酒酔い運転容疑で嘉手納基地の米兵逮捕 正面衝突2人けが

酒酔い運転容疑で嘉手納基地の米兵逮捕 正面衝突2人けが
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沖縄のアメリカ軍の軍属が女性の遺体を遺棄したとして逮捕された事件を受けて沖縄県などが軍に綱紀粛正を強く求めるなか、4日夜、アメリカ軍嘉手納基地の兵士が酒に酔った状態で乗用車を運転したとして警察に逮捕されました。兵士は道路を逆走して正面衝突事故を起こし、日本人2人にけがをさせたということです。
逮捕されたのは、アメリカ軍嘉手納基地に所属する海軍の2等兵曹アイメ・メヒア容疑者(21)です。
警察の調べによりますと、メヒア2等兵曹は4日午後11時半すぎ嘉手納町水釜の国道で、酒に酔った状態で乗用車を運転した疑いが持たれています。
乗用車は対向車線を逆走して前から来た2台の車と衝突し、日本人の男女2人がけがをして、このうち女性は胸の骨を折る大けがをしました。
警察が調べたところ、メヒア2等兵曹から基準のおよそ6倍のアルコールが検出されたことなどから、酒酔い運転の疑いで逮捕しました。
警察によりますと、調べに対し容疑を認めたうえで「友人の家で酒を飲んでいた」と供述しているということです。
沖縄では、アメリカ軍の軍属が女性の遺体を遺棄したとして逮捕された事件を受け、沖縄県などが綱紀粛正を強く求め、アメリカ軍が先月27日、すべての軍人と軍属に対し基地の外での飲酒や深夜の外出などを制限するよう命じたばかりで、今後、批判が高まることが予想されます。

防衛相「極めて遺憾、米軍に強く抗議」

中谷防衛大臣は訪問先のシンガポールで記者団に対し、「先般の軍属の男の逮捕を受けて、基地外での飲酒を制限していたにもかかわらず、再びアメリカ軍による事故が起きたのは極めて遺憾で、防衛省として、アメリカ軍に対し遺憾の意を伝えるとともに強く抗議し、徹底した再発防止に努めるよう申し入れた。今後もあらゆるレベルで強く働きかけをして、事件・事故をなくせるように努めていきたい」と述べました。

「綱紀粛正は形だけ」県民から怒りの声

アメリカ海軍の2等兵曹が酒酔い運転の疑いで逮捕されたことについて、沖縄県民からは憤りの声が聞かれました。
那覇市の50代の女性は「綱紀粛正というのは形だけのものだと思い、改善されるとは信じていません。事故を起こしても補償したら済むだろうとうやむやにされている感じがします。日米地位協定の見直しを強く訴える必要があると思います」と話していました。
那覇市の40代の男性は、「何年も前から事件事故はずっと続いていて、アメリカ軍は、何を言っても聞かないのではないかと思います。お互いが気持ちよく生活するためには、もっと厳しくしないといけない」と話していました。
豊見城市の50代の女性は、「綱紀粛正は一時的なもので、実際には守られていないのが現状だと思います。日本に復帰したにもかかわらずいまだに沖縄は植民地のような扱いで、沖縄ではまだ戦争が終わってないと感じます」と話していました。