いま女子たちが“男前”落語に夢中? イケメン落語家たちの本音とは
東京のアフターファイブに異変が起きている。落語ブームだ。勤め帰りの女性たちまでが落語を聴きに押しかけているという。居酒屋の小さな座敷なども含めると、1カ月間で東京近辺で開かれる“落語会”はなんと700席を超えるのだ。これは単純なブームなどではない。ハンサムでクールなサブカルチャーの誕生といっていい。いま、新しい落語ムーブメントが起きている。『アエラスタイルマガジン 31号 』(朝日新聞出版)で紹介した、若手“イケメン”落語家たちをお教えしよう。
これらのブームをけん引する男前な若手落語家の筆頭はなんといっても春風亭一之輔である。
4年前に21人抜きの抜てきで真打昇進した人気と実力を誇る38歳の若手真打だ。
ちなみに落語家には「前座」「二つ目」「真打」という身分がある。見習いから始め前座を3~5年勤め、二つ目を約10年勤めると、寄席の最後の出番であるトリを取ることができる真打となる。もちろん、真打の誰もがトリを取れるわけではない。実力のほかに客を呼ぶことのできる人気度も求められる。一之輔の上の世代の師匠たちのなかにも、チケットがすぐに完売となる人気や実力を誇るものはいる。しかし、若手真打では一之輔の人気は群を抜いており、老若男女を問わない。
物憂げな雰囲気で皮肉のきいた毒のあるギャグをさく裂させながら、古典落語の世界に生きる登場人物たちを豪快に活写する一之輔落語。進化を続けるこの落語のとりことなる人が増えているのだ。
「ブームといわれるけど、自分の手応えはずっと変わっていないですよ。確かに客席に若い人が増えたなという感じはありますけど。お客さんに喜んでもらえたというのがこちらのいちばんの喜びで、落語へのこだわりってないんです。仕事という意識があまりない。落語をしゃべるという道楽を仕事にしてしまったんですから。休みもなくて、朝から寄席を2軒かけ持ちして夜に自分の独演会をホールでやるとか、一日に3席しゃべったりするのはざらですが、嫌になることはないですね。あきたらしゃべるネタを替えればいいだけですから」
こう語る一之輔にはすでに弟子もいて貫禄さえある。一之輔人気はいま始まったわけではなく、現在の新しく若い客層を取り込んでいるブームを支えているのは、イケメン落語家と呼ばれる若手たちだ。
テレビなどでも「いま流行のイケメン落語家」筆頭に取り上げられるのが柳亭市弥だ。ジャニーズばりの色白の甘いマスクで、落語協会会長でもある師匠柳亭市馬譲りの正統派の古典落語に取り組む二つ目である。
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