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2001年9月11日、アメリカで発生した911、未曽有の同時多発テロ事件。その直後、巻き込まれた人々を救うため、先陣を切って命がけで救出活動にあたった災害救助犬がいる。当時、ゴールデンレトリバーのブルターニュの名のもとに、数えきれないくらい多くの救助犬が後に続いた。
高齢となったブルターニュは、ここ最近は腎不全に苦しみ何も食べられなくなってた。回復の見込みは一切なく、このまま苦しみぬいて衰弱していくのならと安楽死がくだされた。
ハンドラ―であり飼い主のデニース・コーリスと一緒に、テキサス州サイプレスのフェアフィールド動物病院に入っていくブルターニュの最後の姿を、消防士たちの列が直立敬礼して見送った。2016年6月6日、ブルターニュは大勢の人々の感謝と敬意に包まれて永遠の眠りについた。享年16歳であった。
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Bretagne Last Known 9/11 Rescue Dog Earns A Hero's Send off Dies At Age 16
デニース・コーリスに最後のリードをひかれながら、消防士たちが直立敬礼する中を動物病院に入っていくブルターニュ
食べ物も飲み物も一切口にせず、衰弱していく高齢のブルターニュ。飼い主のコーニスは別れの時がきたことを感じた。
「最後の夜、彼女はとても不安そうで、わたしのそばを離れたがりませんでした。だから添い寝してあげたんです。わたしを感じると、あの子は落ち着いて眠ってくれました。ひと晩中、そうやって一緒に眠りました」コーニスは語った。
死に際して、コーニスと夫はブルターニュのためのバケツリスト(死ぬ前にやっておきたいことを書き出したリスト)を作り、この月曜までに完了させていた。
その中の項目のひとつに、地元のロバート・ロード小学校への訪問があった。ここでブルターニュは、読み聞かせ時間のお供をし、自閉症の子どもたちの力になった。
ブルターニュは、911だけでなく、ハリケーン・カトリーナ(2005年8月)、アイバン(2004年9月)、リタ(2005年9月)のときも、救助犬として活躍した。「彼女は長く生き、そして誰よりも活躍した」サイプレスのボランティア消防団のデイヴィッド・パドヴァンは言う。
ブルターニュは、マンハッタンのグラウンドゼロにかけつけた300頭の救助犬のうちの一頭である。
救助中、疲れ果てわずかな時間を仮眠するブルターニュ。
瓦礫の中の捜査を12時間シフトで続け、わずか4時間しか眠れないときもあった。
ブルターニュの死後、その遺体は星条旗に包まれ、テキサスA&M大学へと運ばれた。獣医たちによって、グラウンドゼロの影響が調べられるのだという。
「彼女はほかにはない犬だった」とパドヴァン。「引退した後ですら、救助犬の仕事をしようとしたのですから」と語る。コーニスは、1999年に捜索・救助犬養成に加わるよう言われてから、ブルターニュを飼い始めた。
コーニス自身が瓦礫の下に埋もれ、その一時間後に犬が放たれて人を見つけるという訓練をしたが、そんな状態でも上で犬の鳴き声がするとすごく安心したことを思い出すという。
コーニスはブルターニュにも救助の訓練をさせようと決め、数年のうちにテキサスの特殊部隊に任命されるほど、すばらしい働きぶりをするようになった。
よりによって、911がブルターニュたちがテキサスの特殊部隊から派遣された最初のミッションとなった。もちろん、ブルターニュにとって初仕事だ。想像を絶する状況の中で、一日に12時間も働き詰めだったが、ブルターニュは完璧にこなしたという。
13歳のとき、ブルターニュは四肢の関節が強張ってしまい、家の階段も昇れなくなってしまった。コーニスはプールを作って、毎日10分間ふたりで泳ぎ、リハビリに努めた。
それで変化が起こり、ブルターニュの手足の柔軟性が戻ってきたという。去年、ブルターニュはニューヨークで誕生日を祝ってもらった。ここは、2歳のときに911で初めて救助犬のキャリアに就いて活躍した地だ。
