BS11にアニメ事業部が誕生 コンテンツ事業部が名称変更
衛星放送事業のBS11が、6月1日付で組織変更を実施、新たにアニメ事業部が誕生した。従来の「マーケティング局 コンテンツ事業部」を「マーケティング局 アニメ事業部」と変更するものだ。アニメ事業部長は、マーケティング局長兼コンテンツ事業部長の内田克幸氏がそのまま就任する。
アニメ事業部はマーケティング局の下部組織で、同局にはこのほか開発部、メディア戦略部があり、3つの事業部から構成されている。局全体では新事業など放送以外の分野もカバーする色彩が濃い。
BS11は1999年に設立、2000年からスタートした衛星放送局を運営する。歴史は浅いが、日本全国4000万世帯に同一の時間に同一の放送をすること可能な特徴を活かし、着実に成長を続けている。
近年は、とりわけアニメの放送を増やしており、ファン、そしてアニメ業界からの注目度は高い。レギュラー番組ばけで最新作、再放送を取り混ぜ週30タイトル以上、特に視聴の多い、土曜日、日曜日のよるはアニメが集中した放送帯となっている。
動画配信サービスの普及もあり、テレビアニメ放送は国内での放送時差を縮める動きも強まっている。全国同時放送が可能な衛星局はテレビアニメと相性がよく、なかでもBS11が活用されている。
これはBS11の業績にもつながっている。BS11の2015年8月期決算は売上高88億6500万円(12.7%増)、営業利益19億6000万円(15.8%増)と増収増益だ。2016年8月期も第2四半期までで増収増益を続けている。
直近の決算発表では増加要因として、アニメ放送時間枠の増加によるタイム収入の増加、アニメ作品への製作委員会の出資による配当収入も挙げた。事業全体におけるアニメの存在感は大きい。
BS11は事業戦略においても、5つの重点施策のひとつとして「アニメ番組の強化」を挙げている。実際の施策としては、まず製作委員会へ出資をする。これはアニメの放送だけでなく、アニメの製作者としてアニメにより深く関わっていくためのものだ。
さらにアニメ情報番組「アニゲー☆イレブン!」を放送する。放送を通じてアニメの周辺カルチャーも含めて盛り上げ、ファンの囲い込みも視野に入れたものだろう。
今回、コンテンツ事業部をよりフォーカスされたアニメ事業部に変更するBS11からは、アニメビジネスに対する大きな意欲が感じられる。それだけに、今後の動向が関心を集めそうだ。