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魔拳のデイドリーマー 作者:和尚

第7章 王都大波乱滞在記

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第114話 『解析不能』

ほぼ一週間ぶり、しかもいつもと違う時間の更新になります、和尚です。
言い訳になってしまうんですが、書籍化とは関係ない所でリアルが忙しくて……目に見えて執筆速度が遅くなってます。すいません。

できるだけ早くもとの更新ペースに戻すつもりです。是が非でも。
感想も、今は時間ないですが、時間見つけてきちんと返すつもりです。どうかしばしご容赦を。

そして、今回で第7章はラストになります。第114話、どうぞ。
 

 さて、と、

 僕が病院を無事退院した、その数日後。
 僕を含む『邪香猫』メンバー合計6人は、再び王城の、今度は謁見の間に招かれ、王様の前に立っていた。

 用件はもちろんというか、王女様のピンチを救ったことに関してのご褒美だったんだけども、事件そのものがかなり有名になっているものであるため、こないだやったみたいなリラックス謁見ではだめだったらしい。

 正直とんでもなく緊張するし、こういう時のマナーとか知らないんだけども……昨日の夜徹夜でナナさんに教えてもらった基本的なことだけは頭の中に入ってる。

 加えて、僕だけでなくザヴァルさんも一緒に『褒められる側』にいるので、斜め前に立っているこの人のマネをして乗り切ろうと思います。ナナさんは僕より後ろにいるので。

 ところで、知れ渡ってるのは、王女様が狩りに出かけた際、イレギュラーな魔物に出くわして襲われ、そこに同行していた騎士団と冒険者が協力して撃退した、って内容。
 暗殺者集団のことに関しては、不思議なことに知られていなかった。

 ……が、よくよく考えてみれば、暗殺者連中に関しては何かやってくる前に僕らが全滅させており、被害が0である。
 騎士さん達の怪我とか、全部『ディアボロス』をはじめとした魔物軍団のせいだし。

 それに、王族や貴族ってのは、結構暗殺者とかならず者に狙われることも多い人種であることも手伝って、内々に情報を通しておくだけで、外部には秘匿されたそうだ。

 もっとも、こうして謁見の間に立って同席している方々は……その事実も多分知ってるくらいには偉い人達なんだろうけど。

 おそらくは『騎士団』の高官であろう、豪華な軍服を着た数人の人達や、軍服では無いけど豪華な服を着た、かなり偉そうな貴族さん達とかが同席している。

 珍しそうなものを見る目や、うさんくさ気な目、感心するような目など、視線は様々な種類あったけども。

 功績が功績だし、ひょっとしたらこの中の何人かは、僕らを私兵としてお抱えにしようと接触してくる可能性もあるのかな。断るけど。

 そしてそんな注目が集まる中、僕とザヴァルさんは、生命の危機から王女様を救った武勲を王様直々に褒められ、次いで褒美を取らす旨を告げられた。

 ザヴァルさんは勲章と、新しい領地を。
 どうも、こないだ処分されたあの『シルドル家』の持ってた領地のうち、現在ザヴァルさんが任されている領地に隣接した一部らしい。なるほど、有効利用といえる。

 そして僕ら。

 本来こういう場合、報奨金に加え、土地や領地、爵位なんかを貰うのがポピュラーらしいんだけども、貴族ではないので領地だの土地だの貰うわけにはいかないし、爵位なんて欲しくも無い。僕だけじゃなく、メンバー全員基本的にそうだ。
 そして、向こうさんもそれはわかっていたらしい。

 僕らへの褒美は、報奨金として金貨200枚と、『上級名誉騎士勲章』とかいう、一般人や冒険者でももらって問題ない『勲章』の2つ。

 勲章は、軍属の人しか使えない一部の施設が使用可能になるらしい。うん、普通にありがたい。

 ちなみに、金貨は僕ら全員に対しての報酬で、『勲章』は僕1人にだった。
 リーダーってことで代表したの授与っぽかったけど、1人持ってればその仲間全員に適用されるらしいから、別に問題ないか。

