日本人は英語が通じないことを恥だと考えます。通じなかった場合、まず考えるのは「練習が足りない」「俺の英語が通じないのは俺に責任がある」です。
しかし日本の外ではその反対です! 6月16日発売の新著「国連でも通じる世界の非ネイティブ英語術」では、世界の非ネイティブが、どうしてあの微妙な英語でも堂々としているのか、なぜ日本人を押しのけて、ひどい英語でも契約をゲットしてくるのかについて、現場でみた実例より、その真実をご紹介します。
「俺偉い」が生きる上での哲学
非ネイティブとはいっても、日本の外の人々は自分の英語が通じないとは思っていません。本当に思っていないのです。
なぜなら「俺偉い」が生きる上での哲学だからです。
彼らの思考回路は以下のようになっています。
- 疲れたら休むのは当たり前
- 有休は全部使うのが当たり前。なぜなら俺はレベルが高い
- 俺が有休を取ることを考慮していない会社と客が悪い
- 俺に仕事を手伝えという同僚はバカ。なぜなら俺はレベルが高すぎる
- 間違っても俺は悪くない。なぜなら俺はレベルが高く、人間はゴッドではないから間違える
- 間違えるのはツールを入れない会社が悪いゴッドの思し召しで間違いが起きる。だから俺は悪くない
- 俺がサボりたくなるような休息所を作るのが悪い
- 間違えるのは上司の指示が悪い。つまり上司がバカ
- 客はサービスしてやる人間だから客より俺が偉い
- 会社は利用する場所だから会社は金をたくさん払え
- 俺はレベルが高いから給料を交渉するのは当たり前
- このレベルの高い俺をクビにするということはその会社がバカ
こういうロジックで生きているので英語に関しての思考も以下のようになります。
「英語を勉強してやった俺は偉い→ネイティブは英語が外国語ではない→外国語ができる俺は超レベルが高い→超レベル高い俺の英語を理解しないはずがない→理解しないのはそいつがバカだから」
『英語発音矯正ブック』なんてない
そういうわけで、自分の英語が通じなかったからといって、 「俺の発音に問題があるんじゃないか」「文法が間違っているのかな」と真剣に悩む人はいません。
だからイタリアにもギリシャにもスペインにもトルコにも チュニジアにも『英語発音矯正ブック』なるものは本屋に並んでいません。だってそんなものを必要だとは思っていない からです。
英語を話している彼らの頭の中ではこういうメッセージが繰り返されています。
「貴様らイギリス人やアメリカ人のために英語を習ってやっている。そのほかに、わが国の素晴らしい言語を理解しないバカ外人のために英語を習ってやっている。はっきり言って、俺の国の言語のほうが歴史もあるしビューチュフル !!! そもそも、英語の語源はギリシャ語とかラテン語とかだしアラビア語だって入っている! こんなものは借り物言語にすぎない。 ! しかもアメリカなんて歴史が短い野蛮人国家で食い物といえばハンバーガーと揚げたイモしかない。イギリスといえば単なる盗人国家で、わが国の物も盗んでいってドヤ顔で展示しているが、自慢できるのはビートルズだけだ! 低文明国家のドンくさい田舎者言語を習ってやるのは、つまり、これは利便性のためだけであって、わかるように努力するのは聞いているほうだ !! わかったか !!」
イギリスにはこういう思考回路のEUの人々やロシアの人々やチュニジアやスーダンやエジプトやエリトリアやソマリアやパキスタンの人々がいます。 古代文明があったり、食事がイギリスよりも美味な国だと余計にそう思います。
英語は道具として使っているにすぎず、その人の知性や能力を示すものではないから、通じないのは理解しない相手が 悪いのです。
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6月16日発売「国連でも通じる 世界の非ネイティブ英語術」
目次:
1章 日本人よ、恐れることなかれ! 世界の英語はいい加減だ
・海外では間違いだらけの英語が当たり前
・ケース 1 英語が訛りすぎていて宿題の締切日がわからない
・ケース 2 英語がひどすぎてボスを激怒させた東アジア人研究者
・ケース 3 メールの返事は「DONE」だけ
・ケース 4 俺の英語が通じないのはあいつがバカだから
・ネイティブはめちゃくちゃな英語を気にしない
・英語圏は移民国が多いので、外国人英語が当たり前
・大航海時代から訛った英語に慣れているイギリス人
・EU 拡大で訛った英語への許容性がさらに高まるイギリス
2章 なぜ日本人ばかりが「英語弱者」なのか?
・なぜか日本人だけ英語がひどい
・英語を学ぶメリットをイメージできない人が多い
・内需が大きいので英語が必要なかった
・生活がかかっていれば英語が身につく
・国がひっくり返る可能性が低い
・日本は植民地になったことがない
・翻訳が充実している
・英語教育がおかしかった
・海外の語学授業は超実用的で現実主義
3章 英語よりも怖い、非ネイティブのツワモノたち
・海外で仕事するのに最も大事なのは英語力ではなかった
・ヨイショができれば仕事は99%終了
・海外のほうがヨイショは激しい
・非ネイティブのレジェンド:その1 ヨイショが生きがいのイタリア人エンリコたん
・非ネイティブのレジェンド:その2 気に入らない奴はボコるブラジル人ジョアンたん
・汚職国家出身者は手段を選ばない
・非ネイティブのレジェンド:その3 コピペは当たり前のインド系アミータたん
・非ネイティブのレジェンド:その4 ビジネスメールが叙情詩なギリシャ人シーザーたん
・非ネイティブのレジェンド:その5 常に「俺が一番」なドイツ人ヨハンたん
・非ネイティブのレジェンド:その6 すべて南米基準で考えるボリビア人エボたん 103
4章 9割の人に必要な英語はハイレベルなものじゃない
・英語で仕事=エリートは大間違い
・世界の90%は英語ネイティブではない
・英語がヘタクソでも世界で活躍する人々
・海外駐在員も英語がヘタ
・国連職員の英語もジャパニーズイングリッシュ
・「フツーのサラリーマン」に必要な英語とは?
5章 伝わる英語をマスターする13のコツ
1.結論から述べよ
2.曖昧さを回避せよ
3.繰り返し確認する、質問する
4.ゆっくり話す
5.空耳アワー式で覚えよ
6.キーになる単語だけ覚えておけばよい
7.英文学は時間の無駄
8.発音よりもリズムが大事
9.参考にすべき日本人有名人の英語
10. 大事なのは相手への思いやり
11. 相手のプライバシーを尊重しよう
12. 英語圏はローコンテクスト文化に属する
13.「意見」を伝えよう
6章 @May_Roma 流 場面別「とりあえずこれだけは押さえたい」英会話集
・ポイントさえ押さえればワンランク上の英語使いになる
・挨拶
・自己紹介
・依頼する
・断る
・お礼
・謝罪
・英語のメール
・会議の英語
・プレゼンテーション
・頭が良さそうに見えるしゃべり方
・英語でのヨイショの仕方
こんなに違うアメリカとイギリスの英語