカーは中国から安く輸入した熱延鋼板を加工し、冷延製品を米国に大量に輸出しており、中国に代わりダンピングの汚名を着せられる懸念があったが、その懸念が現実となっている」と指摘した。

 問題は米中の通商戦争が今後長期化しそうな点だ。量的緩和以降、好転するかに見えた米国経済が相次いで異常シグナルを発し、米国も緊張モードに入った。3日に発表された米雇用統計が予想を大きく下回り、利上げが遅れるという観測が出ている。米国は通商分野でさらに攻勢をかけてくる可能性が高い状況だ。

 西江大国際大学院のホ・ユン院長は「韓国の輸出市場を守るためには、米国に付け込まれないように先手の対応が必要だ。韓国も米国に要求すべきことを積極的に見つけ、利益のバランスを取るべきだ」と話した。

金承範(キム・スンボム)記者
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