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フランス女性と同棲中

ナンパしたフランス人と同棲する高卒ニートの整理と極論

邪推の構造。32歳童貞の彼女をめぐる、裏読みと邪推。

コミュニケーション 文章 言葉

上から目線で失礼します。

32歳童貞の彼女が書いた記事をめぐって、面白い裏読みと邪推を見ました。
素敵なフランス人女性と順調に交際を続けている32歳男性の身として、上から目線で解説しながらこの面白さを共有したいと思ったので、書きます。

0.対象となる裏読みすれ違いの経緯

まず簡単に、それぞれの記事を紹介します。

1.元記事

32歳童貞(当時)の彼と付き合い始めた

数ヶ月ほど前に32歳童貞(当時)の彼と付き合い始めたのだが、そのときのことについて書く。

この元記事では、明らかに女性慣れしていない男性と良い関係になりそうだったが突然ラブホテルに誘われて困惑した、という経験について女性が書いています。

「らホテルに誘われた」ときのことについて、付き合ってからまた少し話した。そのとき彼に伝えた内容を書く。彼と同じような立場の人がもしいれば参考にして欲しい。なお、もちろん、あくまで私の個人的な考えである。

いちど関係が悪くなりかけたものの、お互い謝罪した上で正直に話し合って交際に発展したという素敵な話で、教訓も多分に含まれていると思います。ただ、彼氏に伝えた内容として次のように書かれていることが、読んだ人から反発を招いているようです。

それからこれは強く伝えたのだが、こちとらあなたが女性と付き合ったことがないこともコミュ障なことも、顔があまりかっこよくないことも知っている。それをわかってて好きになったんだから、もっと自信を持って欲しい。

ただ、まあ、これまで恋愛に関して自分に自信を持てる経験があまりなかったのだろうと思うと、しょうがないかなという気持ちも少しはある。だからこれからは、私が彼が自信を与えられるようにしていこうと思っている。

2.反発記事

実際に反発記事として話題になっているのがこちらです。

32歳童貞(当時)の彼女さんの何が引っ掛かるのか解説する

「あなたはオスとして完全に低スペ。そしてどうかもっと自信を持って。」
これって性別逆で言ったら 好きな男性から
「君ってぶっちゃけ人格も価値観もおつむも教養も生活力も育ちも全部100点満点中20点ぐらいの女だけど、でも大丈夫だよ僕は好きだよ。そんな君でも僕に好かれてるんだからその事実に自信をもつべきだよ。(あ、僕に合わせようとして本読んだりするの君らしくないから無理すんなよ君が高卒なのぐらい分かってるから~)」
って言われてる感じだけど、それで何も傷付かない・心が砕かれない女性は居るのかな。

ここでは元記事の女性の発言について、相手をいちど全否定した後に肯定する洗脳的な手法ではないかと批判しています。

1度全ての自己肯定感を否定されてから、”私””僕”に紐付いた自己肯定感のみ与えられていく人はそのさきどうなっていくのかな?

3.コメント

この反発記事に対してid:mukudori69さんが次のようにコメントしています。

これに対して、先の反発記事では次のように追記されています。

スペックの話しかしてないのは私ではなく元増田さんであることは注意して欲しいです。

私は文章に偶然や言い間違いというものはなくて、そこに駄々漏れになるものこそその人の思考だと思ってます。

ここまでの流れで、裏読みと邪推のすれ違いが面白すぎる!と思ったので順に感想を交えながら解説します。
なお、いま読み返してみたところ、けっこう真面目に解説しているせいか全部で1万字くらいありました。
個人的に気に入っている裏読み部分について太字にしたので、長い記事を読むのが面倒だなという人は、太字と最後のまとめを読むだけでも楽しめるかもしれません。

1.元記事について

元記事が読者に伝えたいこととしては、次の3つだと僕は受け取りました。

伝えたい内容

1-1;そういう雰囲気ができているならいいが、雰囲気もできていないのに、大人だし何回目のデートだからと突然にホテルに誘うのは良くない。相手をよく見てほしい。
簡潔にまとめると、≪相手をよく見て採るべき行動を考えよう≫ということ。
1-2;そういう雰囲気がつくれるならいいが、距離の取り方が上手いキャラでもないのに、自分に無理して突然にホテルに誘うのは良くない。自分らしくいてほしい。
簡潔にまとめると、≪自分をよく見て採るべき行動を考えよう≫ということ。
1-3;過去に女性経験がない童貞だとか、女性とのコミュニケーションに慣れていないとか、見た目が良くないだとか、気にする必要はない。自信を持ってほしい。
簡潔にまとめると、≪自信を持っていよう≫ということ。