 そして貰っておいてなんだけども、僕は明日にも、この都を離れる予定だ。

 理由は簡単。用事がほぼ全部終わったからと、これ以上ここにいると、僕を召抱えようとする貴族達の干渉があると思われるから。

 一応、王様から『自由を好む彼の立場を尊重し、国として無理に軍属になるよう強いたりはしない』と公言してもらったものの、接触を図ってくる貴族はいくらでもいるだろう。

 強制せず、交渉で私的に雇えれば何も問題ないわけだし。

 幸い、健康診断を含め、全ての用事は終わっている。

 そのうちの1つに、ミュウちゃんの『ケルビム族』という種族に関する、国立研究機関『魔法院』の資料の閲覧があった。

 さかのぼること1ヶ月と少し。『チャウラ』でアクィラ姉さんと始めて会ったときに、姉さんがミュウちゃんに言った、僕と仲間になることによる彼女のメリット。

 それが、アクィラ姉さんの管轄化にある『魔法院』と『王立研究所』の資料を閲覧できるということだった。

 無論、関係者でもない僕らが見ても問題ない範囲での閲覧になる……というか、閲覧する書物は事前にアクィラ姉さんがそろえてくれていたものに限ったんだけども。

 それでも、『ネクロノミコン』にも書いていなかった、『ケルビム族』の種族としての特性なんかを記した資料がいくつかそこにはあって、勉強になった。

 数日前の晩にウェスカーからもらった資料もあわせて、ダブりを省いて整理してみても……だいぶ多くの情報を得ることが出来た。ミュウちゃんも満足げだ。

 対価としては、それを読み、ミュウちゃんの能力その他と照らし合わせた結果の考察を後で聞くから教えてほしい、ということだったんだけども、まあそのくらいなら問題ないだろうし、そのくらいの対価は支払って然るべきだろう。

 知識として『研究所』での研究に役立てるつもりなんだろうけど、それを読んでおかしな点とか、危険な部分、注意した方がいい部分があったら指摘してくれるそうなので、帰ってありがたい。

 ミュウちゃんにも了解を取って、後日レポート形式にでもして提出することにした。

 さて、そんな感じで、王都での予定ほぼ全て終わらせた僕らだけども……残っている予定が1つだけ。
 今からそれに行こうと思う。

 

 ……僕の兄弟達の、墓参りに。

 

 ☆☆☆

 
 王城から近いところにある、国営墓地。

 ドレーク兄さんに案内してもらって来たそこに、僕が生まれる前にすでに死んでしまっていた、僕の兄弟達の墓があった。

 この『ネスティア王国』は、『女楼蜘蛛』が拠点として活動していた国であり、その解散後も母さんはこの国を拠点にしていた。『洋館』と別な場所に居を構えて。

 そのせいかも知れないけど、母さんが生んだ子供達……『キャドリーユ家』は、そのほぼ全員がここ『ネスティア王国』で生活していた。
 少なくとも……今までに没している6人は、全員。

 身分も何も色々とバラバラな6人だけど、母さんの意向で、眠る場所は1つにまとめてあげたい、ということで……この国営墓地に墓があるんだそうだ。

 一区画丸まる借り切ってある『キャドリーユ家』の霊場は、現在、その一部だけが埋まっている。……これから死ぬ残り20人――あ、母さん本人を入れると21人か――の分も考えて、なんだろうか。このスペースは。

 質素でもないけど、豪華すぎもしない。1つの石から削りだされた墓石に、金細工とかで装飾が細かく施されている。そんなデザインの墓石が、ぽつぽつと置かれていた。

「……まあ、わかっちゃいたけど……どう反応していいのやら。あ、ごめん、不謹慎?」

「いや、無理もあるまい……会ったことが無いどころか、名前や、最近まで存在すら知らなかった兄弟だからな。まあ、自己紹介と挨拶くらいにしておけばいいだろう」

「そだね」

 一応、来る途中で買ってきた花をお供えして、合掌。
 もしかしたらこの世界のやり方は違うのかもしれない、ってその一瞬後で思ったけど、僕的にこっちの方が心がこもりそうなので、前世のやり方で失礼します。

