蔡英文政権発足で台湾と日本が急接近、中国は不快感

 台湾とグアム島の中間にある岩礁「沖ノ鳥」をめぐる台湾・日本間の領土紛争(ママ)でも、台湾は立場を変えつつある。この岩礁は満潮時に海面上に姿を見せる面積がキングサイズのベッド2床程度にすぎない(外交専門誌ディプロマット)が、海中の水産資源や鉱物資源の価値は天文学的な規模だ。日本はここを島だと主張し、1931年に日本領へと編入した。しかし、台湾、中国、韓国は沖ノ鳥が岩礁だという立場を堅持してきた。

 国民党政権末期には沖ノ鳥をめぐる日台の対立が激化した。4月24日には台湾漁船が沖ノ鳥島から150カイリの会場で拿捕(だほ)された。保釈金600万円で釈放された船長は「自衛隊から犯罪者扱いされた」と台湾メディアに怒りをぶちまけた。国民党政府は日本に対抗し、沖ノ鳥に巡視船を派遣し、台湾国民の67%がそれを支持(TVBS世論調査)した。しかし、蔡総統は就任3日後、巡視船を撤収させ、「今後阿智湾は(沖ノ鳥が島か岩礁かについて)法律上特定の立場を取らない」と表明した。

 日本はこうした台湾の変化を歓迎している。安倍首相と蔡総統は就任前から良好な関係を維持しており、今後の関係改善に期待を寄せている。

 一方、中国は不快に思っているようだ。中国紙・環球時報は6日、「台湾と日本の関係が急速に熱くなる間、中台関係は急速に冷え込んでいる。台湾がいくら親米、親日政策を取り、中国と距離を置こうとしても、結局は中国の関係を解決すべき時が来る」と主張した。

東京=金秀恵(キム・スヘ)特派員 , イ・ボルチャン記者
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