No.38152016年6月2日(木)放送
“奨学金破産”の衝撃 若者が… 家族が…
“奨学金破産”家族にも連鎖
連帯保証人となっている親や親戚が奨学金を払えないと、破産が連鎖する可能性もあります。
大阪に住む62歳の吉男さんです。
子ども4人を育て上げた吉男さん。
離婚し、現在は1人で暮らしています。
老後の暮らしに備えようと中古のマンションをローンで購入した直後、奨学金の督促状が届きました。
吉男さん(仮名)
「もうこんな金額だったら分割しても無理だと思いました。」
次男が850万円の奨学金を返済できず、自己破産。
連帯保証人だった吉男さんに一括請求されたのです。
吉男さん(仮名)
「(次男は)自分が返すからと言っていた。
本人が返すつもりだと思っているから、気にしてなかった。」
家計に余裕がなかった次男は、奨学金を借りて大学院に進学しました。
非正規のカウンセラーとして働いていましたが、収入が少なく多額の奨学金を払えなかったと言います。
しかし、吉男さん自身も奨学金を一括で返せる余裕はありません。
マンションのローンを抱えている吉男さんは、民事再生という方法で奨学金を200万ほどに減額し分割で払うことにしました。
吉男さん(仮名)
「払うのが大きいから、みんな払えと言われても金ないものは払えない。
そんな返せないような金を貸すのが間違っていると思う。」
払えなかった残りの600万円は、保証人となっている別れた妻の元に請求が行きます。
専業主婦の妻には自己破産しか道はありません。
親に迷惑をかけたくないと借りたはずの奨学金。
しかし、老後を迎えた親を苦しめる結果を招いてしまったのです。