それぞれ、当たり前だけど難しい、普遍的な真理についての教訓が具体的に書かれていて参考になるなあと思いました。
その一方で、せっかく良いことが書かれているのに反発を招いてしまうのはもったいないなあとも思いました。

伝えたい対象

反発を招いた原因は、おそらく「WHOM:対象読者」への配慮が欠けていたことです。

「らホテルに誘われた」ときのことについて、付き合ってからまた少し話した。そのとき彼に伝えた内容を書く。彼と同じような立場の人がもしいれば参考にして欲しい。なお、もちろん、あくまで私の個人的な考えである。

再掲しましたが、元記事内でこのように書いているのですから、対象読者は32歳童貞のような立場の方のハズです。ただし、元記事の彼氏本人ではない。

・・・ここが超重要なすれ違いポイントだったのではないでしょうか。

どんな言葉でも、誰から誰に向けての言葉なのかで、受け取り方は全く違ってきます。

元記事を書いた女性と彼氏本人との間には、数年の付き合いと信頼があり、お互いに好意を寄せ合っていることを相互に確認して謝罪し、既に交際に発展しています。
そうした関係を持つ相手だから、童貞彼氏も次の言葉を受け止めて受け入れることができる。

それからこれは強く伝えたのだが、こちとらあなたが女性と付き合ったことがないこともコミュ障なことも、顔があまりかっこよくないことも知っている。それをわかってて好きになったんだから、もっと自信を持って欲しい。

おそらく彼氏としても、自分のどこを好きになってもらったかを理解している(別の場面で伝えてもらっている)のでしょう。
あるいは、どうして突然ラブホテルへ誘ったかについて腹を割って話し合ったときに、彼氏が「自分は女性経験がないしコミュ障だし不細工だし、でもどうしても君のことが好きだから、もうどうすればいいのか分からなくて・・・(涙)」のように言っていたのだとしたら、それへの返答として彼女の口から上記の言葉が啖呵を切るように発せられ、童貞彼氏がこれを受け入れるのはとても自然です。

でも、対象読者は、見知らぬ赤の他人。
だから先の言葉の状況が不明なこの元記事だけでは、単純に相手を全否定する洗脳手法のような言葉にも見えてしまう。
もちろん元記事内の前後に書かれた文脈を丁寧に読めば、単純に全否定しているわけではないだろうと解釈することもできます。
けれども、元記事の彼氏のような「自分に自信がない童貞」を想定読者としているのであれば、ネガティブな表現だけでは伝わりづらいだろうというのは容易に想像できます。加えて、彼氏との話し合いのときには、「あなたの○○が好き」というポジティブな言葉だったり、ハグやキスのようなポジティブなボディランゲージだったりがあったと予想されるわけで、それらがない状態でネガティブな字面だけ記載した記事をもってネット上の無関係な童貞に向けてこれを参考にしてほしいと言ってしまえば、反発されてしまうのも仕方ないようにも思えます。対象読者となっている一般童貞男子は、自分が言われる言葉としてこれを読むわけですから。
ポジティブな表現や言葉の発せられた状況とまではいかなくとも、せめて、「過去とか見た目とかより大事なモノがある!これを読んだ童貞の人たちも、自分らしく自信を持って相手に正面から向き合って!そうすれば私たちみたいに上手くいくと思うよ!」のような内容をわかりやすく付記していれば、もう少し伝わりやすかったのではないかと思います。*1

裏読みと邪推

これは僕の邪推になるのですが、交際して数か月の元記事筆者は、次のような状態で浮かれて書いてしまったために「参考にしてほしい」という気持ち以外の気持ちが混じり込んで、対象読者への配慮が欠けてしまったのではないでしょうか。

A;それまでの恋愛強者との短期恋愛とはうってかわって長続きしそうな童貞との今の恋に浮かれた気分で、他の童貞にも良い人がいるのなら頑張ってほしいと思った老婆心で書いた。
B;いちどダメになりかけた恋愛が上手くいった話し合いの中で得られた「相手と腹を割って話して通じ合った感覚」の気持ち良さを思い出して、その高ぶりの余韻で書いた。
C;自分の切った「こちとら~」という啖呵が相手に刺さったときの気持ち良さを思い出して、それに酔いしれた驕りが混じってしまった。
D;自分のダメ出しを受け入れる度量のある良い男を見つけたと自慢したい惚気が入り込んでしまった。

