神様、仏様、MONACA様
終演後、帰りの電車内でそんな言葉が浮かんだ。
これが、当代きっての音楽クリエイター集団の真骨頂、しかも彼らの業績のほんの一部。
そんなイベントが、MONACAの作曲家の方々と、4つのアイドルコンテンツ(ただし二次元。だがそんなことはこのイベントとMONACAの価値を少しも損なわない)、それに生演奏のバンドで展開された。
MONACAの歩みと偉業についてはここで語りきれるものではないが、我々にとってはクリエイターとか天才とかの域を超えた、ある意味神に等しき存在。
そんな「神々」と同じ場に居られた記憶は書かずにはいられない。
開演予定時刻を過ぎて場内が暗転し、スクリーンに映し出されるのは本日出演の7人の作曲家―岡部啓一さん、神前暁さん、高田龍一さん、帆足圭吾さん、田中秀和さん、石濱翔さん、広川啓一さん、高橋邦幸さん
のポートレート。
もうこの時点で普通のライブ同様に叫び声と歓声があがり、
観客席のMONACAへの熱い思いが開放されている。
1曲目はアイドルマスター765ALLSTARSより「READY‼」(作曲:神前/沼倉・長谷川・下田・原 以下カッコ内に作曲者名もしくは歌い手)
今回の4グループのいわば筆頭格にして、MONACAと共に大きくなってきたコンテンツ、それもエポックメイキング役となったアニメOPで、まずは一気に場内がライブモードに染まる。
2番手はWake Up Girlsの「7 Girls War」(神前/Wake up Girls!)で、今度は客席が一斉に緑色に染まり、アイマスに負けず劣らない歓声で、
昨年の劇場版からも精力的にイベントを重ねて大きくなった7人の雄姿を焼き付けた。
続くは昨年のアニメ化で一気に765ASに肩を並べんばかりに飛躍した、
アイドルマスター・シンデレラガールズ(デレマス)より「Star‼」(田中/青木・原・五十嵐)。
こちらも記念すべきアニメ1stOPにして今やゲームのデレステで何度も聴きなれたナンバーだが、エレキや が新鮮だ。
そしてアイカツ!からは「アイドル活動!」(田中)にのせて「STAR☆ANIS」と「AIKATSU☆STARS!」が登場。
スパンコールやビロードを多用した、ゲームそのままのきらびやかな衣装で舞台に華を添え、
いかにもアイドルなキュートな振り付けも我々のテンションにさらに火を付ける。
そしてこの4曲、どれもそのコンテンツを象徴するナンバーだけど、
神前さんと田中さんで曲を分け合っていることにこのお2人、特に田中さんの偉大さにひれ伏す。
ほどよくどころではなく会場のテンションが上がりまくったところで、
壇上に岡部さんが現れ、MONACAフェスの開会を宣言し、
このイベントの真の主役のクリエイターたちが舞台上にそろう。
もうこの時点で割れんばかりの大歓声。
田中さんに至ってはファンが団扇まで掲げるほどのアイドル的声援を受けていた。
これが神への貢物(?)か。
そして生バンドということで、司会の吉田尚記アナから、
「劇伴も生演奏します」とアナウンス!
そうかそうきたか。確かにMONACAの功績は劇伴もあるし、
出演者の中でも岡部さんや高田さんはそちら(BGM)で活躍してるイメージが。
で、会場(大宮ソニックシティ)が小ぶりなもんだから、
客席側の歓声の密度が高い。空気が濃い。
始終こんな感じの熱気だったのでステージ上の皆さんも圧倒されていたようだが、
それでもこの場を思い思いに楽しんでくださいメッセージを我々に送り、いよいよ各コンテンツごとのパートが始まる。
●アイカツ!
