クローズアップ現代

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No.38152016年6月2日(木)放送
“奨学金破産”の衝撃 若者が… 家族が…

“奨学金破産”の衝撃 若者が… 家族が…

“奨学金破産”どう防ぐのか?

奨学金が重荷のようになってしまっている現状をどう見るか?

小林さん:これは日本だけじゃなく、国際的に大きな問題になってるんですよ。
というのは、こういうふうに返済が大変になってくると、借りないっていう人も出てくるんですね。
ところが、もともと学費がないので借りたいわけですから、それが借りられないということは、非常に大きな問題なんですね。

視聴者からもいろんな意見、反響がとても多くあり、中には“本当に学びたい人だけが大学に行けばいいんじゃない”という率直な声もあるが?

尾木さん:これは本当に学びたい、昔の僕らのころと比較すると今の学生は全然違うんです。
すごく学んでいるし、一生懸命バイトもしてるし、そのバイトのしかたが、遊ぶお金のバイトではないんですよ。
生活費のバイトなんです。
1日当たり、学生平均850円しか使ってないんです、食費から全部入れて。
だから朝ごはんなんか抜いちゃうから、法政大学もそうですけど、100円朝食というサービスを、340円かかってても全部学生に与えて、それで健康とかやってるんです。

この試算をぜひということですが、日本財団によるデータで、大学に行きたい、進学したい人が増えると?

尾木さん:実は2.9兆円もの税収に入ってくる、税収というか、経済効果があるということなんですよね。
それからそうなってくると、今度は具体的に社会保障などの支出が減ってくるわけです。
ですから1.1兆円、トータル4兆円の経済効果があるということがもう出てる。
社会全体のところを見ないとだめだと思いますね。

給付型の奨学金については、全国で署名活動も広がり、303万もの“ぜひこれを進めましょう”という声が集まっているそうだが、進める課題は何があるのか?

小林さん:給付型というのは、渡しきりになりますので、公平感が一番問題です。
ですから、皆さんが納得して、これなら奨学金を出してもいいと、そういうふうな形にもってくということが、これから一番大きな課題になると思います。

そもそも奨学金は誰のための、何のためのものなのかということに、もう一回立ち返り、この入り口から歩みを進めていくということになる?

小林さん:日本全体の課題だと思います。

(しかも、それは未来への投資で)

尾木さん:未来への投資ですね。

今回のグラレコ

番組の内容を、「スケッチ・ノーティング」という会議などの内容をリアルタイムで可視化する手法を活かしてグラフィックにしたものです。

質問
コーナー

Q1

返済しないものができるとありがたいのですが、そうなるためにはどれくらいの予算が必要なのでしょうか。

文部科学省が、奨学金に関する有識者会議で示したシミュレーションによりますと、年収300万円以下で、成績の最上位層に限った場合、約380億円かかると言います。給付型奨学金については、6月2日に閣議決定された一億総活躍プランの中で「創設に向けて検討」という文言が盛り込まれました。
Q2

給与に応じた返還額の変動などがあればいいのですが…。

来年度から新たに「所得連動型奨学金」が始まります。これは、個人の年収に応じて返済額が決まるという仕組みです。たとえば300万円の年収のときは毎月8500円、400万円になった場合、13100円の支払いとなっていきます。ただし、適用されるのは、無利子の奨学金のみで、有利子の奨学金については、現状通りとなります。有利子奨学金についても適用できないか、現在、有識者会議で検討が行われています。

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