完全な邪推ですし、どれが正しいというわけでもないんですが、明言されていない書き手の状況についてあれこれと裏読みするのは楽しいものですよね。とはいえ、こういう裏読みはあくまで想像の選択肢を広げるために使うものであって、想像の選択肢を限定して相手を決めつけるために使うものではありません。それについて、詳しく説明します。

2.反発記事について

反発記事が読者に伝えたいこととしては、次の2つだと僕は受け取りました。
2-1;元記事にはネガティブな言葉だけが並ぶ箇所があり、その表現が一般読者に与える印象は芳しくない。
2-2;ネガティブな言葉を投げることでマウントをとるコミュニケーション方法は危ういので、男女を問わず注意するべきだ。

それぞれ、確かにそうだと思える内容が丁寧に書かれていて参考になるなあと思いました。
その一方で、「元記事を邪推している」というコメントを付けられてしまうのも仕方がないところがあると感じました。
その理由を簡潔に2つ指摘しておきます。

まず、元記事での「こちとらあなたが女性と付き合ったことがないこともコミュ障なことも、顔があまりかっこよくないことも知っている。」という表現を、反発記事では「あなたはオスとして完全に低スペ。」と換言して説明している部分。
2016年現在の日本では、一般的に男性のスペックとして表現されるのは「学歴、職業、年収、容姿、性格」などです。これらのうち、元記事では前半の「学歴や職業や年収」については記載していないので、「完全に」低スペックと言い換えてしまうのは、行き過ぎた印象を与えてしまいます。
さらに、元記事では「あなたらしさ」という婉曲的な表現ではありますが、童貞彼氏の「性格」を肯定し好いているのだろうと解釈できる箇所があるのですが、反発記事ではこの表現を別様に解釈して「全ての」自己肯定感を否定していると読解しています。
まとめると、多様な裏読み解釈が可能であるときに「完全に」「全ての」という極端な表現で断定した読解を披露してしまうと、偏りがある邪推をしているように感じられてしまうのだと思います。誰かに自分の考えを伝えたいのであれば、読者が持つ解釈の多様性に合わせて、自分自身も解釈の選択肢を多数持っておいた方が良いと思うのです。そうして、いくつもの解釈を比較できるように示した上で自分の推したい考えに合わせて理由とともに主張すれば、邪推と取られることは少なくなるのではないかと予想します。

3.コメントについて

それで、この流れでいちばん面白いなと僕が感じた部分なのですが。
先の反発記事に対して、id:mukudori69さんが次のようにコメントしています。

id:white_roseさんの次のコメントも人気を集めています。

これに対して、上記の反発記事では次のように追記されていました。

スペックの話しかしてないのは私ではなく元増田さんであることは注意して欲しいです。

私は文章に偶然や言い間違いというものはなくて、そこに駄々漏れになるものこそその人の思考だと思ってます。

僕はどちらの主張にも頷ける部分があるなあと感じていて、言い換えれば、「これ、どっちも邪推しているよなあ」と思って笑ってしまったのでした。
みんな、邪推が大好きすぎる。。。!!!

どういう風に邪推が起こっているのか、どうすれば邪推と言われることが減るのか、順を追って考えてみます。

言葉が発せられた場面は様々な可能性がある

まず、反発記事では「元記事はスペックについてのネガティブな話しかしてない。・・・ということは、元記事の筆者は全否定する洗脳的コミュニケーション手法を採っているのだろう」と解釈していて、前半部分が少し行き過ぎた読解で後半部分が邪推であることは先の項目に書きました。具体的に言えば、元記事には次のような状況が背景にあった可能性を排除していることが、邪推の原因です。

元記事彼女「私は、いつものあなたが好きなの。だから、あのときのあなたはあなたらしくなかったし、そういう雰囲気でもなかったから、悲しくなってしまったの。ねえ、どうして急にホテルに誘ってきたの?」
童貞彼氏32「自分は女性経験がないしコミュ障だし不細工だし、でもどうしても君のことが好きだから、もうどうすればいいのか分からなくて・・・(涙)」
元記事彼女「馬鹿ねえ」ため息をついた彼女は、童貞彼氏を抱きしめて耳元で囁く。「こちとらあなたが女性と付き合ったことがないこともコミュ障なことも、顔があまりかっこよくないことも知っているの。それをわかってて好きになったんだから、もっと自信を持ちなさいよ」
32「ありがとう(笑」
沈黙。
女「、、、ねえ。あなたもしかして、ありがとうだけで終わるつもり?」
32「?」
女「本当に雰囲気をわかってないひとだなあ」
32「なに?」
女「こういうときに誘うものなんです(怒」
32「あ、そういうことか」
女「、、もういいから、少し黙ってなさい」
32のボタンを外していくアノニマスウーマン。

