いつの頃からか、晩酌はハイボールと決まっていた。
若いころは水割りも飲んでいたし、日本酒に凝っていた時期もあった。けれど今はハイボール一本槍で、家に炭酸の備蓄がなくなるとお酒が飲めないレベルになった。
ハイボールの利点
ハイボールの何がいいかといえば、濃さを任意で変えられるところ。夕飯のメニューやその日の体調、翌日の予定などを総合的に勘案してリニアに濃い薄いを決められる。
水割りもそれに当たるんじゃないかと言われるかもしれないけれど、ちょっと違う。薄い水割りは悲しい。濃い水割りを飲むぐらいなら、生のウィスキーにチェイサーを頼んだほうが良い。
これは個人的な感想かもしれないけれど、炭酸が発泡することによってウィスキーの香気がより積極的に待機中に放たれるのではないだろうか、と感じている。水割りと違ってハイボールは、だから薄くても薄いなりにウィスキーの風味を味わえるし、味が薄くなった分は炭酸の刺激がそれを補ってくれる、ということ。
そしてもう一つの利点はギンギンに極限まで冷やして飲める、というところ。日本酒やビールに氷を入れるわけにはいかないが、ハイボールならタンブラーに目一杯氷を詰めて、0℃のやつをグイッといける。
甘みはノーサンキュー
蒸留酒であるウィスキーは、醸造酒と違って糖分が含まれていないため、飲んだあとに口の中がさっぱりするところが良い。食事に合う。
ビールや日本酒だとどうしても、後味がベトベトして、口を漱ぐためにさらに飲むと無限ループに入ってしまう。飲み会でビールを飲むときはそれでいいんだろうけどね。どっちにしても糖分や、それが分解された後の酸っぱさが気になる。
日本酒は甘くて濃いものが好きなのでなおのことそう思うのかもしれない。けれど日本酒は全体的に、ご飯に合うのかと聞かれたら微妙なんじゃないかな、もしかしたら。米で作られた酒で米を食うというのは米が被りじゃないかな。刺し身には日本酒かもしれないけれど、寿司と日本酒は将棋用語的に「指しすぎ」であると感じる。
種類が豊富で手に入りやすい
日本酒はとても好きなんだけど、致命的に手に入りにくいというのが致命的だ。
スーパーでは日本酒なんて売ってないし*1、地酒専門店もあるけど銘柄は限られ、ちょっと興味があったものを、というわけにもなかなかいかない。通販で買うと送料がバカ高いし、もったいないから4合瓶でなく一升瓶で買うと保存にも消費にも困ることになる。大きいと冷蔵庫には入らないし、なまものだからすぐに飲み切らないとダメになってしまう。そこが、とても、めんどい。自分で買うよりは日本酒を出す居酒屋に行って、飛露喜でも大七でも好きなモノを飲めばいいという気になる。
それに比べるとウィスキーは、かなりの種類が一般のスーパーで手に入る。国産はもちろんのこと、ボウモアだって気軽に買える。本物の日本酒を手に入れるよりも、本物のウィスキーを求めるほうがずっとハードルが低い。そこはやっぱり保存性の高さが効いているんだろう。瓶詰めされてしまえば劣化しないし、アルコール度が高いからワインのように保存料を入れる必要もない。地球の裏側で飲んでいるものと全く同じものが手に入るというのは、蒸留酒の利点の一つだといえる。
よく飲むウィスキー
偉そうに語ってきたけれど安月給の身分ではそうそう高級なウィスキーは買えない。普段買うのは2000円以内の、廉価で結構飲めるものばかり。
フォアローゼズ
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いきなりのバーボンから。約1,000円で買えるので気軽に飲める。
バーボンについてはアーリータイムズやIWハーパー、ワイルドターキーあたりの有名どころは試したけれど、ハイボールにするならフォアローゼズが一番だ。甘すぎず、独特な香りの強さで炭酸に負けないところが気に入っている。
ジャック ダニエル ブラック Old No.7
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こちらはバーボンではなくテネシーウィスキー。フォアローゼズの倍の値段なのでおいそれとは買えないけれど、まれに良く買う。味も香りもはっきりとしていて、ハイボールのためにあるようなウィスキー。
ニッカ オールモルト
- 出版社/メーカー: アサヒビール
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こちらは実売1,500円ほどで、モルトウィスキーの中ではかなりコスパがいい。竹鶴やフロムザバレルなどの、これ以上高いものはもちろん美味しいんだけれども炭酸で割るには惜しい気がする(割るけど)。廉価版であってもさすがはニッカ。炭酸に負けない力強い味が魅力。モルト+グレーンのブレンデッドだとなかなかこうはいかない。
若いころはブラックニッカも飲んでいたけど、改めて飲むと辛いばかりで味がない。酔うための酒はいらないのですよ。サントリーも結構辛めのが多いのであまり飲みません。
スコッチウイスキー全般
シングルモルト ウイスキー ザ マッカラン 12年 700ml
- 出版社/メーカー: サントリー
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マッカランを代表とするスコッチは大好物だけど、5000円オーバーともなるとおいそれとは手が出せない。グレンフィディックやラフロイグ、ボウモアなんかはどれも好きなんだけど、こういうのは何かの記念日的なときに、年に2,3回、いや5,6回かな、極稀に購入するのがせいぜいです。安月給は辛いよ。
お酒を飲むと終わる
量を飲むわけではないし飲んでもおおむね正気を保っているんですが、やはり思考能力の低下は著しくてこうやって文章を書くこともまともにできなくなります。仕事が終わったあと、眠りにつくまでの僅かな時間をのんべんだらりと過ごしていていいものか!
というわけで6月下旬からは断酒をしていく予定。残り少ない人生、もっと有意義に過ごさねば(使命感