小保方さんが寂聴対談で語らなかったこと
STAP騒動から約2年。渦中にいた小保方晴子氏が、「婦人公論」で作家の瀬戸内寂聴氏と対談した。注目が集まったそのやり取りを読むと……。
小保方:『あの日』(注・小保方氏の手記)は失恋の物語です。何より愛していたものを失った、失恋の話として私は書きました。
瀬戸内:(中略)失恋は必ずするんですよ、みんな。また恋愛は生まれます。
7ページにわたる「婦人公論」での小保方晴子氏と瀬戸内寂聴氏の対談では、やり取りのほとんどが2人のこれまでの人生の思い出話など。「研究不正」疑惑を覆すようなことは1行も書かれていない。
数少ない言及から拾うと、瀬戸内氏は当初、『あの日』を読むまでは「報道を信じて、すべてあなたが企てたことだと思っていた」という。だが、小保方氏の手記を読んで、「この本を読まなければ、真実を知りえなかった」と考えを変えたらしい。
しかし──ある人物の語る「真実」が、科学的・歴史的事実であるとは限らない。
この対談は、気になるトーンに満ちている。
「あなたたちの説を、引き継ぐ人はいるの?」と尋ねる瀬戸内氏に、小保方氏はこう答えた。
「最近、私たちが発表したSTAPという名がついた論文が発表されました。まるですべて握りつぶされたわけではなく、バトンは繋がっていたのだなと思いました」
「STAPという名がついた論文」と小保方氏が言った論文は、5月半ばにインターネット上で話題になったものと思われる。
●題名にSTAP含む論文に注目
その論文は、独ハイデルベルク大学の大学院生ジー・ヤン・キム氏らが専門誌「生化学・生物物理学研究コミュニケーション」電子版に3月10日付で発表したものだ。題名は「修正STAP条件はジャーカットTリンパ球において多能性か細胞死、どちらかの運命に決まることを促進する」。確かに題名には「STAP」が含まれている。
また、この対談が行われたことを報じた「週刊現代」6月4日号も、
「ドイツの名門、ハイデルベルク大学が、小保方さんたちが行った実験とは異なる方法ではあるが、免疫細胞の一種に刺激を与えるとSTAP現象が確認されたと発表した」
と書いている。しかしキム氏らの関心は、小保方氏らの論文の検証や応用ではなく、がん細胞と酸との関係だ。
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