統合失調症などの精神障害を一つの種類の薬剤で治療することを推奨するガイドラインを普及させようと、大阪大などのチームは7日までに、全国規模で精神科医を対象とした講習を始めると発表した。
チームによると、大阪大を含め北海道大や東京大、信州大、九州大など計21の精神科医療施設が参加を予定しているという。
統合失調症やうつ病の治療法は医師によってばらつきが大きい。日本では複数の薬剤を用いる多剤併用率が比較的高いとのデータがある。
こうした中、効果が見込める薬剤を単独で使用する単剤治療の必要性が指摘されており、大阪大などのチームは講習を通じて単剤治療率の向上を目指す。ガイドラインは日本神経精神薬理学会の統合失調症の薬物治療に関するものと、日本うつ病学会の大うつ病性障害・双極性障害の治療に関するものを普及させる。
大阪大の橋本亮太准教授(精神医学)は「薬剤治療に関する研究は進んでいるが、現場の医師の知識が更新されていなかったり、効果が実証されていない薬剤を使ったりするケースもある。適切な治療法を普及させたい」と話している。〔共同〕