あくまで可能性ですが、実際にはこのような状況があったのかもしれないのです。ここから、惚気と受け取られかねない前半部分や、余計な詮索をされかねない性描写につながる後半部分をカットして書いた結果として出来上がったのが元記事だったのかもしれず、そういった様々に裏読みできる可能性を考慮せずにモラハラ的と言っちゃうのは、邪推です。

邪推が生まれる理由

なぜこのような邪推が起きてしまったのかというと、元記事彼女の言葉が、すでに信頼関係のできている32歳童貞彼氏に向けられたものであることを考慮していなかったからです。

言葉は「誰が-誰に向けて」発されたものか、そのWHO-WHOMによって意味合いが全く異なってきます。

私は文章に偶然や言い間違いというものはなくて、そこに駄々漏れになるものこそその人の思考だと思ってます。

反発記事の筆者によるこの記述には、真実の一面があると思いますし、共感する人も多いかと思います。
けれども、文章中の言葉から「その人の思考=WHO」だけを取り出そうとして、「だれに向けたか=WHOM」を割り引かない姿勢が入り込んでしまっていることには、注意が必要です。

・・・やはりここが超重要なすれ違いポイントだったのではないでしょうか。

例えば僕は、自分のパートナーに不倫されたくないので「不倫は嫌だな」という価値観を持っています。けれども、もし矢口真理*2さんと話す機会があってそういう話題になったとしたら、矢口さんに向けて「まあ人間だから、不倫しちゃうこともあるよね」という言葉を発する可能性が大いにあります。
僕自身が「不倫しちゃうこともあるよね」と思考しているわけではなくて、相手の思考を考慮して発言するわけです。
けれども多くの場合において、僕の言葉を間接的に聞いた第三者は、「id:Rlee1984さんが『不倫しちゃうこともあるよね』という発言をするのは、心の奥底で不倫を肯定する思考を持っているからだろう」と邪推するのではないでしょうか。特に、僕の言葉が矢口真理さんに向けられているという情報が明示されていない場合には、この邪推比率は高くなるでしょう。そして面白いことに、インターネット上で公開されている言葉の多くは、それが誰に向けて書かれたのかが不明確な状況にあります。

あるいは、僕は自分の経歴について、普段は「高卒なんです」と話しています。その方が正直だし自分に合っている気がするのでそう言っているのですが、相手が学歴を重視していそうであれば「灘高校出身です!」と話すことがあります(笑 これも、相手の思考を考慮して僕は発言しているわけですが、僕からその言葉を向けられた当人はともかくとして、この言葉をインターネット上で見かけた第三者が僕の意図を読み解くことは非常に少ないなあと実感しています。
実際に、僕がこのブログ内で自分の出身校について記載したのは100記事以上ある中で2回だけなのですが、id:pero_peroさんからは「学歴とか自分の自信を裏打ちしてくれる何かが欲しい人なんだろう」と言われました。あるいは別の人からは、灘高出身というのを売りにしてブログを書くなと言われたこともあります。どちらも、出身校に関する僕の発言が、僕自身の思考(志向)を表す言葉だと推測されたからでしょう。面白い現象です。

ひとが言葉を発するときには、言葉を向ける相手(WHOM)の思考を想像した上で自分の言葉を紡ぎます。
けれどもインターネット上では、多くのひとは多くの場合において、読んでいる言葉が元来想定している相手(WHOM)まで考慮して言葉の意味を測ろうとはしません。
ひとは他人の言葉の意味を計測するとき、WHOMを割り引くことを怠りがち。
おそらく単純に計算コストの問題だとも思うのですが、このことが邪推を生み、ディスコミュニケーションにつながる場面って本当に多いなあと感じています。

元記事筆者は、インターネット上で不特定多数の童貞に向けて書くときに、そのWHOMを想定することが甘かったせいで、ちょっとした説明不足になって反発を招いた。
反発記事筆者は、インターネット上で見かけた文章のうち、だれに対してどんな場面で発せられた言葉なのかWHOMを想定する幅が狭かったせいで、邪推に陥ってしまった。

そして次の邪推へ

反発記事では「元記事はスペックについてのネガティブな話しかしてない。・・・ということは、元記事の筆者は全否定する洗脳的コミュニケーション手法を採っているのだろう」と解釈していて、前半部分が少し行き過ぎた読解で後半部分が邪推でした。
一方、反発記事へのコメントでは「反発記事はスペックについての記載に怒って全て邪推している!・・・ということは、反発記事の筆者は恋愛関係においてスペック以外に重要なものがあると想像できないのだろう」と解釈していて、こちらも前半部分が少し行き過ぎた読解で後半部分が邪推です。

