“奨学金破産”の衝撃 若者が… 家族が…
奨学金 急増する滞納
132万人の学生に1兆円以上の奨学金を貸し付けている日本学生支援機構です。
ここ数年、回収の強化に力を入れてきました。
「返済をしないということであれば、今の状態ですと延滞金がついちゃっている。」
「5月末に個人信用情報の登録予定者に上がってきているので。」
滞納している人への督促の仕組みです。
返済予定日を過ぎると、5%の延滞金が上乗せされます。
延滞が3か月続くと、個人信用情報機関に登録。
一定期間、クレジットカードの使用が制限されます。
それでも返済できずにいると、債権を回収する専門の会社が督促に乗り出します。
会社に直接電話をかけたり自宅を訪問することもあります。
最終的には裁判所から一括返済を求める督促通知が届くことになります。
裁判所から督促を求められたケースは、年間で8,400件ほど。
この10年で40倍に増えています。
一括で支払いできない場合、自己破産しか選択肢がないという人も少なくありません。
社会問題となっている奨学金破産。
本人が破産してもそれで終わりではありません。
愛知県に住む20代の恵理さんです。
正社員の仕事を4年間続けてきましたが、去年(2015年)失業し奨学金を返せなくなりました。
今、自己破産を申請しています。
恵理さんが借りた奨学金は476万円。
残っているのは、407万円です。
自己破産をすれば恵理さんの返済は免除されます。
しかし…。
奨学金を借りるとき、恵理さんは父親を連帯保証人にしていました。
恵理さんが自己破産すれば父親が奨学金を返さなくてはならないのです。
「奨学金どうなった。」
恵理さん(仮名)
「お父さんの方に渡ったんですけど、結構、痛手です。」
「そりゃきついよね。」
突然、407万円の奨学金を背負うことになった60代の父親。
毎月2万2,000円ずつ15年かけて返済しなければなりません。
恵理さん(仮名)
「自己破産したら結構いろいろ迷惑かかるのが分かっているから、親に相談するの悩んだし、奨学金がお父さんの方にいったと考えると共倒れになるのが見えそうで怖いというのはあります。」