昨年の16歳の誕生日のとき、ニューヨークのラガーディア空港でヒーローとして熱烈な歓迎を受け、特別なはからいで、5つ星ホテルの1ホテルセントラルパークに宿泊した。
そこでごちそうとバースデーケーキをもらった後、グラウンドゼロに向かった。
Dog's Best Day - Bretagne
ペンシルヴァニア使役犬センターの獣医、シンディ・オットーは、グラウンドゼロで活躍した100頭以上の救助犬たちのケアをしてきた。
「茫然として、無表情で座り込んで動けなくなっていた消防士たちが、救助犬の姿を見ると笑顔になるのがわかる。犬たちが希望の力をもたらしてくれ、たちまち心の闇を取り除いてくれた。特にブルターニュとデニースの絆はすばらしいものだった」
これからもブルターニュの伝説は語り継がれ、人々の心に生き続けるだろう。ありがとうブルターニュ!どうぞゆっくりお休みなさい。
via:dailymailなど/ translated konohazuku / edited by parumo
◆911の英雄犬たち
911の惨劇では約3000人が亡くなったが、一方で多くの救助犬たちがグラウンドゼロを走り回って、生存者を救出している。その数は300とも900とも言われているが、911のときに実際に瓦礫の中で捜索にあたった犬が何頭いたのか、はっきりわかっていない。
2011年に、『Retrieved』という本が出た。これは911で活躍した犬たちのその後を記録したものだ。ほとんどがラブラドールかゴールデンリトリヴァーで、調査によると、犬自身が元気であるだけでなく、ハンドラーのPTSDを回避する助けになっていたことがわかった。また彼らの寿命が平均12年であり、通常の老犬と同じ病気で亡くなっているという。
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コメント
1. 匿名処理班
栄光に幸あれ。
2. 匿名処理班
思い出がたくさんあって、なんだか切なくなってくる。愛されてたんだな
3. 匿名処理班
結局は安楽死って人間の都合なんだよな
4. 匿名処理班
最敬礼から感じる「犬」ではなく救急隊の同僚としてのリスペクト
任務お疲れ様でした!
5. 匿名処理班
最後の写真で涙が止まらなくなってしまった
安らかに
6.
7. 匿名処理班
凄く敬意を払われてる葬儀の様子からも皆に愛されかつ尊敬された救助犬だったんだなぁ
羨ましい
8. 匿名処理班
涙が出そうになるな。
人間は醜く残虐な殺戮を繰り返す一方で、命を救う為に体を張った犬達もいた。
この素晴らしい犬の偉業を忘れない為にも、人類全体規模で「献身」という美徳を
もう一度学ぶべきだ。
9. 匿名処理班
大型犬で16歳って結構長生きしたんだなあ。
10. 匿名処理班
いろんな事を考えさせられます。
11. 匿名処理班
ありがとう、ありがとう。
どうか安らかに。
12. 匿名処理班
泣ける
13. 匿名処理班
安楽死は賛否色々あるよな
苦しくても自然のままに、と思うのもエゴかな
14. 匿名処理班
「最後の夜とても不安そうだった」なら、ブルターニュは最期まで自宅で、家族に囲まれつつ「普通に」旅立ちたかったのではないの…? 勿論自分はネットでこのニュース見てるだけの完全な部外者だから何とも言えないが。意志疎通がはっきり出来る人間には安楽死は是だと思うが…。
15. 匿名処理班
ハッ 犬畜生の記事なんざたいし・・・たこ・・・と・・・ うおおおおおおおおおおん
嘘です すいません 強がりました ってかPC前でマジで涙目になりました。
愛犬家の私にこれはつらい 美しい生を見せてくれてありがとう
16. 匿名処理班
ブルターニュ最後の夜不安そうって書いてあるけど、安楽死はやはり反対だな。
死の間際はやはり食べられなくなったり飲めなくなったりするもんだけど、看取ってあげてほしかった。
17. 匿名処理班
ご冥福をお祈り申し上げます。
18. 匿名処理班
安楽死か
こういう時犬の言葉がわかればなあと思う
19. 匿名処理班
安楽死が犬にとって本当に嬉しいことかどうかは分からないけど、周りの人のこの犬に対する思いは伝わってるとは思う。
お疲れ様、ゆっくり休んで下さい。
20. 匿名処理班
お疲れ様でした。
ゆっくり休んでね
21.