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元コンサルタントな歴史家―ドイツから見た日本

大学で近代日独軍事史を研究する伊藤智央のエッセイ。ドイツと日本に関する批判的な評論を中心に海外生活の実態をお伝えしています。留学や移住に関するイメージもお伝えできればと思います。

作業プロセスを俯瞰することでアウトプットの質を上げよう!

仕事術 仕事術-効率化

ビジネスであれ、学術論文の執筆であれ、それが生み出す価値を意識することは大切です。そしてその価値がどうやって生まれているのかを理解することで、その価値を最大化する際の手がかりを得ることができます。

ではどうすれば「仕事が出来る人」になれるのか。

そのために一番しなければならないことは、作業プロセスを見渡す目でしょう。

仕事が出来る人になるためには

読者に与える付加価値を最大化するためには

仕事がどのような個別の作業からなり、その個々の作業がどのような付加価値を生み出しているのかを見極めることが重要となります。そうすることによって、各作業に適切なリソースを割くことができます。

つまり、最適な作業設計が可能となります。

こう書くと抽象的でわかりにくいため、「文章を書く」という行為を例としながら説明していきます。

ステップ①:作業単位へとブレイクダウン

例えば何らかの文章を書くという行為自体は複数の、性質が異なる作業へと以下のように分解できます。*

*実際にはこれらの作業は行ったり来たりを繰り返し、また重なっているところもありますが、ここでは理念型として理解してください

  • インプット

    ①文献を読む

  • 情報処理

    ②考える

  • アウトプット

    ③書き出す
    ④推敲する

ステップ②:それぞれの作業が生み出す付加価値を見極める

時間を多くかけるべき作業:②考える④推敲する

  • アウトプットの性質

アウトプットは投入時間に対して比例していきます。

確かに一定程度のアウトプットがすでに出ていると、このアウトプット向上を示すカーブは緩やかになりますが、いつまでも伸び続けます。

青天井ともいえます。

  • キードライバー

アウトプットが投入時間に比例していることを考えると、アウトプット最大化にはより多くの時間を投入するしかありません。

何事にも王道はないということです。

効率を追い求めるべき作業:①文献を読む③書く

  • アウトプットの性質

付加価値はある一定のレベルに達するとそれ以上上昇することはほとんどないか、伸び率は非常に低くなります。

書く行為は、表現する文章の内容を自分がもともと言いたかった考えに近づけることと言い換えることができるため、始めから限界値が設定されています。考えている以上のことは書けません。*アウトプットのレベルは限界値に漸次的に近づいていくというイメージです。

*書きながら考えることもできますが、ここでは説明のために書くという行為を取り出して捉えています

情報のインプットに関しても、読んでいる文献が持っている以上の情報は得られないので、それが限界値を表しています。

ですので、繰り返しになりますが、これらの作業は、できる限り速くこの限界値に近づくようにしなければなりません。

  • アウトプットのキードライバー

これらの作業の性質を踏まえると、時間がアウトプットのドライバーになっているわけではないということが言えます。

「①文献を読む」に関しては、アウトプットに影響がない範囲で要点をつかむように速く読むことが求められます。

「③書く」にしても、紙の原稿用紙に書くのかパソコンを使うのかでスピードが違ってきます。また、同じパソコンを使うにしても、文献管理ソフトやショートカットを使って素早く書くこともできます。結局、手書きであろうと、ショートカットを使わない場合であろうと、アウトプットの質には影響を及ぼしません。

つまり、ここでは時間をかければいいというものではなく、どのような経過を経ようとも最終結果は変わりません。

そうなれば、作業を効率化してさっさと終わらせましょう。

つまりここで言いたいことは、作業効率がキードライバーになっているということです。

読み書きの効率化を図り、思考と推敲作業には時間をかける

付加価値がどのように生まれるのかという観点から個別の作業を分類することで、アウトプット最大化のキーが見えてきます。

つまり、これら二種類のアウトプットの性質を踏まえて、アウトプットに限界のある「①文献を読む」ということと「③書く」ということをどれだけ効率化し、そこで節約した時間を、アウトプットの伸び率がより高い「②考える」と「④推敲する」に回せるかということがカギとなります。

まとめ:ただ頑張るだけで付加価値が出せるわけではない

以上の例のように、さまざまな作業も「分解」+「付加価値の見極め」ということを行うことで作業全体の付加価値を最大化できるのではないでしょうか。

整理すると以下のようになります。

  • インプット

    ①文献を読む

      →作業効率を上げる

  • 情報処理

    ②考える

      →投入時間を増やす

  • アウトプット

    ③書き出す

      →作業効率を上げる
    ④推敲する

      →投入時間を増やす

このように作業を分解して付加価値に応じて分類することで、付加価値の低いようなルーチン作業をどれだけ早く終わらせて、それによって、付加価値の高い、高度な思考が要求される作業により多くの時間を当てることができるようになります。

エクセルでどれだけ速く指を動かして処理するかといったようなことは、結局、それ自体が目的ではなく、より重要なことに時間を割くためです。

例えばコンサルタント時代はマウスは基本的に使いませんでしたし、エクセルやパワポの処理速度を尋常ではないレベルまで上げさせられたのも、そのためでした。それによって余った時間を使うことで、クライアントよりも多くの時間を「考える」という作業に集中できます。これがコンサルが付加価値を創出するときの前提条件になります。

アウトプットの向上方法について別の角度から書いている記事として、以下のようなものがあります。

herrtomo.hatenadiary.jp

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