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ジェンツなショーツの着こなし方――祐真朋樹のファッション手帖

ショーツをはいて、暮れなずむ街へ出掛ける。でも足元はレザーシューズやドレスホースでジェンツにキメて。大胆な花を用意したのは、真夏の夜のサプライズ!

Photos: Yoshiyuki Nagatomo @ aosora Text & Styling: Tomoki Sukezane
Hair & Make-up: Tomita Sato Illustration: Stéphane Manel

ショーツのスーティングでエクストリームな夜のお出かけ。

「モードな女はモテない」。先日、僕がゲストで出たトークショーで、ホスト役の某女性誌編集長がそう言った。そのトークショーを聴きにきているのは、彼女が編集長を務める雑誌の愛読者、そして会場となったセレクトショップの顧客で、ほぼ全員が女性である。僕は咄嗟に「でも僕はお洒落に興味のある女性が好きだな〜」とかなんとか返したが、今考えれば、「でもモードな男はもっとモテない」と返すべきであった。

モテるためにお洒落をするという意識は、そもそもファッション好きな男女にはない感覚だと思う。それ以前に、「着たい服が着たい」という感情が先立つ。自己満足ファースト、である。それに、どんな男が実際に「モテる」のかと考えてみれば、美しいとかお洒落だとか、そういうのはサブな要因なんじゃないだろうか。一緒にいる相手にサラリと気遣いができ、愉しませて笑わせる。またぜひ会いたいと思うようなキャラ。それがあって、なおかつ美しかったりお洒落だったりするのなら、それは鬼に金棒だ。でももしそれが逆だったら? 単に「見かけ倒し」の「つまんない男」で終わりだろう。お洒落なファッション雑誌を参考にバッチリ最新モードに身を包み、モデルの如く街角にたたずめばモテるなんてことはまずない。結局、「モテる」ための早道はないのである。僕が「モードな男はもっとモテない」と返せばよかったと思ったのは、つまり「モードばっかり考えてるような男は最悪にモテないよ」と思っているからである。だからといって、「格好よりも内面を磨け」とは仕事柄言いたくない。「格好と内面、同時進行で磨け」である。「秋冬ものは何買おうかな」と考えるなら、同時にギャグの一発も考えろ、とアドバイスしたいのだ。

さて、今回はショーツのスーティングで街へ出ようという提案である。いくらなんでも半袖のテーラードジャケットは難しすぎるが、でもボトムがショーツというのなら全然「あり」である。圧倒的に涼しいし、それに膝を出して歩くだけで、なんだかひどく自由な気持ちになれる。手に持つべきは、素敵な花。夕暮れどき、待ち合わせ場所に現れる彼女はきっと喜んでくれるはずだ。ディナーのテーブルに置いて眺めるもよし。彼女に渡してウザいと思われるのもまたよし。花が話の端緒となれば、それですべてよし、なのである。

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