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印南敦史印南敦史  - ,,,,  06:30 AM

「もうイヤだ!」と思ったらどうすべき? いまだに使える2004年の教え

「もうイヤだ!」と思ったらどうすべき? いまだに使える2004年の教え

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「もうイヤだ! 」と思ったとき読む本』(斎藤茂太著、あさ出版)は、2004年2月に出版されたベストセラーを再編集したリニューアル版。当時は20万部超の実績を打ち立てたといいますが、12年の歳月を経てもなお色褪せていないところが魅力です。

振り返ってみるに、これまで味わってきた数々の「もうイヤだ」という体験は、すべて私にとって後々プラスに働いていったようだ。
結局のところ、私たちが「もうイヤだ」と感じている状況のすべては、「人生の雨季」のようなものではないだろうか。(中略)
そして、私たちは雨季がいずれ終わり、雲間からまた太陽が顔をのぞかせることも知っている。
あなたが「もうイヤだ」と感じたことも、言ってみればあなたが成長する上での良薬と思ったほうがいい。そのときはつらくても、あとから振り返れば、必要不可欠なものだったと気づくのである。
(「はじめに」より)

だからこそ、「もうイヤだ」を"人間として大きくなるチャンス"だととらえてみるべき。それだけで、気持ちが楽になるはずだから。「心の名医」として知られる精神科医である著者はそういいます。こうした考えに基づいた本書から、「仕事」に焦点を当てた第2章「会社の『もうイヤだ!』をラクにする」を見てみたいと思います。



会社がほとほとイヤになったとき


望まない仕事をやらなければいけないとか、まったく評価してもらえないとか、あるいは社内の人間関係で悩んでいるとか...。一生懸命仕事に取り組み、イヤなことも我慢してきたとはいえ、さまざまな現実に直面するうち、会社や仕事に疲れきってしまったという人は決して少なくないでしょう。

「なら、環境を変えればいい」とはいっても、異動を希望して望みが叶うとは限らず、下手をしたら社内での立場が悪化してしまうかもしれない。しかも転職もままならず、生活を考えれば会社を辞めるわけにもいかない。そう考えると会社に残るしか道はなく、ますます絶望的な気分になってしまう。そのような人たちに対して、著者は次のようにアドバイスしたいといいます。

会社勤めの人にとって、会社や仕事は重要だ。それはわかる。仕事が思うようにいかなければ、むなしい気分になるであろうことも理解できる。しかし、人間は、企業人である前に、一個人である。まずは、人間らしく生きることの大切さを知ることではないだろうか。(45ページより)

そこで重要なのは、「本当にやりたいことはなんだろうか」と考えてみること。たとえば趣味が大切なら、それを人生の中心に据えてみればいいいということです。思い当たるものがなかったとしても、街へ出かける、友だちに電話をする、本を読むなど"とりあえず行動"してみれば、やがて興味を持てるものが見つかるはず。そして仕事は、これまでよりも少し力を抜いてみる。手を抜くのではなく、力を抜いてみる。すると、意外に仕事もうまくいきはじめるかもしれないというのです。

しかし「自分は会社の犠牲になっている」と感じたら危ないと、著者は警鐘を鳴らします。会社の仕事に献身的に取り組む真面目な人に多いそうですが、行きすぎた犠牲的精神は、ときにその人の人生を誤らせることもあるというのです。しかしそれでは、とても人間らしく生きているとはいえないわけです。

対して、自分の仕事に生きがいや誇りを持っているのだとすれば、それはそれで素晴らしいこと。だからこそ、そんな人にはしっかりとした夢を持ってほしいと著者はいいます。ただし夢を追うのには時間がかかるだけに、途中で障害にぶつかったり、気力が衰えて挫折しそうになることもあるもの。そんなときには「きっとやれる」と信じて、ゆっくりスタートしなおすべき。自分を見つめるだけの余裕を持ち、プラスの感情を持てば、きっとうまくいくといいます。(44ページより)


働きすぎているとき


「仕事をするのがほとほとイヤになった」と感じているとしたら、その一因に"忙しすぎる"ということがありはしないかと著者は問いかけます。自分の気持ちを整理するヒマがない。悩みや迷いを聞いてもらうヒマがない。疲れたとき、ゆっくり休むヒマがない...。そんな状態では悩みや迷い、疲れはたまる一方で、吐き出すことができないわけです。

「忙しい」という言葉の裏にはさまざまな意味が隠されていて、「本当にこなせないような量の仕事に囲まれて忙しい」のか、それとも「ただ漫然と忙しいと思い込んでいる」のか、人によって捉え方は違うでしょう。しかし現実的には、「忙しい」と愚痴っている人ほど、どこか時間に振り回されていて、ムダな時間を過ごしていることが多いようだと著者は指摘します。

