北村紗衣

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北村紗衣（きたむらさえ）
人物情報
生誕	北海道士別市
居住	日本イギリス
出身校	東京大学教養学部卒業東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学キングズ・カレッジ・ロンドン博士課程修了
学問
研究分野	文学
研究機関	武蔵大学
プロジェクト:人物伝
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北村紗衣（きたむらさえ）は、日本の文学者（英文学・舞台芸術史・シェイクスピア・書物史）。学位はDoctor of Philosophy（キングズ・カレッジ・ロンドン・2013年）。武蔵大学人文学部専任講師。

来歴[編集]

生い立ち[編集]

北海道士別市出身^[1]。上京して東京大学に進学し、教養学部の超域文化科学科にて表象文化論を学んだ^[1]。2006年3月、東京大学を卒業した^[1]。卒業後はそのまま東京大学の大学院に進学し、総合文化研究科の超域文化科学専攻にて引き続き表象文化論を学んだ^[1]^[2]。2008年3月、東京大学大学院の修士課程を修了した^[1]^[2]。それにともない、修士（学術）の学位を取得した。同年4月からは、日本学術振興会の特別研究員として、東京大学大学院の博士課程に進学した^[1]。しかし、2009年 10月に日本学術振興会の特別研究員を辞退するとともに、東京大学の大学院を休学した^[1]。そのままイギリスに渡り、ロンドン大学を構成するカレッジの一つであるキングズ・カレッジ・ロンドンに進学し、英文学科にて学んだ^[1]^[2]。しかし、初めての国外生活であり、英語でまとまった文書を書いた経験も浅かったことから、Master of Philosophyへの進級試験に失敗している^[1]。その後、一念発起し、再試験に合格し、進級を果たした^[1]。2013年10月、キングズ・カレッジ・ロンドンの博士課程を修了し、Doctor of Philosophyの学位を取得した^[1]^[2]。ただし、博士論文自体は2013年4月の時点で既に提出していたため、同月には日本に帰国していた^[1]。なお、東京大学の大学院は、2012年9月付で退学している^[1]。

研究者として[編集]

日本に帰国後は、2013年4月より雄松堂書店のワールド・アンティーク・ブック・プラザにて、契約社員として勤務した^[1]。また、それと並行して、同月より母校である東京大学にて、教養学部の講師を非常勤で兼任した^[1]。2013年10月からは、同様に慶應義塾大学において、文学部の講師を非常勤で兼任した^[1]。2014年2月に雄松堂書店を退職した^[1]。同年4月、武蔵大学に採用され、人文学部の専任講師に就任した^[1]。人文学部においては、主として英語英米文化学科の講義を担当した^[2]。

研究[編集]

専門は文学や舞台芸術であり、英文学、舞台芸術史、シェイクスピア、書物史といった分野の研究に従事している^[2]。特にウィリアム・シェイクスピアの戯曲について研究しており、英文学者の河合祥一郎と小林章夫が編纂した『シェイクスピア・ハンドブック』においては、シェイクスピアの悲劇や問題劇についての解説を執筆した^[3]^[4]。さらに、哲学者のカール・ミッチャムが編纂した百科事典や^[5]^[6]、ジェニー・ウァーモールドらによる歴史書において^[7]^[8]、翻訳を手掛けている。そのほかにも学術的な論文や学会発表などを行っているが^[2]、いわゆる投稿論文だけにとどまらず招待論文なども著している。招待扱いの一例としては、表象文化論学会の研究集会において指名を受け^[9]、人工知能やジェンダーについて発表している^[10]。同様に、人文会においては、特別に招待を受け^[11]、17世紀から18世紀におけるシェイクスピアのファンダムについて発表している^[12]。なお、活躍の場は学術誌や学術集会だけにとどまらず、一般誌など多様な媒体にも広く寄稿している。たとえば、青土社が発行している、芸術など扱う総合誌『ユリイカ』においても、シェイクスピアのキャラクターとファンダムについて、その歴史を論じている^[13]。さらに、サイゾーが運営するウェブサイト「messy」においては、『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』と題した連載を手掛けており、舞台演劇、映画、テレビドラマ、小説などをフェミニズムの視点から考察し^[14]、その問題点などを論じている。

