【シンガポール=石田浩之】中谷防衛相は4日、シンガポールでカーター米国防長官と会談し、日米地位協定上の地位を有する米軍人・軍属の扱いの見直しに向け協議を開始することで合意した。

 沖縄県の女性の遺体を遺棄した疑いで米軍属の男が逮捕された事件を受けた再発防止策の一環で、軍属の対象範囲を狭める方向で検討するとみられる。

 中谷氏は協定改定について記者団に「最も適切な取り組みを通じて対応を積み上げたい」と述べるにとどめた。改定には踏み込まない方針だ。

 今回の事件で地位協定は捜査の障害にならなかったが、日米両政府は沖縄県民の反発を受け、運用改善が必要と判断した。軍属の対象範囲を狭めれば、日本の司法制度で取り調べや裁判を受ける対象が増える。