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<学生通行禁止>東北福祉大 調停申し立て

「学生通行禁止」の看板が複数置かれている住宅街

 東北福祉大国見キャンパス(仙台市青葉区)周辺に「学生通行禁止」と書かれた看板が複数置かれている問題で、同大が看板を設置した住民8人に、新ルートを通学路として認めるよう求める民事調停を仙台簡裁に申し立てたことが6日、分かった。第1回調停は7日に開かれる。
 申立書によると、同大は2007年3月、JR仙山線福祉大前駅の開業に合わせ、駅前にステーションキャンパスを整備。敷地内に大学への近道となる通路を設け、学生は同駅と約300メートル離れた国見キャンパスを結ぶ最短ルートとして利用してきた。
 最短ルート沿いの住民が08年4月、「学生の騒ぎ声がうるさい」などとして私道の通行禁止を求める仮処分を仙台地裁に申請。翌月、(1)講義のある日は最短ルート入り口に職員を配置し、学生を市道に誘導する(2)住民の生活を妨げないよう学生を指導する−ことなどで和解が成立した。
 同大は和解以降、学生に無制限に私道を通行させず市道へと誘導してきたほか、市道に集中した学生が道路からあふれて危険な状況にあると主張。最短ルート沿いの住宅を避けて整備した新ルートを、通学路として認めるよう求めている。
 和解後、大学の指導などで一時、1日3000人を数えた学生の通行量は激減した。だが、一部の住民が09年9月、「騒音はある程度改善したが安心できない」などと学生通行禁止の立て看板を設置。学生の通行に反対する住民宅にも看板が掲げられた。
 看板を設置した男性(60)は「過去の和解内容を変える必要はない。静かな生活を乱さないでほしいと、大学側に改めて要求したい」と話した。


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2016年06月07日火曜日

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