忙しさは果てしないもの。だから、忙しがっていると、いつまでたっても自分の時間を生み出すことができない。やがて自宅や休日にまで仕事を持ち込むようになり、精神的にも疲弊することに。なのに、その疲れや悩みを解消するゆとりもなくなってくる。このようなスパイラルに陥ると、仕事自体の能率が落ち、ますます焦って仕事に時間をとられ、袋小路に陥ってしまうというわけです。そのため、自分の時間をつくることが大切なのだと著者は記しています。

自分の時間をつくることができれば、気持ちを整理したり、気分転換をすることで、少しは気分を晴らすことができるだろう。
そして、自分の時間とは、たいていの場合、ほんとうにつくろうと思えば、なんとかつくることができるのである。(49ページより)

そこで、仕事が忙しくて疲れや悩みを抱えてしまったときは、自分自身に「仕事の能率を上げるために自分の時間を持とう」といい聞かせることが大切。それは、どこかで忙しさにピリオドを打つ勇気であり、それこそが「多忙をストレスにしない秘訣」なのだそうです。(47ページより)


望む仕事が与えられないとき


「自分が望んでいる仕事に就けない」という人は、決して少なくないでしょう。でも、「こんな仕事、やりたくない」と感じた瞬間にそれがストレスとなり、そればかりか、悩めば悩むほど「もうイヤだ」という感情が増幅し、心を圧迫することになってしまいます。

そしてこうした感情の背景には、「第一志望の職種や会社の仕事を得ることができなかった」「不本意な異動を命じられた」「上司がチャンスを与えてくれない」などの事情があるかもしれません。しかし、そうした状態から抜け出すために脱サラや転職をしたとしても、うまくいくという保証はありません。

でも、現在の仕事を続けていれば、そこそこの給料は入ってくるはず。そのため、「つまらない仕事を続けて安定した生活を得る」のか、「好きなことをする自由を得るために安定を捨てる」のかという問題に直面することになり、たいていの人は、「文句をいいながらも安定を捨て去る勇気が持てない」という状態に陥りがちだといいます。上司や会社の愚痴をこぼし、「やりたい仕事をしたい」といいながら、いまの仕事を続けていくということ。

私は、それはそれでいいと思う。どちらが正しくて、どちらが悪いというわけではない。どちらの方向に向かうかは、まったくあなたの自由なのだ。
けれども、それを選択しているのは自分自身だということは忘れないでほしい。誰かが強制しているわけではない。(62ページより)

しかしそれは、「自分で選んだ道なのだから文句を言うべきではない」という意味ではなく、そこまで自分に厳しくする必要もないといいます。文句をいいながらも現在の仕事を続けることを選んだのであれば、愚痴をこぼしながらやっていけばいいという考え方。弱音を吐く自分を許してあげるということです。

「自分で選んだ道だ」と割り切ってしまえば、いつかストレスは軽減されていくということ。だから、自分にどのような選択肢があり、なにに迷っているのか、どちらを選択しようとしているのかなど、自分の気持ちと一度よく向き合ってみるといいだろうと著者。それから行動を起こしたとしても、決して遅くはないからです。(60ページより)


努力が報われないとき


誰しも多かれ少なかれ、「努力が報われないのは、自分の能力に問題があるからだ」と落ち込んだ経験があるはず。そして、どんな仕事にも共通するのは、仕事をしていて「ただ忙し思いをしただけだった」と暗い気分になってしまうような場面が決して少なくないということ。

ここで私が提案したいのは、成果を多角的にとらえてみることだ。つまり成果というのは、直接的な成功だけではないということだ。
例えば、気難しい取引先が珍しく愛想がよかった、残業したおかげで以前から探していた資料が見つかった、外回りの途中でおいしそうなケーキ屋さんを見つけたというようなことでもいい、何かいいことがあるはずだ。(67ページより)

どんなに些細なことでもいいから、それを成果のひとつに加えてみれば、「期待した成果は上がらなかった。でも収穫はあった」と思えるもの。そのぶん、少しは気持ちが楽になるし、多忙さからくるストレスも軽減されるというわけです。

仕事に限らず、うれしいことは何度も大げさに喜び、脳に強烈な体験として覚え込ませるべきだということ。そして気持ちが沈むようなことについては短時間で集中して悩み、あとは忘れるようにすることが重要。悩みを引きずったことが成果につながるのならともかく、そんなことはありえないのだから、反省点を胸に刻み込むだけで十分だということです。(66ページより)




いつの時代であれ、私たち人間は「もうイヤだ」と感じることから逃れられないもの。本書の主張がいまだ鮮度を保っているのは、そんな本質的なこととも関係がありそうです。疲れときにでも、パラパラとページをめくってみてはいかがでしょう?


(印南敦史)

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