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【天安門事件から27年】
人民解放軍の戦車に両足を踏みつぶされた民主活動家、方政氏 「天安門事件をユネスコ記憶遺産に」
「中国にとって民主化は非常に難しいプロセスだ。われわれ海外で中国に関心を寄せている者も、ずっとその道を模索してきた。第一歩は自由だと思う。報道の自由、言論の自由、個人の基本的な人権、結社の自由。これらが法的に保障されてはじめて、成熟した民主状態へと徐々に、徐々に発展していくだろう。現在の中国ではインターネット上で多くの言葉が遮断される。民主社会とはほど遠い。まずこうした分野での自由、通信の自由が必要だ」
--中国が、天安門事件など自国の歴史は隠し、日本に「歴史を直視せよ」と迫ることをどう思うか
「それは共産党政権の恥知らずの一面だ。彼ら自身の歴史上の多くの罪行には蓋をして、誰にも理解させようとしない。六四のみならず、それ以前のものもだ。政権は新聞、メディアのほか、教科書までコントロールしているが、そこに書かれた歴史は嘘ばかりだ。だから、ユネスコの記憶遺産に登録して、事件を人々に記憶させないといけない。こうした方法で少しずつ状況を変えていくしかない」(※取材は5月中旬)
方政(ほう・せい)氏
1966年生まれ。中国安徽省出身。北京体育学院卒業直後の1989年6月4日朝、天安門広場付近で人民解放軍の戦車にひかれ両足を失い、22歳で車いすでの生活を余儀なくされた。2009年に渡米。米国の大学などで学生に天安門事件について語るなど、中国の民主化や人権状況の改善を訴えている。