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ジカ熱病原体を短時間で検出 田中貴金属、世界初の試薬開発

2016/6/7 14:05
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 TANAKAホールディングスは7日、貴金属製造子会社の田中貴金属工業が中南米で流行している「ジカ熱」の病原体(ジカウイルス)を血中から直接検出する試薬を世界で初めて開発したと発表した。検出にかかる時間は10~15分程度と短い。ジカ熱は2015年から流行しており、今夏にブラジルで開催するリオ五輪を契機に世界に感染が広がる懸念がある。新試薬をジカウイルスの感染拡大阻止に役立てる。

田中貴金属工業が開発した試薬はジカウイルスを10~15分で検出できる

 これまでジカウイルスの抗体を簡単に検出する試薬はあったが、ウイルスそのものを検出できるものはなかった。ウイルス検出には特別な設備が必要で、時間も半日から1日程度かかっていた。新試薬には感染の早期発見、検出時間の短縮、コスト負担の軽減といった利点がある。

 金のナノ粒子を溶液中に分散させた金コロイドを利用する。このナノ粒子にジカウイルスのたんぱく質と反応する性質を持たせ、血液と混ぜることでウイルスを検出する。田中貴金属工業は長年培った金コロイドの製造技術を使い、インフルエンザやアレルギー物質を検出する試薬を製造してきた。国内外の医療メーカーと提携し、臨床評価のための試薬サンプルを提供する計画だ。

 ジカウイルスはウガンダのジカ森林のアカゲザルから初めて確認された。ヒトが感染すると発熱や結膜充血などの症状を伴うジカ熱を発症する。妊婦が感染すると胎児が小頭症を発症するとの指摘がある。蚊の媒介で広がるほか、輸血や性行為による伝染も指摘されており、感染を早期に検知する手段が求められている。

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