スペックの話しかしてないのは私ではなく元増田さんであることは注意して欲しいです。

という反発記事の追記にもあるように、「元記事内では、彼氏に対してスペックについてのネガティブ表現しかない」ことを反発記事は問題視しています。若干の行き過ぎた読解と邪推も付加されてはいますが、ネガティブ表現を警戒すること自体は正当な見解のひとつだろうと思います。

これに対するコメントでは、反発記事は「全て」邪推だと言ってしまっており、さすがに全て邪推だと言うのは行き過ぎた表現ですし、反発記事がスペックについての話をメインにしているのは、その筆者が「恋愛関係においてスペック以外に重要なものがあると想像できない」人物だから(WHO)という可能性も確かにありますが、スペックについてネガティブな話ばかり記述している元記事を対象にしているから(WHOM)という可能性もあるため、前者だけに選択肢を絞り込んで人物像や思考態度を決めつけてしまうのは邪推です。

この邪推が発生する構造、先ほどと驚くほど同型ですよね。
「言葉の意味を計測するときに、誰に向けられた言葉かというWHOMの割り引き計算を怠るために選択肢が狭まり、WHOだけを推測してその人やその人の思考を決め込む邪推となってディスコミュニケーションにつながる。」

反発記事を邪推だと喝破したコメント筆者も邪推に陥ってしまっているし、コメントの邪推を追記で指摘した反発記事を書いた人自身も、その追記の中で次のように続けてしまっているのです。

私は文章に偶然や言い間違いというものはなくて、そこに駄々漏れになるものこそその人の思考だと思ってます。

うん。。。
ここ、超重要なポイントなので繰り返します。
ダダ漏れになるのは、たしかに「その人の思考」の可能性もあるけれど、「その人が想定している、言葉の受け手の思考」の可能性もある。後者のWHOMについては、二次的な推測計算が必要だから複雑になって面倒です。でも、それを考慮して注意してほしい、って反発記事のヒトは一行前に書いていたばかりなんですよね。。。

再掲。

スペックの話しかしてないのは私ではなく元増田さんであることは注意して欲しいです。

この鏡像的で絶望的なインターネット的ディスコミュニケーションの流れ、クソ面白くないっすか!!!????
ていうのを共感してほしくて書き始めた記事なのですが、めっちゃ長くなってしまってすみません。

まとめ

インターネット上の文章は、誰宛なのか不明な言葉が誰でも読める場所にごろごろとたくさん転がっています。その意味で、対象読者ではない人に誤配されることが多くあります(メディアの問題)。そのため、誰に向けられた言葉なのかというWHOMが不明瞭だったり(書き手の問題)、見落とされたり(読み手の問題)、という状況が多く存在します。そのせいで多くのディスコミュニケーションが起こっています。

個人的には、言葉が誰を対象にしているのか、そのWHOMを想像してみよう!っていう授業を学校国語でもっと丁寧に行うべきだと思うのですが、いかがでしょうか。

これ、たしか前にも似たようなこと書いたよなーと思ったら、ありました。下記記事で図解しています。
rlee1984.hatenablog.com

余談

なお、この記事の対象読者を限定したとすれば、それぞれに対して言いたいことは下記の通りです。

童貞男子;自分と相手をよく見て採るべき行動を考えよう。そのときに自信を持つことが大事!
元記事筆者;良い話をありがとう!もう少し対象読者の童貞男子のメンタリティを考慮すれば、より伝わったと思う。お幸せに!
反発記事筆者;良い指摘をありがとう!あと、言葉の背景事情を想像するオプションにWHOMを加えるようにしようぜ!
id:pero_pero;このブログのディズニー記事をスルーして中出し記事にブクマする安定の下ネタおじさん。そういうブクマの仕方、笑っちゃうんでちょっと勘弁してください;
id:mukudori69;フォローしました。
id:white_rose;ファンです。短いコメント欄では強い断定口調が好まれがちな中で、あくまで推測(邪推)であることを示す表現を使っていることに誠実さを感じました。
はてブクマカー;邪推ばっかしててホント最低だなと思って、見てます。特にサバカレーが最低だから、割と注目しています。

*1:それでも全員に伝わるわけではないし、でも俺は・・と反発する人も出るでしょうが

*2:不倫相手の男性を自宅に連れ込んでいるところを夫に目撃されたことで有名な日本の芸能人

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