 たっぷり10秒ほど、顔も見たことのない兄・姉たちの冥福を祈った後で……並んでいる墓標に記されている名前に、何の気なしに目を通す。

 まあ、名前見たってどうこうないだろうけど……

 
 『三男 ルイツ・リオラント』
 『三女 ファン・リーシェ』
 『六男 ジェイムズ・クローズ』
 『六女 エメト・ヴァル』
 『八男 ゴート・バース』
 『十一女 アリシア・ドローベルバート』
 『九男 ミシュゲイル・クルーガー』

 
 ……ん?

 あれ? おかしいな。

「……ドレーク兄さん?」

「何だ?」

「墓石……7つあるよ?」

 前に、『トロン』でブルース兄さんに聴いた話だと……キャドリーユ26人兄弟のうち、亡くなったのって6人じゃなかった?

 え、まさかこの短期間で1人死んだ? 聞いてないけど!?

 と、思ったら……どうやら兄さん、そういう質問が来ることはわかってたらしい。
 一番端っこにある墓石を指さす。

 そこに刻まれている名前は……『ミシュゲイル・クルーガー』。

「……この人が、何?」

「行方不明なのだ、ここ半世紀ほどな。兄弟の中には、死んだと思っている者も、生きていると思っている者もいる」

「へー……」

 聞けば、この『ミシュゲイル』なる兄さん――通称『ミシェル』だそうだ――が最後に目撃されたのは、『ネスティア』国内ではあるものの、当事紛争真っ只中だった地域。

 そこに、理由も不明のままふらりと行ったきり、ぱったりと消息が途絶えた。

 それなりに大きい規模の紛争だったらしいんだけど、その数ヶ月後、長引いてる戦いを早々に鎮圧させるってことで、アクィラ姉さんが駆り出されたらしい。

 そしたら、3日で敵軍が降伏したそうな。……姉さん何したんだ一体。

 そしてその後しばらく、泣きっ面に蜂とでも言うのか、その地域に伝染病が流行ったらしく……万単位の人がそれで亡くなったと。

 その前後において、行方不明者の1人として名前が挙がっていたのが、ミシェル兄さんらしいんだけど……ついぞ見つからなかったという。

 軍の行方不明者捜索部隊の人達は、戦いに巻き込まれて死んだか、その後伝染病で死んだかのどっちかだろう、って結論付けて、紛争集結から10年後、他の行方不明の人達と一緒に、戸籍上は死亡扱いになったらしい。

 が、どうやらドレーク兄さんは死んだとは思っていないらしい。
 聞く限り……アクィラ姉さんやブルース兄さんなんかも。

「……奴のことをよく知っている者なら、死んだなどとは思わんさ。殺しても死なんような男だ。戦争や伝染病ごときで死ぬなど、考えられんからな」

「へー……そんなに強かったの?」

「いや、強いというか……すまん、色々とあってな。説明しづらい」

 ……? 何でだろ?
 まあ、話したくないなら聞かないけども……今度ノエル姉さんにでも聞こうかな。

 ちょっと引っかかるものが残った墓参りを終えて、僕はドレーク兄さんに続いて、墓地から出て王城に戻ることにした。

 

 その帰り道、

「あ、そうだ兄さん……相談があるんだけど」

「? 何だ?」

「えっとさ……こないだの戦いで、僕の装備壊れちゃったんだけど……直してくれそうな鍛冶屋とか、心当たりない?」

 入院生活中もずっと頭から離れなかった、1つの、特大の懸念事項。

 『ディアボロス』との戦いで壊れた、僕の手甲と脚甲……アレの修理のめどが立たないのである。

 破片とか一応回収しておいたから、入院中にザリー達に預けて、修理できる加工屋とか探してもらったんだけど……やはりというか、全然見つからないって。
 まあ、材質が普通じゃないから、そうかもしれないとは思ってたんだけど……

「お前の装備は……『ジョーカーメタル』だったな。ならば、そこらの工房では扱うことすら不可能だろう。だが……おそらく心配は要るまい」

「? どうして?」

「お前の次の目的地に行けば……その問題は解決するだろうからな」

 …………どゆこと?

