デモの道路使用許可 神奈川県警
在日コリアン排斥などを訴えるヘイトスピーチを繰り返してきた男性が5日に川崎市で予定しているデモについて、神奈川県警は3日、男性のデモと道路使用を許可する決定をした。「公共の安寧の保持に直接危険を及ぼす場合以外は許可する」とする県公安条例の要件を満たすと判断した。
主催者の男性は当初、同市川崎区でデモを計画したが、市は5月に成立したヘイトスピーチ対策法を踏まえ公園の使用を不許可とした。男性は今月1日、場所を同市中原区に変更して県警に道路使用許可などを申請していた。
警察は従来、デモの主張によって道路使用許可の判断をしていないが、県警は今回、対策法の趣旨を男性に説明し、デモの中止を促した。男性は聞き入れず、県警は申請を受理して、県公安委員会の決裁を受け最終決定した。
デモは10〜50人が参加して約1時間行われる見通し。対策法に罰則や禁止規定はなく、ヘイトスピーチデモを取り締まることはできないが、県警は5日の警備に機動隊を動員する。【村上尊一】