これからの日本の起業で成功するための、たった4つの原則とは?
大阪市議会議員で、起業支援コンサルタントとしても活動する市位謙太氏をゲストに迎えて放送するカリスマホスト信長氏の「晴れ時々、モテラジオ」。今回のテーマは、市位氏の専門分野・起業。「日本での起業ってどうなんですか?」という質問に、現状分析を加えながら回答していきます。アメリカなどの海外と比べると、まだまだ日本の労働環境は固定的。ただ、以前に比べると自由なかたちで働く人が増えていることも事実です。インターネットやITが既存のビジネスを大きく変化させていっています。そして「今、起業するとしたらどんな業種がよいのか?」という気になる質問には、「4つの原則」を意識して選ぶとよいと教えてくれました。
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何でもモテ!ちゃんねる 2016年5月18日のログ
- スピーカー
- 新宿歌舞伎町カリスマホスト 信長 氏
大阪市会議員(淀川区選出) 市位謙太 氏
誰もが“スタバ”で仕事ができる社会に
信長氏(以下、信長) 次の質問です。 「日本の起業って、どうなんでしょうか。現状を聞かせてください」 これはまさに市位さんのご専門のところだと思うのですが、日本の起業ってどうなんですか? あまりよくないとも聞くのですが。アメリカに比べてどうなんですか、実際には。 市位謙太氏(以下、市位) ぼくもいろいろな経営者の方々とか、起業に関心を持ってこれから起業しようとしている方々と触れ合う機会がすごく多いのですが、信長さんは『フリーエージェント社会の到来』というダニエル・ピンクの本を知っていますか?
信長 わかります。流行りましたよね。 市位 あの本によると、アメリカでは労働人口の4分の1、約25パーセントの方々がフリーエージェントというかたちで今も働かれていると書かれているんです。 フリーエージェントとは何かというと、主に自宅でパソコンを使ってビジネスをされている方です。 信長 25パーセント。多いですよね。これを見たとき、ちょっと現実感が湧かなかったのですが、日本もそうなるんですかね。 市位 アメリカは日本の10年先を行っていると言われていますので、日本も、未来を想像するとそういうふうに近づいていくのではないかと思います。 信長 日本もなるんだ。 市位 信長さんの周りでも、会社を辞められて自宅でITビジネスをしている方とか増えていません? 信長 メチャメチャ増えましたね。10年前に比べたら、ぜんぜん増えましたね。15年前からしたら、本当にうそみたいに増えたし。やはりインターネットの影響はでかいですよね。 市位 そうなんです。インターネットの影響ももちろんありますし、昔みたいに固定費をかけなくてもできちゃうじゃないですか。例えば、スターバックスとか、ああいったところでずっと仕事ができますよね。インターネットが繋がっていますし。事務所を持たなくてもいいし、もはやスタバなどを見ていると不動産ビジネスみたいですものね。 信長 (笑)。そうですね。そっちの側面が強いですね。なるほど。日本もそうなるんですね。既存のビジネスが生まれ変わる
市位 そういうかたちになっていくと思います。インターネットとかITなどのパワーを借りて、インターネットやITがイノベーションを起こして、既存のビジネスが新しいビジネスに生まれ変わったりすることがあります。 例えばこの前大阪で、外国人宿泊施設条例みたいなものが作られました。いま、Airbnbとか、いわゆる民泊みたいなのがすごく流行っていますよね。ふつうの方々がふつうのマンションで民泊を始めると。こういうのは、インターネットがないとできませんよね。 信長 Airbnbは、周りの知り合いもすごくやっていますよ。 市位 そうなんです。このように、個人の方々も気軽にビジネスができる社会に、どんどんなっているんですよ。 信長 なるほど。足音はもうそこまで来ていますね。 市位 来ています。会社員だけではなく、副業でされているというのも非常に気軽にできるようになってきましたよね。