 
 ☆☆☆

 
「ただいま……あれ、アイリーンさん?」

「や、お帰り、ミナト君」

 宿に帰ると、そこには相変わらず神出鬼没のお客さんが来ていた。

 我が物顔でソファに腰掛け、リラックスしているギルドマスター殿がいて……その隣には、ダンテ兄さんとウィル兄さんが立っていた。

 そして、その反対側のソファに、アイリーンさんと対面する位置取りで、やや緊張気味のエルクが座っていた。

 しっかり上座に着席しているアイリーンさんに、遠慮せず座るように促され――ここ僕の部屋だよね?――対面する位置のソファに座る。

「えっと……何か御用ですか? アイリーンさん。出発、明日ですよね?」

「うん、ちょっとね。でもその前に、ダンテ君から君に説明することがあるらしいから、聞いてあげて?」

「? ダンテ兄さんから?」

「おう」

 すると、ダンテ兄さんが何かをカバンから取り出し、ぱらぱらとめくり始めた。
 めくりながら、

「ミナト、遅くなって悪ィが……健康診断の結果を伝えに来た」

「あ、そうなの……で、結果は?」

 
「「…………」」

 
 ……?
 なぜ沈黙?

「…………ミナト、結論からはっきり言うぞ?」

「……落ち着いて聞いてください」

 ……ん?

 あれ? ダンテ兄さん、ウィル兄さん、
 なんか顔がマジなんだけど……え、何この空気?

 何か、その……余命宣告みたいなんだけど? もしかして、エルク(保護者)が同席してるのって……え、ちょ、冗談だよね!?

 さすがに不安になり始めた僕の目の前で、ダンテ兄さんは自分が持っている冊子……おそらくは僕の健康診断の結果表か何かを、僕にも見えるようにして突きつけた。

 そこには……

 
「……白紙?」

「『解析不能』だ。ミナト、お前の体、完全に……普通じゃなくなってやがる」

「人間のそれはもとより……エルフやドワーフ、マーマンなど、亜人系の種族にも対応したあらゆる方法で調べましたが……お手上げです。我々の手に負えません」

 
 ☆☆☆

 
 通常、人間も亜人も、その体組織の基本構造は同一である。
 そんな言葉から、ダンテ兄さんとウィル兄さんの説明は始まった。

 無数の細胞の集合体であり、それらによって皮膚や筋肉、骨格や内臓、体毛なんかが構成されている。

 種族ごとにその細かい性質に違いはあれど、それは多くの種族、というか生物で変わらないそうだ。

 僕も一応、そうらしいんだけど……検査の結果、明らかにその『性質』がおかしいという。

 検査の結果、僕の肉体の異常性が色々と明るみに出てきたそうだ。

 まず、凄まじい生命力や回復力。
 前から言われてたことではあるけど……切り傷くらいなら数秒から数分で治癒し、跡形も残らない上に、免疫機能も桁外れ。毒も何も効かない。

 皮膚や筋肉の、恐ろしいほどの強靭さ。
 刃を通さず、炎にさらされても火傷もしない。酸をかけられても溶ける気配、なし。

 感覚器官の鋭敏さは獣以上で、骨は超硬合金が笑える位の硬度と強度。

 そしてそれらが生み出す、超人的な身体能力は……最早、人間の領域を超えている。

 さらに、本来人間のそれはあまり優秀であるとは言えない『親魔力性』は……その分野の最高峰と言っても差し支えない『エクシア』とタメ張れるレベルな上、細胞1つ1つ、血液の1滴1滴が、冗談みたいに濃密な魔力を含有している。