また、2012年4月より個人出版者として「電子書肆さえ房」を起ち上げており^[2]、ISBNの登録もした^[15]。

学術団体としては、日本英文学会、新英米文学会、表象文化論学会、日本シェイクスピア協会、日本科学史学会、アメリカシェイクスピア学会などに所属している^[2]。

略歴[編集]

2006年 - 東京大学教養学部卒業。
2008年 - 東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。
2008年 - 日本学術振興会特別研究員。
2012年 - 東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学。
2013年 - 雄松堂書店入社。
2013年 - 雄松堂書店ワールド・アンティーク・ブック・プラザ配属。
2013年 - 東京大学教養学部講師。
2013年 - キングズ・カレッジ・ロンドン博士課程修了。
2013年 - 慶應義塾大学文学部講師。
2014年 - 雄松堂書店退職。
2014年 - 武蔵大学人文学部専任講師。

著作[編集]

分担執筆[編集]

河合祥一郎・小林章夫編『シェイクスピア・ハンドブック』内解説文「悲劇」及び「問題劇」三省堂書店、2010年。ISBN 9784385410647
Queer Crossings -- Theories, Bodies, Texts, Silvia Antosa (ed.) 内 ‘Queens, Girls and Freaks: Men in Women’s Clothes and Female Audiences in Japanese Cross-Dressing Productions of As You Like It and Hedwig and the Angry Inch’, (pp. 161-78), Mimesis, 2012. ISBN 9788857509396
TEN-BOOKS編『いま、世界で読まれている105冊』2013年版内のキャトリン・モラン（英語版）『女になる方法』書評(pp. 108-09)、テン・ブックス、2013年。ISBN 9784886960306
Explorations in World Literature, from Ancient to Contemporary, George Poulos and Stavroula Varella (ed.), Atiner, 2013 内の'"Cleopatra Literature" in Renaissance England: Shakespeare's Cleopatra and her Sisters' (pp. 53-63)

分担翻訳[編集]

Carl Mitcham編、科学・技術・倫理百科事典翻訳編集委員会監訳『科学・技術・倫理百科事典』1巻「科学、技術と文学」の項目、丸善、2012年。
鶴島博和日本語版監修『オックスフォードブリテン諸島の歴史』7巻第6章、慶應義塾大学出版会、2015年。ISBN 9784766416473

脚注[編集]

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^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j ^k ^l ^m ⁿ ^o ^p ^q ^r 北村紗衣「橋から飛び降りる前後に考えたこと」『公益財団法人吉田育英会』吉田育英会、2014年10月8日。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ 『北村　紗衣（キタムラ　サエ）｜研究者情報』武蔵大学。2015年10月15日閲覧
^ 河合祥一郎・小林章夫編『シェイクスピア・ハンドブック』三省堂書店、2010年。
^ 「基本情報」『北村　紗衣（キタムラ　サエ）｜著書』武蔵大学。
^ Carl Mitcham編、科学・技術・倫理百科事典翻訳編集委員会監訳『科学・技術・倫理百科事典』1巻、丸善、2012年。
^ 「基本情報」『北村　紗衣（キタムラ　サエ）｜著書』武蔵大学。
^ 鶴島博和日本語版監修『オックスフォードブリテン諸島の歴史』7巻、慶應義塾大学出版会、2015年。
^ 「基本情報」『北村　紗衣（キタムラ　サエ）｜著書』武蔵大学。
^ 「会議種別」『北村　紗衣（キタムラ　サエ）｜講演・口頭発表等』武蔵大学。
^ 「人工知能とジェンダー」2014年。
^ 「会議種別」『北村　紗衣（キタムラ　サエ）｜講演・口頭発表等』武蔵大学。
^ 北村紗衣「流通するシェイクスピア――メディアの境界を越える17‐18世紀イギリスの女性ファン」2013年。
^ 北村紗衣「みんなのシェイクスピア、シェイクスピアのみんな――キャラクターとファンダムの歴史」『ユリイカ』47巻5号、青土社、2015年4月、175-182頁。
^ 北村紗衣「キレイが人生の邪魔をする?〜ニューオーリンズの無名の聖女の物語『愛する勇気』」『キレイが人生の邪魔をする？～ニューオーリンズの無名の聖女の物語『愛する勇気』 - messy｜メッシー』サイゾー、2015年10月10日。
^ 「電子書肆さえ房」『電子書肆　さえ房』電子書肆さえ房。