【ソウル=小倉健太郎】韓国環境省は7日、日産自動車のディーゼル車「キャシュカイ」に排ガス不正があるとして現法社長らの刑事告発や韓国で販売した824台のリコール(回収・無償修理)を命じる処分を正式に決めたと発表した。課徴金3.4億ウォン(約3千万円)の支払いも求める。日産は不正ではないと反論したが認めなかった。
環境省が実際に道路を走らせてキャシュカイの排ガスを調べたところ、エンジンの吸気温度がセ氏35度になると排ガス浄化装置が停止し、窒素酸化物(NOx)の排出量が大幅に増えた。一般的な運転条件下で排ガス関連部品の機能を低下させることを禁じた大気環境保全法違反と判断した。
日産はエンジンを保護するために一般的に認められている設定だと反論していた。韓国でのキャシュカイ販売に当たり韓国当局への提出書類にも明記していたという。
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日産は7日、「不正かつ意図的な設定や違法な装置を搭載していないと一貫して主張してきた。韓国環境省の結論を確認した上で今後の対応を検討していく」とコメントした。韓国環境省には「該当車両の実走行環境でのNOxを削減する技術的な改良の用意がある」ことを伝えたという。