運用断念の「ひとみ」 開発体制にも問題と指摘
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異常な回転が起きて機体が大きく壊れ、ことし4月に運用を断念した天体観測衛星「ひとみ」について、問題を検証していた文部科学省の小委員会は、人為的なミスが重なったことに加え、JAXA=宇宙航空研究開発機構の開発体制にも問題があったとする見解をまとめました。
ブラックホールなどの謎に迫る「宇宙の天文台」としておよそ310億円をかけて開発され、ことし2月に打ち上げられた天体観測衛星「ひとみ」は、試験観測中の3月26日に突然通信が途絶えました。その後の調べで、「ひとみ」では異常な回転が起きて、遠心力によって太陽電池パネルが根元から折れたとみられることが分かり、JAXAはことし4月28日、運用を断念しました。
この問題について検証していた文部科学省の小委員会は、8日、見解をまとめました。
この中では、まず、異常な回転が起きたことについて、プログラムの誤りと衛星に送った信号の誤りという、2つの人為的なミスが重なったことが原因だったと指摘しています。そのうえで、こうしたミスの背景には、本来は複数で行うべきプログラムの開発を1人の責任者に任せていたほか、本来は文書を交わすべきJAXAとメーカーとの役割分担を、口頭でのあいまいなやり取りで済ませていたというJAXAの開発体制そのものに問題があったと指摘しています。
JAXAでは、今回の検証結果をもとに研究開発の体制の見直しを進めることにしています。
この問題について検証していた文部科学省の小委員会は、8日、見解をまとめました。
この中では、まず、異常な回転が起きたことについて、プログラムの誤りと衛星に送った信号の誤りという、2つの人為的なミスが重なったことが原因だったと指摘しています。そのうえで、こうしたミスの背景には、本来は複数で行うべきプログラムの開発を1人の責任者に任せていたほか、本来は文書を交わすべきJAXAとメーカーとの役割分担を、口頭でのあいまいなやり取りで済ませていたというJAXAの開発体制そのものに問題があったと指摘しています。
JAXAでは、今回の検証結果をもとに研究開発の体制の見直しを進めることにしています。