そういった社会になっていくんじゃないかなと思います。 信長 ぼくも始めようかなと思っていますからね。あまり大きな声では言えないけど、こっそりと。 市位 Airbnbは、やはり法規制の問題だとかいろいろあるので。この前、大阪市では条例が可決して10月から施行予定ですが、「社会状況などを見てやるかどうかを決めます」というのが今の大阪の状況です。もしやるとしたら、信長さんもぜひ大阪に来て、ビジネスをどんどんやっていただきたいと思います。 信長 やりたーい! やりたーい! 市位 いろいろな地方公共団体とか自治体とかでも、少しずつ企業支援の取り組みが進んでいます。ぼくがいる大阪だと、ナレッジサロンだとかイノベーションハブというものがあったり。自治体が官民連携を含めて主導していろいろやっていて、とくに福岡市はスタートアップカフェというのがあって、ここはすごく人気があるんです。こういうところをぜひ見に行ってください。かなり熱いですよ。 信長 「熱い」というのはどういう感じなのですか。情報交換とか。 市位 そうなんですよ。「起業を福岡でするのはウェルカム!」という雰囲気が街中にあふれていています。 信長 一昔前では考えられないですよね。日本は起業しづらい国ナンバーワン、みたいなことをよく言われましたからね。
これからの起業、気を付けるべき4つの原則
信長 今、起業するとしたらどんな業種がいいですか? 市位 1つが、先ほど言った固定費がかからないビジネスがいいですね。人件費とか不動産といったものがかからないものです。あとは、月額定額でお金が入ってくるような、定額課金型のビジネスモデルっていいよねと言われています。 信長 なるほど、なるほど。 市位 大資本も要らなくなってきましたよね。スタートアップするときに、例えば昔だったら、株式会社を作るのに1,000万円必要でしたけど、今はそんな大金は要らないじゃないですか。本当にチャレンジ精神と知恵とチャンスがあれば、どんどんできるので、そういうふうにやっていけばいい。 あと、利益率の高いビジネスですね。例えば売上が1,000万円上がったのに、利益率が低くてぜんぜん残らなかったら意味がないということになります。 こういった4点を意識してやっていただいたらいいのかなと思います。 信長 ということは、Airbnbなどはかなりいいということですね。 市位 そうです。この4つに当てはまりますよね。 信長 今、言った原則が当てはまるものがいいのではないかということですね。 市位 例えば、身近で言うと、ぼくはマッサージが好きなんです。よく肩が凝るので。そのマッサージでも、駅前にドンと固定費をかけて構えるのではなく、出張してもできるじゃないですか。だから、工夫して考えていくと、かなりお金が回っていくビジネスが作れます。 信長 例えば、美容師の派遣などもありますね。なるほどですね。
変えていくべきなのは、日本の文化
市位 あと、これだけ言っておきたいのですが、先ほど信長さんは「まだまだ日本って起業しにくいよね」みたいなことを言っていましたよね。これは、やはりアメリカと比べると本当にチャレンジしにくいのです。 アメリカって、チャレンジすることにすごく重きを置いていて、たとえ失敗したとしても、チャレンジしたことをすごく尊ぶんですよ。でも日本って、チャレンジして仮に失敗したら、「ホラ見たことかい」「アイツ言わんこっちゃない」みたいな、ちょっと後ろ指差すような文化があります。これはちょっと変えていかないといけないと思うのが1点。あと、出る杭を打つ文化なんですね。人と違うことをやっていこうと思ったら、やはり出る杭は打たれるので、こういうところのマインドを変えていかないといけない。 信長 これは、なかなか大変ですね。 市位 そうなんです。 信長 日本で昔から続く村社会というか、そこを変えようというのは、相当インパクトを与えないと。ハードルが高い。 これはやはり地道な活動ですか? 市位 もちろん。それは行政がやらなければいけない部分だとか、政治の役割というのはとても大きいと思いますよ。
※続きは近日公開