政府は7日の閣議で、安倍晋三首相が5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で各国首脳に配った討議資料の作成過程について「今後の事務の適正な遂行に支障を及ぼす恐れなどがあることから差し控えたい」とする答弁書を決定した。民進党の長妻昭衆院議員の質問主意書に答えた。
首相が配ったのは商品価格の下落などをリーマン・ショック時の指標と比べた資料。世界経済に下振れリスクがあるとの懸念を共有し、危機回避に向け政策総動員で臨む姿勢を首脳宣言に盛り込んだ。首相が「リーマン級の事態が起こらない限り実施」と説明していた2017年4月からの消費増税の延期に向けた布石になったとされる。政府の月例経済報告と異なる景気認識で、政府内でも波紋が広がった。