といっても最初に流れるのは曲ではなく劇伴。アイカツ!の場合は広川さんの作でしたが。
が、そんなことは気にせず、吉田さんがMCで振った通りにサイリウムを振る訓練された「アイカツおじさん」たち。
1曲目「START DUSH SANSATION」(石濱/はるか・みき・もな)で、結構振りが本格派というか、映像そのままのクオリティで目を瞠る。
2曲目の「Precious」(帆足/りすこ)は本来ユニット曲ながらソロ曲。ここで歌ったりすこさん、一声目で明らかにうまいとわかる。透き通った声色ながらも遠くまで聞こえる力強さで場内を魅了した。
続く「硝子ドール」(帆足/れみ)で空気は一転、女児向けアイドルアニメらしからぬハードなメタルなんだけど、客席のざわつき具合が半端なかった。
れみさんの紺色のゴシックなドレスもシャープな印象を与え、鋭利なとげのようなサウンドに似合ってた。
4曲目の「SHINING LINE」(石濱/)AIKATSU☆STARSか?ちょっと記憶不正確」はアニメ第2部後期OP、通しでいえば4代目のテーマ曲。こちらはオーソドックスなアイドル系ポップスだ。
クールダウンした2曲目の劇伴は確か石濱さん曲で、やや渋谷系風味でオシャレでした。
5、6曲目は「ラン・ラン・トゥ・ラン」(帆足)と「カレンダーガール」(田中)!まだ第1パート目にもかかわらずタオルパフォーマンスで客席のテンションを上げまくれば、
トリのカレンダーガールも初代ED曲でアイカツにとって欠くことのできないメモリアルナンバーだ。
特に「カレンダーガール」、その後の「ダイヤモンドハッピー」「KIRA☆POWER」にもつながるダンサブルでおシャレなチューンに、この場限りのブラスサウンドが心地よい。
ライブパートの余韻さめやらぬままクリエイターとシンガーのトークへ。
ここでの参加者は岡部さんと、帆足さん石濱さん。
トークの中で岡部さんは代表らしく、「クライアントからのオファー、イメージをもとに、クリエイターの得意分野に合わせて担当を振りわけ、曲をつくってもらっているいる」とのお言葉。
女の子向けの王道アイドルアニメであるアイカツ!なので、若手でしかもバンド系を得意とする帆足さん石濱さん広川さんの担当が多いとか。
その帆足さん、実はメタル好きな一面を持ってるとのことで、
アイドルらしからぬ「硝子ドール」については、作品に合わないんじゃないかと思いつつも楽しんでコンポーズしてらしたとか。自身もドラムをたしなむ石濱さんには、やはりアニメOP曲らしい、ポップなバンドナンバーが振られる傾向にあるようですね。
クリエイターと演者、それぞれが日々の想いをこめた等身大のアイドルソングーまさしく「アイカツらしさ」が垣間見えたトークシーンである。
●まさかの復活
さて次はなんだろう、とインストが始まって、ヒーリングな曲だなと思ってたら、
ステージ上にスタンバイしたのはセーラー服に法被羽織った人影。
!?
まさかのハナヤマタより、「花ハ踊レヤいろはにほ」(田中/沼倉・大坪・上田・田中・奥野)。
田中さんが作曲してたこと、
WUGのメンバーがちょろちょろ混じってたことくらいしか頭の片隅になかったので、全く予想してなかった。
というかそもそもあの出演者見ただけでサプライズゲストなんか出す余裕ないだろと思いますよええ。修業が足りんかった。。。
しかしこのサプライズはむしろ客席のテンションに油を注いでた。
約1年ぶりというフルメンバーでのステージ、何度も言いますが生バンド、演者もファンも興奮のるつぼに巻き込み、
そのまま「ヨロコビ・シンクロニシティ」(帆足)へとなだれ込み、高まりはとどまるところを知らない。
ハナヤマタを予想して鳴子(法被もいたかも)用意してた猛者の方々も居たしなんなんだ(ほめ言葉)。
サプライズゲストの大坪さんと上田さん。二人ともここではハナヤマタの多美となるになりきってましたねー。
大坪さんといえばシンデレラガールズの方でかな子を演じてるが、残念ながら彼女の「ショコラ・ティアラ」も「Happy×2 Days」もMONACA曲ではないので
出番はここまで。あとWUGでI-1のリーダー、岩崎志保役も大坪さんだけど、
こちらはソロ曲ないからなー。と思ったらそのI-1でサプライズきましたよ
高田さん・田中さん・帆足さん参加のトークの方は、
出だしから吉田さんの「サラリーマンの合コンに連れてこられた女子高生のよう」というツッコミに
客席大笑い、ステージ上は苦笑いする一幕も。
マジメにハナヤマタの方に話を移しまして、
フェスに備えて劇伴も歌もひそかにアレンジを加えていたとお三方の言。
クリエイターとしての創作欲求や遊び心が伝わるし、また帆足さんは「ヨロコビ・シンクロニシティ」のついでにゲームの方もちゃっかりPR。
個人的には眼鏡と制服で「READY!」のはじけた笑顔とはまるで別人の沼倉さんの変わり様に、さすがプロと舌を巻いてた。
次のパートに移りますが、途中で奥野さん、田中美海さんが先にハケたので誰が登場するかバレバレという(笑)
後編にいきます。