 極めつけは、必要に応じて様々な、人間にはもともと備わっていない器官を作り出せるという、どんな種族も持っていない異常な能力だ。

 生物学的な壁を思いっきり無視している、まるで体内で『進化』を起こしているとすら呼べそうな、そんな能力は……この地上のどんな種族も持っていない。

 おそらくはもとは普通の人間のそれだったであろう、僕の肉体は……そんなものに変質してしまっている、と聞かされた。

 おそらくは……『EB』の影響で。

 それを、最後まで聞かされて……僕は……

 
「エルク、僕のこと気持ち悪い?」

「全然? 今更でしょ、そんな」

「そっか、よかった」

 じゃ、何も問題ない。

 
「……相変わらず愉快な基準だな」

 ダンテ兄さん、呆れ顔でジト目。しかし野郎にされても萌えないのであった。

 何も包み隠さず、全てをどストレートに告げただけに、僕が落ち込んだりとか、シリアスで重い展開を予想してたみたいだけど……あいにく、そんなか細い神経してません。

 確かにびっくりしたっちゃしたけど、だからって僕が僕でなくなるわけでもなし。

 周りの目がどうとかって考え方もあるけど……僕としては、いつも一緒にいる仲間から冷ややかな視線を向けられたりするようなことがなければ、別に全然いいです。

 多分だけど……エルク同様、ザリーたちも受け入れてくれるだろうと思うから。そう、僕は信じてるから。

 ……というか、普段から散々非常識見せて三白眼と呆れ顔を食らってきてるので、さっきもエルク言ってたけど、ぶっちゃけ『今さら』な気が。

「……それはそれは……素敵なチームですね」

「ははは、でしょ?」

「皮肉ですよ?」

 わかってます。

 まあ何はともあれ、僕の体が普通じゃない、ってことはわかったけども……どうも、だから『はいそうですか』って完結させていいような問題じゃないんだそうだ。

 あの母がかかわっている以上、不確定要素を残しておくのは問題があるそうで。

「いや、ないとは思うんだけどさあ……魔物の中には、体内の魔力を暴走させて、ちょっとした戦略級魔法並みの威力の自爆引き起こす奴とかもいるからね、念のため」

「……何を心配されてるんですか、僕」

 怖いな、おい。人間爆弾か。

 まあ、体内に大量の魔力が溜まってるって状態を考えれば、浮かんでも不思議じゃない懸念事項なのかもしれないけどさ。

 そんなわけで、再度僕の体の検査・解析を行う必要があるらしいんだけど……誰に?

 聞く限りじゃ、ダンテ兄さんとウィル兄さん、および2人が働いている施設は、この国の生物学・医学の最先端といってもいいレベルのそれだ。

 そこでわからなかったとなると……一体どこで調べるんだろう? 他国? まさかの国外旅行?

 そうたずねると、アイリーンさん、首を横に振った。

「いや、国内で大丈夫だよ。ちょっとボクにあてがあってね。たぶんあいつなら……君の体のことも、1から10まで完璧に解析してくれると思う。ただ……」

「ただ?」

「いや、そのあてっていうのがさ、根はいい奴なんだけど……ちょっと関わるのが面倒というか、心配な部分も多々あるというか……」

 ……?

 何だろう、珍しくアイリーンさんの歯切れが悪い。

 見ると、立っているダンテ兄さんとウィル兄さんも、なんだか微妙そうな表情になっていた。

 どうやら2人とも知ってる人らしいけど……何だ、この微妙な空気?
 その『あて』って、そんなに問題ある人物なのか?

「まあ、問題あるかないかで言えば……超あるね」

「超あるんですか!?」

「うん。何せ……」

 一拍、

 
「元『女楼蜘蛛』で……ある意味、リリンより危険な奴だからさ、そいつ」

 
 ……え゛っ!?

 
 
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